学びのスパイス <Luminous Spice> -5ページ目

マイルストーンを置け

どこにマイルストーンを置くか

学習計画を立てたら、全体を4等分した中間地点にマイルストーンを置くことを最低限やっておきたいです。その時点で、計画の進行状況を確認しましょう。時間的に余裕があり、カレンダー通りに週単位、月単位での中間点の設定を行った場合でも、プロジェクト全体の進捗に応じたマイルストーンも合わせて置きましょう。

マイルストーンの効用

マイルストーンでの進行確認から得られる主な効用は、次の3つになります。
- 進捗管理
- 計画後の変化に対応
- 途中放棄を防ぐ

進捗管理

マイルストーンの機会に計画と実績を照合することで、一定した学習ペースが守れているか、計画した進捗ペースが実情に合っているか確認できます。計画が捗っていれば、自分のがんばりを素直に満足しましょう。学習計画に無理があるのであれば、修正を検討しましょう。

また、いつ終わるのか、残りどれだけの時間頑張れば良いか予測できます。これは、やる気につながります。特に計画の終盤では、この数字が強い動機付けになります。終盤になったら、残り日数をスケジュール表に書き付けてカウントダウンするのは楽しいことです。

計画後の変化に対応

計画を実施してはじめて分かる事実は必ずあります。また、開始後に外部環境の変化に劇的な変化が起る可能性もあります。また、勘違いによる事実誤認があるかもしれません。当初の計画やゴールに固執して、貴重な時間を無駄にするより、実をとりましょう。

社会経験を重ねることで、学習によって得た知識の蓄積で、自分の考え方が変化成長し、目的が変わる可能性はあり得ます。このゴールは自分が本当に望んでいることなのか、真剣に向き合うチャンスをマイルストーンは提供してくれます。

途中放棄を防ぐ

事故、病気、トラブル、スランプなどを原因とした、一時的な中断や遅延から計画全体の挫折を防ぐことができます。大きなトラブルに巻き込まれると、感情的に追い込まれ、苦しさから計画を投げ出したい誘惑に駆られることがあります。
具体的な数字があれば、冷静に判断する助けになります。全体の位置づけが分れば、all or nothing と安易に即決せずに、中断したら達成済みの地点から再開すれば良いと考えられるのです。

素直に達成感にひたる

晴れてマイルストーンにたどり着いたということは、ともかく成果を積み重ねたことに外なりません。これまでの足取りを振り返って、必ず達成感を味わいましょう。

社会人になってあえて学習することは、家族や友人、同僚、上司といった人たちの理解や支援があって成立するものです。このような人たちに感謝することを忘れないようにしましょう。

終盤では詰め方を確認する

進捗率が3/4を越えた地点では、計画のクロージングの仕方を確認しましょう。何をもって計画完了とするのか、明確に定義できていますか。


学習時間を作り出す

時間がないと嘆きつつも不勉強のまま月日は過ぎる

上手く学習ペースを作れていない人に、話を聞くと「忙しすぎてプライベートで勉強する時間がない」、「連休前に書籍を買い込んだが結局読む時間がなかった」、「長時間勤務をしなくてはいけない」など時間についての悩みを多く聞きました。

プライベートで勉強する時間を増す方法が分かればいい訳です。
公の時間を減らす。勤務時間を減らす、家庭内の分担作業を減らす、付き合いを減らすなどは言うのは簡単ですけど、社会人に取っては現実的ではないですね。
時間を買う。プライベートの時間で自分の作業をやってくれる人を雇う。自分の代わりに勉強してくれるブレーンを雇う。買えるものなら買いたいところですが一部の恵まれている人だけの特権ですね。
時間を作る。有効活用されていない埋蔵時間を発掘する。これなら誰でも挑戦できそうです。

一日の時間の使い方を調べる

ピーター ドラッカーは、成果を上げているものは、自分の時間の使い方を理解していると述べています。
知識労働者が成果をあげるための第一歩は、実際の時間を記録することである。
(中略)
記録を見て、日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない。半年も経てば、仕事に流されて、いかに些事に時間を浪費させられているかを知る。

ピーター ドラッカー『プロフェッショナルの条件
そこで、ドラッカーに言われた通りに、スケジュール帳に書き込んでみました。自分の一日時間がどんなことによって、消費されているのか明確に理解できるようになります。
学びのスパイス <Luminous Spice>
皆さんがやってみる場合は、起きてから寝るまですべてを記録するのが大変ですので、プライベート時間だけでも記録してみましょう。起きてから出勤まで、退社から就寝までです。あまり細かく記録するのも大変なので30分刻みくらいで良いと思います。

2週間も記録するとおおよその傾向が分かってきます。意外と自分が大切だと思っていることに時間が使えていないことが分かります。

そこで、自分が減らしたい時間の使い方をしている時間帯を蛍光マーカで囲ってしまいましょう。この時間帯を減らすように努力すれば良いのです。更に囲った時間を集計していき、週あたりの浪費時間を減少させ、意義のある使い方をした時間を増やすように時間数を管理するのです。記録することが習慣になると、数字を達成したいがために、無理にでも行動しようと言う動機が湧いてきます。

埋蔵時間を発掘する

自室の机に向かう時以外にも学習時間を作れます。日常生活の中でよくある数分の待ち時間を使うのです。駅のホームで電車を待つ2、3分。料理で煮込み中の5分間。本の1、2ページは読めます。探せば沢山見つかるはずです。このようなチャンスを利用するには、常に準備して学習素材を手元に置いていること、隙あれば勉強してやろうという意志が必要です。

先日、ラジオで聞いたインタビューによると、建築家の安藤忠雄さんは、建築士の試験勉強を昼食時にパンを食べながら行ったそうです。家に帰ると勉強する意欲がなくなるからだそうです。実は私もどうしても読み進みたい本があると、昼食を抜くか、安藤さんのようにパンをたべながら読んだりすることもあります。

自分が自由につかえる1分間を大切にすることで、新たに時間を生み出すことも出来るのです。

隙あらば勉強してやろう

「隙あらば勉強してやろう」という積極的な態度が、多忙な日常であっても毎日着実に学習実績を積み上げるのです。
学習する目的を明確に持ち、それを具体的に記述し、常に達成を強く望んでいることから、この強い動機は生み出されるものです。


あきらめない技術

ある程度年齢を重ねると、家族や職場でになう責任を果たすために、必ずしも常に同じの時間帯を学習に当てることが出来ない場合があります。もしかしたら、数日間、数週間なにも出来ないことがあるかもしれません。

学生のように定期試験が年間計画はありません。全て個人の責任で、自分から学習に駆り立てる仕組みをつくらないと、簡単に怠けたい誘惑に気持ちに脅かされてしまいます。

卒業がないということは、いくらでも目的の先送りが出来ます。優れた潜在能力と実績がありながら、あきらめの悪循環に陥っている人を多く見てきました。

中断しないことがゴールではない

専門知識の習得、資格取得、自己啓発など具体的な成果を学習の目的としているのであれば、自分にはコントロールできない事情で、学習計画が中断したとしても、気にする必要はありません。状況が変わったら再開すれば良いのです。

そもそも、社会人の学習活動というのは、中断と再開を繰り返すのが当たり前のことです。
子どもたちのように継続的な学習習慣を身につけることはゴールではないのです。きれいな勉強方法より違うところに目標があるのです。実を取りましょう。

学習記録をつける

自分のスケジュール帳に、その日の学習内容を書き込んでいきましょう。一度記録し出すと、記録とために少しでも学習しておこうという気持ちがわいてきます。

私の場合は、学習にあてた時間帯を蛍光ペンで囲みました。一日のうちどれだけの時間を自分の目的に向かって使っているか一目瞭然になりました。週ごとに学習時間を集計して、コントロールするようにしました。

小さな成果を手に入れる中間地点をつくる

近い将来に達成可能な中間地点を持っておくと、この存在が動機につながります。その日最低限確実にできること、週末までに確実にやり終えることを具体的に記録するのです。
学習計画のマイルストーンには最初から取り込まないとしても、各マイルストーンの間埋める中間地点を順次追加していくと良いでしょう。

そして小さな成果を得たら、達成できたこと、そこに至るまでの日々を振り返って喜びましょう。食事とかお菓子とか、小さな報酬を設定しても良いです。

自分用の殺し文句をつくる

自分を駆り立てる言葉をつくると役立ちます。「やることにしたから」というのが私のパワーワードです。やる気もない時にも、「やることにしたから」と独り言を言いつつ最も簡単にできる行動を始めることにしています。たとえ嫌々ながらでも、課題の本を開いてみるとか、アイデアを書き留めるノートを机の上に取り出したりすると、段々やる気のない気分が取り払われてきます。