おはようございます〜♪
2時起きの生活が始まって半月程経ちました。
やっぱりしんどい感じは否めないですね〜...
頭がボーっとする感じ。でも初めた当初に比べれば起きるのも苦ではなくなったので、あとは身体がついてくるのを待つのみです(汗)
そして昨日は卒業式でした!!
3年の高校生活も一区切りということで、心機一転頑張っていきたいですね〜
さて、今回のToday's Musicはちょっと特別です。
以前、キングクリムゾンのアルバムを紹介しました。
73年発表の『太陽と戦慄』、74年発表の『暗黒の世界』の2作品。
72年に一度解散したクリムゾンが、バンドリーダーのロバート・フリップによってメンバーを一新し同年に再結成。72年後半〜74年にかけて活動していた「第二期キングクリムゾン」の布陣による最終作品が今回紹介したい『レッド』です。この作品にてクリムゾンは解散します。
再結成時、「ギター/ベース/ドラム」のトリオに「即興演奏のパーカッション/現代音楽風のヴァイオリン」を取り入れたクリムゾンでしたが、この『レッド』を発表するときにはもうパーカッションもヴァイオリンも在籍しませんでした。
「目指す音楽性の違い」によるメンバー同士の乖離、ライブ公演の過密スケジュールによる疲弊等で、バンドメンバーたちの関係は冷え切っていたようです。
それとは裏腹に、発表されたものは「メーターが限界の『レッドゾーン』に振り切ったかのような熱い演奏」が繰り広げられているアルバムだったのです...。
このアルバムには思い入れがあるので今回はいつにもまして熱く語っていきますよ(笑)
1974年発表/King Crimson
『 Red 』(邦題 : レッド)
***** List *****
1 . Red
2 . Fallen Angel
3 . One More Red Nightmare
4 . Providence
5 . Starless
*************
前回まで在籍していたヴァイオリンのデヴィッド・クロスは既に脱退。
ヴァイオリン奏者としてクラシックな演奏をしたかったクロスでしたが、バンドサウンドが中心となる『ロック』について行けなくなり疲弊したと見られています。
本作『レッド』でのメンバーは
ロバート・フリップ : ギター/メロトロン
ジョン・ウェットン : ベース/ボーカル
ビル・ブラッフォード : ドラム
となっています。
ゲストミュージシャンとして、サックスのメル・コリンズ、ヴァイオリンにデヴィッド・クロスを筆頭に過去のバンドメンバーが集結しており「フリップ&ウェットン&ブラッフォード」のトリオによるバンドサウンドが核となったソリッドな演奏と、サックスやメロトロン、オーボエ等の美しい音色が融合したサウンドはこの時期のクリムゾン特有のもの。
核となるトリオのバンドサウンドについて見てみます。
『太陽と戦慄』でのジェイミー・ミューアの即興パーカッションは、後任のビル・ブラッフォードにしっかりと受け継がれており、ダイナミックかつ繊細なドラムの響きが、この時期のクリムゾンの音楽の指針になったと言っても過言ではないと思います。
ブラッフォードのドラムさばき&ウェットンのベース。この2人のリズム隊による演奏はもう完成の域に達しています。数多くのライブを熟す内に職人技とも言える演奏にまで昇華されたんだと思います。
勿論、フリップの超人的なギターも炸裂。最終曲の後半におけるギターの即興演奏は聴いたことがないほどに尖ったサウンドで、しかもどこか哀しみを孕んだような暗い音色になっています...。
では一曲ずつ見ていきましょう!
1. [Red] Youtube [Red]
ギターの鋭いリフとベースのグルーブ感、「メタル」の原型にも聴こえる攻撃的なドラム。
この時期の「最強のトリオ」による演奏は『太陽と戦慄』から続くメタリックなサウンドの集大成になっています。
上り詰めていく様なギターの演奏で幕を開けたかと思うと、ヘビーなギターのリフが延々と続きます。そのバックで、演奏をガッチリ支えるベースと聴き応えたっぷりのドラムが、「これでもか!!」と言わんばかりに自己主張の強いプレイをするんですが、それが完璧にまとまって曲として成り立っているのが凄い。というか奇跡。
一曲目から『レッド』の「終末、悲壮、絶望」を感じさせる世界観ががっつりと提示されています。
2. [Fallen Angel]
おどろおどろしいイントロから始まります。「ホラー映画か!?」と思ってしまうイントロ(笑)ですが、ウェットンのボーカルが入ったところで叙情曲に。フォークギターと控えめなドラム、サックス、メロトロンの演奏が美しく、このアルバム中の白眉となっています。ただサビになると一転。ギターの固い音とサックスの哀愁を帯びた音が重なるヘビーなメロディーに。
哀しみを強く感じさせる一曲です。
3. [One More Red Nightmare]
前曲から一変、ここではヘビーメタルばりに重いロックが聴けます。
ウェットンのボーカルが吐き捨てるようなスタイルになっているのが印象的。
ここでのブラッフォードのドラムは「鉄板を叩いている」様なギャーンと響く暴力的な演奏になっていて凄まじいことこの上ない。フリップのギターとサックスの演奏が絡む後半の展開は「格好良い」の一言です。
4. [Providence]
100%即興演奏。「プロヴィデンス」公演でのライブ音源を編集したものです。
冒頭、クロスの幽玄なヴァイオリンがフェードインしてきて、ドラムとゆっくりと静かに絡んでいきます。そこから演奏はどんどんヒートアップし、最後はベースが中心となった渦を巻くようなグルーブ感のあるサウンドに変化。即興演奏特有のスリリングな展開とロックがバランス良く融合された、クリムゾンの「即興」の最終到達地点。
5. [Starless] Youtube [Starless]
「この曲を発表するためにこのアルバムを制作した」と言っても頷ける程の大作。
メロトロン中心の叙情的なイントロで、印象的な主題を提示します。
ウェットンのメロウなボーカルとサックスの枯れた音色が相まって、酷く物悲しい音世界になっています。前半部は静かに展開されますが、ボーカルパート終了後、ギターの単調な音に徐々にベースとドラムが絡んでいき、最終的にはサックスとギターの激しい応酬による即興演奏へと発展していきます。
この中間部での演奏が、この時期の「最強のトリオ」による最も完成されたものになっていると思います。徐々にテンションが上っていき最後爆発するような演奏はクリムゾンお得意のもの。
そして演奏のテンションがMAXに達した時、メロトロンとサックスの主題が再び提示され、これ以上に無いほどドラマチックに幕を下ろします。
クリムゾンの達した「究極のロック」の一つの形。終焉に向かってひたすら突き進み、全て闇に溶け込んでしまうような虚無感を感じさせる曲です。聴き手を打ちのめすような、暗く、もうどうしようもないという雰囲気が全編に渡って漂っていますが、どこか温かみがあって優しさを感じるのは何故なんでしょう...。
この曲でクリムゾンは解散。
そういう結果になってしまった事が必然に思えてきてしまうほどに、完璧な曲です。
クリムゾンはデビュー作『クリムゾンキングの宮殿』からプログレッシブ・ロックの長として作品を放ち続けていましたが、この『レッド』で解散後、しばらく沈黙を続けます。(後にメンバーを一新し再々結成します)
ギターが炸裂するヘビーな曲、弦楽の美しい室内楽曲、ジャズを取り入れた野心的なロック、メロトロンとヴァイオリンの美麗な楽曲など、幅広い音楽性を作り上げてきたクリムゾン。デビューからの総括的意味を持つ『レッド』は、間違いなく彼らの最高傑作だと思います。
もっと文才があったら良いのに...と書いていて思うほど、このアルバムの凄さが上手く表現できないのが悲しいです(泣)
駄文&長文になりましたが読んで下さった方、ありがとうございました♪
今度はフリージャズについて書こうかなと思ってます( ̄ー ̄)ニヤリ
2018/3/2 written by masato