「つつましい英雄」
by  マリオ・ガルバス=リョサ



マフィアの脅しに屈せず

正面から立ち向かった

実在の人物をモデルに

サスペンス・タッチで描かれる

波乱に満ちた物語


とあったので

面白そうだと借りてみた


運送会社のオーナー、フェリシトは

朝玄関のドアに

脅迫状を受け取る

という冒頭


早くも話が動き出す


フェリシトの父は苦労人で

フェリシトに

「けっして誰にも踏みつけに

されてはならない」

という言葉を遺して死ぬ


だから

フェリシトはずっとその言葉通り

生きてきた


フェリシトが脅迫状を持って

警察に行く

そこにはあまり有能には

見えない

リトゥーマ軍曹と

シルバ大尉(警察署長)がいる


このとろくさそうな2人が

意外といいところで

いい仕事をするのが面白い


ページを追うごとに

いい感じになる


さてもう1人、

保険会社のオーナー、

イスマエル

彼はおじいちゃんだが

メイドのアルミダと結婚を

強行しようとする


というのも

2人の息子が大反対している

からだ


運送会社のオーナー、

フェリシトと

保険会社のオーナー、

イスマエルの話は

並行して進む

そして

当然のことながら

どこかで交わる


フェリシトが若い愛人マベルを

囲ってたり

フェリシトにも息子が2人いたりして


フェリシトとイスマエルが

ごっちゃになりそうなところは

きっとわざとだろう


途中であっと驚く展開に

なるので

お楽しみに ウインク


女性の体のことを

乳房が上を向いてる

とか

歩くたびに尻がブルブル

震える

とか

いかにも男性に向けての

表現で


書かれたのは2013年頃だから

そんなもんなのかな

今なら

そんな表現するかな、

いやこんな描写いる?

なんて思いながら

読んだ


結構ブハッと笑うところ

沢山あります 爆笑




2015. 12 初版発行

ノーベル賞受賞後初めての作品


「私利私欲に満ちた

エゴイスティックなこの社会

においても

善意を旗印に掲げる

無名のつつしみ深い

英雄たちが存在しているのだ」


世界はつつましい無名の

英雄たちに

支えられている







今日の虎に翼
航一さんの「ごめんなさい」
の理由がわかる

その前に
懐かしいお兄ちゃんが
出てきて
既に涙 えーん

航一が所属していた
総力戦研究所
ここで何回分析しても
必敗となるにも関わらず
軍部は戦争に突き進む

そして多大なる犠牲者を出す

見ながら泣く
負けるとわかってて戦争を
おっ始める
バカな指導者達



つくづく上がバカだと
国は滅びると実感する
今もだけど…

戦時中
母の祖母、私には曽祖母が
「アメリカと戦争やって
勝てるわけがない」
といつも言ってたそうだ

その度に母達は
「ばあちゃん、そんなこと
言うたらいかん!」
と祖母の口を塞いだという

曽祖母曽祖父は
祖母を連れてアメリカに渡り
何年間か住んでいたのだ
だから
何もかもが日本とは桁違いの
実際のアメリカを見ている


奇しくも
今朝の朝日新聞に



総合戦研究所のことが

書いてある


虎に翼の脚本家は

まるで

身を挺してみんなに訴えて

いるように思う

凄い脚本家だ




昨日のあさイチの

よね様とハッシー 飛び出すハート








映画「対峙」



タイトルからして

少し重そうな硬そうな

映画かな?

と思って見たら


ベリーハードだった 


冒頭から

視聴者は引き込まれる

誰が来るのかわからないけど

とても気を遣わなくては

ならない人達が来るようだ


そして

二組の夫婦が到着する

お友達とはとても思えない

二組の夫婦


何かがあったのだ


予告編ではそのことに

触れているので

ネタバレになるけど言うね 


ある高校で銃の乱射事件が

起こり

数人が死亡

犯人も自殺


その殺された子供の両親と

殺した側の子供の両親が

面会する


いやこれは

無理だろう

と、私も思うが

会話はヒリヒリしながら

ぽつりぽつりと進む


殺された側は

なぜこのようなことになったのかを

知りたい

両親の育て方に問題があったのでは?

と思っている


そして

殺した側の両親は

そこまで問題がありそうにないが

特に父親はあまりにも冷静で

見てるこちらも

腹たってくる


これが演技だとしたら

絶妙すぎて上手い


とにかく2時間

彼らから目を離せない

被害者と加害者

彼らだけの特別な話ではないと

気づく



そして

彼女の到達したものは…

ああ、やっぱりそれか

と思った



おススメです 

(意外でしょうけど)








映画「かぞくのくに」



内容を知らずに見たら

あ、今私が話題にしている

朝鮮半島の人達のことだった


とても良かった

私はおススメする おねがい


地上の楽園とのふれこみで

夢と希望をもって

日本から北朝鮮に帰国した

(させられた)

兄ソンホが

25年ぶりに病気の治療ということで

日本に一時帰国する


兄を井浦新

妹を安藤サクラ

母を宮崎美子


井浦新の抑えた演技が良い

とても自然だ

対する妹の安藤サクラは

彼女の得意?とする体を張った演技


25年ぶりに日本へ

一時帰国した兄ソンホ

彼は感情を表に出すことなく

日本の家族と接する


母は北朝鮮に渡った息子のために

せっせと貯金をしているが

うん?待てよ?

これと同じような話を最近

見たなぁ

と思っていたら


なんと監督は

「スープとイデオロギー」

こちら

の監督だった!

じゃあこの妹はヤン監督自身、

というわけだ


私の知らないことが

いっぱいあって

その度に驚く


兄が帰国しなくては

ならなくなった時

妹に

「僕はあの国では何も考える

必要はない

ただ、指示に従うだけだ

そしてどうにかして

生き抜くだけだ」

と言い

「お前はいっぱい考えろ

いっぱいいっぱいいっぱい考えろ

そしてうんとわがままに生きろ」

と言う


父の希望で、そして期待され

わずか16才で北朝鮮に渡った兄

父への怒り

日本への怒り

北朝鮮への怒り


そんな複雑な気持ちを喚起させる

ドラマだが

これはヤン監督の

自伝的映画である


是非!!


井浦新はとてもいい役者

だと思う

ピンポンの時初めて見た

懐かしい





予告編がわかりやすく

まとめてあります



すっごく良かった

予告見ても涙が出てくる 笑い泣き









昨日のブログ記事で
少し触れた母の朝鮮人嫌い
について

これには少し背景がある

母が子供の頃
雪が沢山積もった日
村の子供達が大勢で雪合戦をした
母が背中を向けた時
敵陣地からの
雪玉が母の背中に当たり
母は口から血を吐いて
その場にくずおれた

雪玉には石が仕込まれていた
母はそのまま運ばれて
熱も出て
しばらく入院をしたらしい

その石の雪玉を投げたのが
朝鮮人の子供だったという
だから
母はそのことを歳をとっても
覚えていて
なぜ自分が朝鮮人嫌いか
ということを私達に
訴えるのだった

石入りの雪玉を投げたのは
本当に朝鮮の子供だったのか
彼はそんなことをするくらい
村でみんなにいじめられて
追い込まれていたのか
…いたのだろう

そしてその恨みは
自分より弱い
女の子に向かったのか

その時まだ空気だった私は
真相はわからないままだが
今も世界中で
絶えることのない
暴力、虐殺の連鎖を思う





庭に出ると

2匹のカエル君達が飛び出してきて

そして

2匹とも私の足元で固まる


なんで固まるの?

そこ逃げてしまうとこでしょ

止まってたら君たち、

蛇に食べられちゃうよ


と今回も2匹に忠告しながら

写メった


なぜ固まるのだろう?

はて?