PURE-BUCKER

は大分のピックアップビルダーTM Pickupさんがハンドワイヤリングする、P.A.F.クローンのハムバッカーです。

う〜ん…機能美…(=´∀`)



TM Pickupさんのお眼鏡に叶ったコイルがある時にだけ製作され、オークションのみで販売されているようです。



最近では特別なコイルで巻かれたPremiumとStandard、P-90などもたまに見かけますが…




10年前、このピックアップと出会ってから、ハムバッカー…



…いや、ピックアップ…



…いや、エレキギターへの考え方がまるで変わってしまい、当ブログでもその出会いや…



搭載してみての感想や…


友人のNavigatorに新型PURE-BUCKERを搭載したり…

何かにつけ、ご紹介はしてきたのですが、ちゃんと「PURE-BUCKER」としてご紹介した回が無かったので、ちゃんと残しておこうかと思い立った今回です!




私の持っている初期型は10年程前から販売され、おそらく100本くらい現存していると思われますが、ファンも多く、一時期製作を休止しておられた時期があり、その頃はオークションなどでたまに出ると非常に高値で取引されていました。


2019年以降?製作を再開され、新型も試せる機会があったのですが、さらに進化しており、非常に魅力的なピックアップです。


新型PURE-BUCKER with Navigator レスポール

旧型より抜けが良くなって骨格がしっかりした印象に感じます。


何が違うかってぇと…


(以下、非常に私見です!)


まず、市販の大量生産ピックアップは…


しょっぱい!!
(音の旨味が少ない!)


アタックが遅い!!


音が潰れてる!!


(^◇^;)暴言


本物のP.A.F.の麗しい音色とはほど遠いのです…
(良い音=P.A.F.の信奉前提です。すみませんm(_ _)m)


初めてPURE-BUCKERを弾いた時に、あまりの違いに改めてビックリしました。


その後、K&TTom HolmesThrobakなども試してみて、ハンドワイヤリングと言われるハムバッカー:P.A.F.クローンは一様にある程度、涼やかなP.A.F.に近しい音を奏でるのだという事を知りました。


PURE-BUCKERの他に気に入ったP.A.F.クローンは…


JimmyWallace


Dino Go 4 it

激レアなP.A.F.クローンで、ほぼナンバードP.A.F.の音がします。
似せる事重視でマニアにはたまらないけど、ギタリストにはちょっと物足りないのかも…
(^◇^;)


この辺のピックアップは大好きですが…


P.A.F.クローンは作り手の耳に依存されるからか…


ハンドワイヤリングでも、ある程度の量産になると質が落ちるのか…


…まぁ、私の好みも大きいとは思いますが…


PURE-BUCKERを超えるハムバッカーは中々見つからない…


ハイ抜けとミドルの空気感…そのバランスが素晴らしい!!


余計な雑味や痛いトレブルが無く、旨みのある倍音がイヤらしくなく混ざり…


いつまでも弾いていたくなるピックアップです。


旧型PURE-BUCKER with ES-339

穏やかで繊細な印象が旧型の特徴、新型はハリと芯が強くなっていると思っておりんす。


さて、その音の秘密は製作工程にあるようで…


まず、コイルは皮膜の厚さがある程度無いと、巻かれたコイル同士の電磁波が干渉してしまう事。


また大量生産の自動巻ではコイルに余分なテンションがかかり、コイルが伸びて細くなる事によって、抵抗値が上がり、音が潰れてしまう事…
(これが私すごい嫌いなんだと思う。)


その他、巻き始めの余分なコイルの処理やマグネット、ボビンの選定などを、本物のP.A.F.と随時比較しながら制作されるというTM Pickupさん…


これは「ハンドワイヤリングじゃないとイヤだい!」とダダをこねてもしょうがない違いだと思います。


これ以上のスペックは私が説明するより、TM Pickupさんがオークションの説明に書いてらっしゃる製作過程をコピーします。


製作熱意が素晴らしいのです!!


こちらを転載させて頂き、ご挨拶に代えさせて頂きたいと存じます。


それではまた!


【以下、オークション説明文より転載】


PURE-BUCKER

ここ3年間(20192021)で物色してきたアメリカ(2)、ヨーロッパ(2国各1社ずつ)製の42ゲージプレーンエナメルコイルの中から、エナメル皮膜の乗り・コイル線径の両面において個人的に最も納得のいったコイルを厳選して巻いております。


AWG42のプレーンエナメルコイルは規格線径の長さが0.0026(0066mm)0.0028(0.071mm)となっており、その誤差はエナメル皮膜の乗りが左右するのですが、私個人的にはその僅かな誤差が音の太さ(特に1~3弦)や中域の厚みや艶に影響影する様に感じております。


これまで10年程、自宅にてハムバッカーを製作&当オークションに

出品させて頂いておりましたが、2019年頃から精錬技術の発達と比例してか、

それまで輸入していたアメリカ(MWS Wire industriesおよびMOJOTONE:こちらは現在生産終了)のエナメルコイルの線径が徐々に細くなってきており、それ以降はアメリカ国内の他工場(もう一社)およびヨーロッパ(2カ国)の方で物色しては実験を繰り返しておりました。


その結果今回、どうにか個人的に納得出来るコイルを幾分か確保出来ましたので今回はそれを使って巻いております。


基本的に完成後は手持ちのダブルホワイツP.A.F(以下のブログに写真載せてます。

http://takabon25.seesaa.net/article/480799611.html)と何度も比較試奏したのち個人的に納得のいった物のみ出品させて頂くという形となります。

(納得がいかない物はバッサリコイルを切ったのち、またシコシコ巻き直します。)


コイル巻きは初期のPAFの製造工程同様(オリジナルP.A.Fと初期ナンバードは

Slug 101というワインディングマシーン+指送りで巻かれておりました。)、

細かく速度調整が可能なワインダー(巻き線機)+コイル指送りで、コイルが伸びない必要最小限かつ均一なトルクを保ちつつも、巻きムラが起こらぬようコイルの残像が見える程度の超低速にて指先の感触のみを頼りに、1ボビン2時間程かけて丁寧に巻いております。(俗に言う手巻きというものです。)


逆に不安定なトルクかつこの巻き時間を節約すると(1ボビン数分~数十分などで巻きますと)あまり良い物が出来ないというのがここ10年の経験上、悟った事ではあります。


使用するワインダーはツマミで巻き速度がかなり細かく調整出来るタイプの物を使っておりますので、終始均一なトルクを保持しつつもコイルが伸びない超低速で巻く事が可能です。


また、このオリジナル工程ですと手巻きの際に最も重要視されるコイルガイドを

行う右手のみに全神経と意識を集中させる事が出来ますので、右手の工程が粗雑になり難いという点が、最も大きな利点かと思われます。

(逆にこの右手のガイド調整が粗雑になりますと、コイル間に空気が入り込み

ハウり易くなると同時にインダクタンスにも乱れが生じ、音色に雑味が入ります。)


10年も巻いておりますとそれなりにコツも掴めてきますが、巻きのテンションや速度、巻き方、巻き上がりの形状で同じコイルでも全く別の音になりますのでかなり奥の深い世界ではあります。


巻き数は私自身が最も好みサウンドである巻き数多めの

59年製ダブルホワイツPAFと同じ程度(抵抗値から逆算)の巻き数の

組み合わせで巻いております。


なお、ハムバッカー最大の欠点であるハムキャンセル時の副作用(左右のコイルから出る信号の相殺)を最小限に抑える為には、左右の巻き数に差を付けるのが最も手っ取り早い方法なのですが、その場合

ゲインを上げるにつれ生じる中域のブリブリとした音の段差(これをレンジが広くなったと表現する方も居られるみたいです。)が私個人的にどうしても気になり好きになれませんでした。

その為、巻き数を同じにしつつも信号相殺を最小限に抑える為に

今回はコイルの巻き方に少し工夫を凝らしつつ、また部材自体にも少し特殊な加工をしております。

(ただし、ここは企業秘密という事で。)

これにより、あくまで私の聴覚上ですが、巻き数に差をつけずにオフセット効果と似た効果を得られたと感じております。


直流抵抗値は手持ちのデジタルテスターで気温25度にてリアが8.3Ω、フロントが7.98Ωとなっております。

(測定環境の気温、湿度により変化します)


ボビンはオリジナル同様ブチレート樹脂製カラーはゼブラカラー 


リード線は前後共に30cm程です。


59年製ES-335等のホロウ系ギターに搭載されていたダブルホワイツP.A.F

中でも特に高出力な物をモデルとしておりますので、パワー感があり

ロングサスティーンな物に仕上がったと感じております。(私感)


マグネットはPAFと同じ仕様のun-orientedアルニコマグネット(59年頃から登場)を搭載。(磁曲線が1方向のみでは無く他方向にランダムに発生したものです。)