こんばんは、犬の管理栄養士です。

 

これまで9回にわたり、今年1月に発表された愛媛大学の研究結果と、それに対する私の知見をお届けし、今回で最終回となります。

 

PFASという化学物質を通して見えてきたのは、私たちが「安心」だと思い込んでいたペットフードの裏側に潜む不都合な真実でした。

 

 

私が目撃した「死の山」とドッグフードの真実

実は今から10年ほど前、私はある衝撃的な動画を目にしました。現在は規制により削除されていますが、その動画に映し出された光景は今でも目に焼き付いています。

 

ある大きな工場の隣に、山のように積み上げられた「何か」が映っていました。

 

近づいたカメラに映し出されたのは、大量の亡くなった犬たちの姿でした。事故、病気、あるいは殺処分された犬たちが山のように積み上げられ、隣の工場へと運ばれていく。

 

その工場は、ドッグフードの製造工場でした。

 

あまりのショックに自分の目を疑いましたが、それは動物保護団体が命がけで撮影した現場の記録でした。


車に撥ねられたカンガルーの個体も、そのまま回収され加工されていました。


魚も、廃鶏も、牛も豚も、病死であろうと事故であろうと、安く、あるいはタダ同然で仕入れられる「肉」として利用されている…。

 

私はこれまで、原材料が不明確なフードを与えることへの危うさをずっと感じてきました。

 

ですが、今回の愛媛大学の調査により、「90%の確率でPFASが見つかった」という具体的な数字が出たことで、隠されていた不都合な事実が「芋づる式」に露呈しました。

 

「国産」と書いてあっても中国由来の汚染物質が出る。
魚メインではないのに海洋汚染物質が出る。

 

これらは、どれほどメーカーが「厳選した材料」と言い繕っても、実際には「出所不明な安価な副産物や添加物」に頼っているという、隠しようのない証拠です。

愛媛大学の研究が暴いた「グローバルな汚染の連鎖」

この研究結果をさらに深掘りすると、ペットフード業界が抱える「原材料の不透明さ」がより鮮明に見えてきます。特に「原産国による特徴」と「中国由来の代替物質」の部分は、トレーサビリティ(追跡可能性)の根幹に関わる問題です。

 

■「アジア製」と「米国製」の組成の違い

論文で「組成に差異がある」と述べられているのは、単なる産地の違いではなく、「その国で今、何が規制され、何の代替品が使われているか」が製品にそのまま反映されていることを示しています。

  • 米国製品の特徴: 欧米ではPFOSやPFOAの規制が先行しているため、それらの検出は相対的に減っています。しかし、その代わりに「GenX」などの次世代PFAS(短鎖PFAS)が使われており、それが製品から検出されています。
     

  • アジア製品の特徴: 依然として古いタイプのPFASが検出される一方で、後述する「中国独自の代替物質」が混入しているのが最大の特徴です。

つまり、どの国の製品を買っても「別の種類のPFAS」が含まれているという、逃げ場のない「PFASの置き換え合戦」が起きている実態を浮き彫りにしています。

 

■中国由来の物質「F-53B(9Cl-PF3ONS)」の正体と恐怖

  • PFOSの「影武者」: F-53Bは、中国のメッキ工場などでPFOSの代わりとして長年使われてきた物質です。
     

  • PFOS以上の毒性と蓄積性: 近年の研究(2025-2026年発表の論文等)では、F-53BはPFOSよりも分解されにくく、生物の体内に長く留まる(半減期が長い)可能性が指摘されています。
    また、毒性も非常に強いことが分かってきました。
     

  • なぜドッグフードに入っているのか?: 中国の工場排水が河川や海に流れ出し、その地域の魚が汚染されます。
    その魚が「魚粉」や「フィッシュオイル」に加工され、安価な原材料として世界のペットフード市場に供給されます。
    さらに、ビタミン剤やミネラル類、アミノ酸などの「添加物」は世界シェアの多くを中国が占めています。
    製造工程で使われる水や器具を通じて、この「中国固有の汚染物質」が世界中のフードに紛れ込んでいるのです。

■「サプライチェーン汚染」の恐ろしさ

「サプライチェーン汚染」とは、最終的なメーカーが意図しなくても、原材料を遡る過程のどこかで汚染が起きることを指します。

  • 隠れた汚染源: 例えば「チキン味」のフードであっても、食いつきを良くするために「魚由来のオイル」や「フレーバー」が少量使われることがあります。
    その少量の原材料が中国由来の汚染を受けていれば、製品全体からF-53Bが検出されます。
     

  • 「国産」の落とし穴: 日本で製造しているからといって安心はできません。今回の研究で「日本で流通する100製品」からこれらが検出されたということは、「日本メーカーが海外から輸入した原材料」の中に、すでに汚染が組み込まれていることを意味します。

 

私が目撃した「闇」が確信に変わる

今回の愛媛大学の研究結果は、単なる化学物質の報告にとどまりません。

それは、「安価な原材料を世界中からかき集め、不透明な工程で混ぜ合わせる」という現在のペットフード製造システムの限界を、科学の力で暴いてしまったのだと言えます。
 

1. 「廃棄物」が「原材料」に変わるレンダリングの仕組み

亡くなった動物、病気の動物の肉が「肉副産物」や「ミートミール」として再生される「4Dミート」の存在。
それらは高温・高圧で処理され、元の姿が何であったか分からない「粉末」や「油脂」に加工されるため、消費者は知る術がありません。しかし、PFASは加熱しても壊れません。

 

2. PFASが「嘘」をつけない証拠になる

これまで「加熱殺菌しているから安全」「基準値内」と言われてきたものが、PFASという「汚染の指紋」によって否定されました。
「国産」と謳いながら中国由来の物質が出る、魚メインでないのに海洋汚染物質が出る。これらは、不透明なサプライチェーンに頼っている隠しようのない証拠です。
 

3. 私の役割

多くの飼い主様は、この凄惨な現場を知りません。私はこのPFASのニュースをきっかけに「選択肢の提示」という形で、さらに強く光を当てていきたいと考えています。

論文の基準をクリアした「PFAS未検出フード」リスト

ご紹介の前に、愛媛大学は特定のブランド名を公表していません。

しかし、示された『産地』『原材料に魚由来が含まれない』『PFASを含まない』、これらの条件をクリアしているもの丁寧に選別し、浮かび上がった答えです。
 

本来であれば、こうした具体的な商品名は表に出してはいけない情報なのかもしれません。
 

ですが、PFASという見えないリスクに怯え、何を信じればいいのか分からなくなっている飼い主様、本当に愛犬・愛猫の笑顔と、健康な10年後の未来を考えている方にだけは、この『答え』を届けたい。
 

その一心で、あえて具体的なフードの名前を有料記事という形でお伝えすることに決めました。
 

続きはnoteで読んでくださいね。

 

 

ここまでの10回に渡る長い投稿を、最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する9回目となります。

 

 

 

 

 

要約(原文)をご覧ください。

 

【論文要約】

■ PFASが愛犬・愛猫の体を蝕む「真のメカニズム」

今回の研究では、単にフードに汚れが入っているという事実だけでなく、それが体内でどのように作用し、深刻な病気を引き起こす可能性があるかが詳細に論じられています。

 

1. PFASと「肥満」の切っても切れない関係

 

米国では飼い猫の約60%が過体重・肥満と言われ、過去最高を記録しています。実はこれ、単なる食べ過ぎだけではなく、PFASが影響している可能性があります。

  • 代謝の阻害: PFASは「PPAR」という、脂肪の燃焼やインスリンの働きを調節するスイッチ(受容体)を勝手にオンにしてしまいます。
     

  • 脂肪蓄積の促進: このスイッチが狂うことで、脂質の代謝が阻害され、体に脂肪が溜まりやすくなることが示唆されています。

2. なぜ猫は「腎臓病(CKD)」になりやすいのか?

 

猫を飼う方にとって最大の懸念である「慢性腎臓病(CKD)」。
この論文は、PFASがその一因である可能性を科学的に説明しています。

  • 異常な脂質の蓄積: 腎臓病の猫の細胞には、本来あるはずのない「脂肪の滴(脂質滴)」が蓄積していることが分かってきました。これが活性酸素を生み出し、炎症を引き起こし、腎臓のフィルター(糸球体や尿細管)を破壊します。
     

  • 「猫特有」の排泄能力の低さ: ここが最もショッキングな点です。
    人間や他の動物は、特定のトランスポーター(OAT3)を使って有害なPFASを尿として排泄しますが、猫はこの排泄機能が極めて低いことが判明しました。
     

  • 体内に残り続ける恐怖: 排泄できない猫は、他の動物よりも腎臓にPFASを溜め込みやすく、それがカルシウム代謝を狂わせ、さらに腎臓病のリスクを押し上げるという悪循環に陥っている可能性があります。

3. 「現在のリスク評価」はまだ氷山の一角

 

現在、安全性の目安として使われている「4種類のPFAS(EFSA基準)」による評価だけでは、本当のリスクを過小評価している恐れがあります。

  • 長鎖PFASの強い毒性: 今回の調査で魚ベースのフードから多く見つかった「長鎖PFCA(PFDAやPFUnDAなど)」は、従来のPFASよりもさらに強い免疫毒性(ワクチンが効きにくくなる、炎症が起きやすくなる等)を持っている可能性があります。
     

  • 未解明の新規物質: 9Cl-PF3ONSなどの新しい化合物については、まだ安全基準すら存在しません。つまり、私たちが今見ているリスク指数は、「分かっている範囲だけ」の最小限の数値なのです。

4. 私たちが向き合うべき「不都合な真実」
 

ペットは人間よりも体が小さく、生涯を通じて同じものを食べ続けるため、環境汚染の影響を真っ先に受ける「指標」となります。

  • 蓄積のスピード: 飲み水や家庭の埃、おやつ、サプリメント……。あらゆるルートから入ってくるPFASが、排出されにくい猫や犬の体に、日々「累積」されています。
     

  • 緊急性の高い調査: 犬や猫に特化した、彼らの体の中でどのようにPFASが動き、どこに溜まるのかという「毒性動態研究」が、今まさに急務となっています。

 

■ 私の視点(まとめ)

汚染が問いかける「愛犬・愛猫の寿命」の正体

 

今回この愛媛大学の論文を読んで分かったことは、PFASや未解明の新規物質9Cl-PF3ONSなどの新しい化合物は、まだ安全基準すら存在せず、私たちが今見ているリスク指数は、「分かっている範囲だけ」の最小限の数値であるということ。


つまり、まだ分かってもいないリスクが、もっともっと蠢いているという事実です。

 

それは、私たちがこれまで「体質だから」「年齢のせいだから」と片付けてきた問題には、本当の黒幕がいた…そんな感覚です。

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長生きできるか否かは生まれもった腎臓の丈夫さにあると考えられてきた「猫」。


その理由がPFASという現代の汚染が関係していた事実、そしてその汚染に対し、これほどまでに無防備であった事実に言葉を失います。

 

人間や他の動物が持っている、有害物質を外へ運び出す「排泄の出口(OAT3)」が、猫にはほとんど備わっていない。

これは、「一度体に入れたら最後、一生その毒を腎臓に抱えて生きなければならない」という宣告に等しいものです。

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さらに恐ろしいのは、PFASが「栄養そのもの」の働きを内側から狂わせてしまう点です。

脂肪の燃焼やインスリンの働きを調節する繊細なスイッチ(PPAR)を、PFASが勝手に操作してしまう。

 

その結果、どれだけ食事制限をしても代謝が戻らず、脂肪が溜まり続け、やがて細胞そのものが炎症を起こして崩壊していく。

「何を食べさせるか」以前に、その食べ物が「細胞の仕組みを壊さないか」。


私たちは今、そういう次元の選択を迫られているのです。

 

論文は警告しています。

 

今分かっているリスク指数(HQ)ですら、「氷山の一角に過ぎない」のだと。
調査で検出された多くの新規化合物には、まだ安全基準すら存在しません。

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さらに、PFASの中でも特に毒性が強いとされる「長鎖PFAS」が、私たちが健康に良いと信じてきたお魚ベースの食事に潜んでいた。

 

そしてお魚ベースの原料は魚の身の部分だけでなく、原材料の一部である魚粉、栄養素の添加部分である魚由来のオイルなどがありました。

 

この不透明な状況下で、私たちが信じられるものは何でしょうか。

私は、国や組織が定める「未完成な基準」を待つのではなく、自らの手で「確実な安全」を取りにいくしかないと考えています。

 

この論文が示した不都合な真実を前にして、私が辿り着いた答えは一つです。

「毒を出す能力が低い」のなら、「毒を入れない」
「代謝が狂わされる」のなら、「細胞が正常に働けるクリーンな栄養」だけを届ける。

 

私たちは今、大きな分岐点に立っています。

便利さやイメージに惑わされず、この「目に見えない侵略」から愛犬・愛猫を守り抜くこと。

そのためには原材料という名の「命の源」を、執拗に、厳格に、選び続ける必要があります。

 

次回最終話(10/10)となります。

 

1.今までフードを作るにあたって、私が知り得た情報

2.語られないショッキングな真実

3.そしてこの論文では伏せていたPFASが検出されなかったフードの情報(noteで公開)などをまとめたいと思います。

 

※具体的なフードリストと業界の裏話については、情報の性質上、そして本気で愛犬・愛猫の未来を守りたい方へ責任を持って届けるため、有料での公開とさせていただきます。

 

noteはコチラ↓

 

 

「何を選べばいいのか分からない」という迷いに、終止符を打つための最終話。

 

 10年後の「あの時、選んでおいてよかった」という笑顔のために、全力を尽くしてお届けします。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する8回目となります。

 

 

 

 

要約(原文)をご覧ください。

【論文要約】

結論:魚ベースのリスク

ウェットフード(レトルトなど)の分析でも、ドライフードと同様に「肉」か「魚」かによって汚染の差がはっきりと現れました。

 

魚の体に汚れが溜まりやすいことは、海や川の食物連鎖を通じて証明されており、人間にとっても魚介類は主要な汚染源の一つとして特定されています。

欧米ではすでに、魚の摂取量に基づいた厳しい基準値が設けられていますが、同様の基準はまだペットには存在しません。

 

魚をメインにしたご飯を毎日食べ続けることは、知らず知らずのうちに安全な限界量を超えてしまうリスクをはらんでおり、今後、動物たちに合わせた専門的な調査が急務となっています。

 

まとめると:

  • 海由来の材料(魚など): 海洋汚染の影響を直接受けており、特に特定の成分(PFUnDAなど)が高濃度になりやすい。

  •  

  • 穀物由来の材料: 汚れの原因はまだ不明な点も多いが、混ぜられた魚成分や、製造工程・農薬などからの汚染が疑われる。

 

3.5 従来の汚れ(POPs)とPFASの違い

今回の調査で得られた「PFAS(ピーファス)」の数値を、これまでに規制されてきた「古いタイプの有害物質(PCBなど)」と比べたところ、両者の間に関連性は見られませんでした。

 

かつての有害物質は、主に「脂肪」に溜まりやすい性質を持っていましたが、PFASは「タンパク質と結びつきやすい」「水に溶けやすい」という独自の性質を持っています。
つまり、「脂っこいから危ない」というこれまでの常識は通用せず、PFASは全く別のルート(最近の産業活動や材料の組み合わせ)でご飯に紛れ込んでいることが分かりました。

 

3.6 健康リスクの検討:なぜ「ウェットフード」が危ないのか?

食べる量のマジック

今回の調査で最も注目すべきは、「成分の濃さはドライフードの方が高いのに、実際に体に入る量はウェットフードの方が多い」という結果です。 その理由は、1日に食べる量の差にあります。

  • ドライフード: 栄養が凝縮されているため、食べる量は少なくて済みます。

  • ウェットフード: 水分が多く、お腹をいっぱいにするためにドライフードの数倍の量を食べる必要があります。

この「食べる量の多さ」が原因で、薄いはずの汚れが体に大量に蓄積され、結果として計算上の危険度(危険度指数:HQ)はウェットフードの方が高くなってしまいました。 

多くの製品で、一生食べ続けても安全とされる目安を超えており、健康への影響が懸念されるレベルにあります。

 

 

【私の知見:ウェットフードに潜む『蓄積』の正体】

今回の論文が明かした事実は、私たちの「良かれと思って」という愛情が、皮肉にもリスクを底上げしていた可能性を示唆しています。
特に注目すべきは、これまでの有害物質の常識が一切通用しないという点です。

■ 「脂抜き」では逃げられない、PFASの執拗さ

かつての有害物質(PCBなど)は、主に「脂肪」に溜まるものでした。
しかし、PFASは違います。
PFASは脂肪ではなく「タンパク質」と結びつくのです。

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脂ののったイワシ

つまり、お魚の「身(筋肉)」そのものに強固に吸着しています。
脂を取り除いても、水分にさらしても、PFASはそこにとどまり続けます。これは、原材料そのものが「どこで、どう育ったか」が、これまで以上に重要性を持つようになったことを意味します。

■ 陥りやすい「薄さ」の罠:ウェットフードの盲点

今回の調査で最も衝撃的だったのは、「汚染濃度が低いウェットフードの方が、結果的な健康リスク(HQ)が高かった」という矛盾です。


その理由は、あまりにも単純で、恐ろしいものでした。


それは「水分が多いウェットフードは、お腹を満たすために大量に食べなければならない」という、食べる量のマジックです。

 

1gあたりの汚染が少なく見えても、ドライフードの数倍の量を毎日、一生涯食べ続けることで、体内に蓄積される総量は安全な限界線を容易に突破してしまいます。


これは「PFAS濃度が薄くても、全部食べれば同じ」という、私たちがつい見落としてしまいがちな罠です。

■ 私たちが「今」すべきこと

論文を読み解くと「お魚は体に良いから」「水分を摂らせたいから」と選んでいたウェットフードが、実は知らず知らずのうちに愛犬・愛猫の体に負担を強いていたということになります。

 

ですが、私は絶望していません。
この「食べる量のマジック」があるからこそ、「汚染のないクリーンな原材料」を選ぶことの価値は、数倍にも跳ね上がるからです。


だから一生涯食べ続けても安心だと言い切れる、嘘のない「安全な食材選び」を。

PFASが脂肪ではなくタンパク質に宿る以上、これまで以上に、原材料という「命の源」を厳格に、執拗に選び抜かなければなりません。

今回は愛犬・愛猫の体をつくる食事について、改めて問い直される結果となりました。

 

次回は、これほどまでに深刻な汚染が広がる中で、私たちはどうやって食事を選べばいいのか? 

 

論文から見えた『汚染を避けるための具体的な手がかり』、そし『て私たちが進むべき道』についてお話しします。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する7回目となります。


 

 

要約(原文)をご覧ください。

【論文要約】

これらの証拠をまとめると、以下のことが言えます。

  • 日本やその周辺で獲れる魚を材料に使うと、日本特有の汚れが含まれやすい。

  • 一方で、アジア産のご飯から見つかる特定の成分は、中国の産業活動による汚れが材料を通じて入り込んでいることを示している。

つまり、ペットが毎日食べるご飯の汚れは、その国や地域の産業環境、そして材料となる魚がどこで育ったかを色濃く反映しているのです。

 

3.4 成分の種類による汚染の違い

3.4.1 主原料と汚染物質の関係

製品ラベルに記載されている「主な原材料」ごとに汚染の濃さを比べたところ、成分の種類によって大きな差があることが分かりました。

 

統計的な分析の結果、「魚」を主原料とする製品は、「肉」を主原料とする製品に比べて、明らかに汚染物質(PFAS)の濃度が高いことが判明しました。

 一方で「穀物」を主原料とする製品も、肉ベースのものよりは数値が高い傾向にありましたが、製品ごとのばらつきが非常に大きいのが特徴です。

 

本来、植物(穀物)には特定の短い鎖の成分が含まれやすいと言われていますが、今回の調査で見つかったのは、魚に溜まりやすい「鎖の長い成分(PFUnDAなど)」でした。


このことから、穀物ベースと謳っている製品であっても、ラベルに主原料として書かれていない「隠れた成分(魚由来の成分など)」が汚染の原因になっている可能性が浮き彫りになりました。

データの裏付け:魚が汚染の主役

分析図(主成分分析)を見ると、ドライフードにおいては「肉グループ」と「魚グループ」の2つにはっきりと分かれました。

  • 魚グループ: 特定の強い汚れ(PFOSやPFNAなど)が共通して見つかり、魚の体に蓄積された汚れがそのままご飯に引き継がれていることを裏付けています。
     

  • 肉グループ: 魚グループに比べて汚染レベルが低く抑えられています。
     

  • 穀物グループ: 特定のまとまりを作らず、肉グループに近いものから魚グループに近いものまで散らばっていました。

    これは、穀物フードの中身(副原料)がいかにバラバラであるかを示唆しています。

3.4.2 穀物フードの「隠れた材料」の影響

穀物を主原料とするドライフードをさらに細かく調べると、興味深いことが分かりました。

  • 肉のみを混ぜた穀物フード: 全体的な汚染にはほとんど寄与していませんでした。

  • 魚を混ぜた穀物フード: 魚に特有の汚れがはっきりと検出されました。

つまり、穀物ベースのご飯で数値が高くなる主な原因は、「一緒に混ぜられている魚由来の材料」にあると言えます。

 

もちろん、それ以外にも、栽培時に使われた農薬の不純物や、工場の機械・包装紙からの二次汚染の可能性も考えられます。

 

しかし、今回の分析により、ご飯の汚れを決定づけるのは「乾燥させる」といった加工方法の違いではなく、「どんな材料を組み合わせて作られているか」という中身の問題であることが強く示されました。

 

 

【私の知見:ラベルの裏に隠された「見えない魚」の正体】

■ 論文が暴いた「ラベルの裏側」

今回の分析結果を見て言葉を失いました。
特に「穀物ベース」と分類されたフードから検出された魚特有の強い汚れ(PFUnDAなど)です。

 

穀物ベースのフードから魚の汚染が見つかるということは、何を意味するのか。


それは、主原料の国産魚だけでなく、中国、アジア産の『魚由来の添加物』が、汚染を引き連れて入り込んでいるということです。

それは風味付けのための安価な魚粉、あるいは健康に良いと信じて加えられたアジア産のDHA・EPAオイル。

ラベルの表側に大きく書かれていない「隠れた材料」こそが、汚染の真のキャリアになっていたのです。

 

「体に良いはずの成分」が、PFASという新しい汚染の前では、かえって愛犬をリスクに晒す結果を招いていた。

論文では、加工方法の違いではなく、まさにこの「中身(原材料の組み合わせ)の問題」であると断定されています。


これらを突きつけられたとき、改めて私がこだわり続けてきたことの重みを再認識しました。

功を奏した産地選び

なぜ私が、知床産鮭という「産地」と「部位」に執拗にこだわり続けてきたのか。
正直にお話しすれば、最初からPFASを予見していたわけではありません。

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北海道オホーツク海の秋鮭漁

私が最も恐れていたのは、原発事故による海洋汚染でした。
事故現場から遠く離れ、かつ海流が交わらないクリーンな海域。


愛犬・愛猫に「絶対に安全な水と食」を届けたい一心で、知床の海に辿り着いたのです。

しかし、今回の調査結果を見て、私は愕然としました。


PFASという汚染物質が、これほどまでに世界の隅々まで、そして私たちの身の回りの便利な衣類や調理器具、カーペットにいたるまで、あらゆるものを媒介にして愛犬たちの食卓を侵食していたことは、私の想像のはるか上をいく結果でした。

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フッ素コーティングのフライパン

私がこれまで「放射性物質の影響を避けるため」に産地選びや、汚染の溜まりやすい内臓を避ける部位の選別が、実はこの目に見えないPFASという脅威を遠ざけるためにも、極めて重要な意味を持つことになったのです。

 

「何が入っているか」以上に「余計な何が入っていないか」を突き詰める「引き算」の考え方。


これこそが、放射性物質であれPFASであれ、まだ見ぬ次の汚染であれ、愛犬・愛猫を守る唯一の盾になると、その確信がさらに強固なものとなりました。

 

次回は、ウェットフード(レトルトなど)に隠された衝撃の真実「分析データが示したのは、ウエットフードが、一生食べ続けても安全とされる目安を、すでに超えてしまっているかもしれないという過酷な現実」でした。

 

「健康のためにウェットフードを」「ヘルシーな魚を」…その愛情の選択肢を、私たちはどう見直すべきなのか?

データの裏側に隠された「健康リスクの正体」に迫ります。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する6回目となります。

 

 

 

要約(原文)をご覧ください。

【論文要約】

原産国による汚染パターンの違い

 

地域ごとの特徴を分析する

ペットフードに含まれる汚れの傾向(地域的な特徴)をさらに詳しく調べるために、統計的な手法(主成分分析)を用いて分類を行いました。


その結果、乾燥したご飯(ドライフード)については、作った国による明確な違いは見られませんでしたが、水分の多い柔らかいご飯(ウェットフード)については、はっきりとした2つのグループに分かれました。

  1. 米国産グループ: アメリカで作られた製品のグループ

  2. アジア産グループ: 日本、中国、タイで作られた製品のグループ

  3.  

アジア産のご飯に見られる「特有の汚れ」

 

日本やタイで作られたウェットフードには、特定の「鎖の長い成分(PFUnDAやPFTrDAなど)」が高いレベルで含まれていることが分かりました。


過去の報告でも、アジア周辺で獲れる魚介類からはこれらの成分が比較的高く検出されており、その影響がペットのご飯にも現れていると考えられます。

 

この傾向は、2000年代以降、化学物質の生産拠点が欧米からアジア(特に中国)へと移り変わってきた歴史的な背景とも一致しています。

 

中国から広がる「新しい成分(F-53B)」の影

 

分析を進めると、アジア産の製品から、地域特有の汚染物質である「9Cl-PF3ONS」という成分が見つかりました。

これは、中国のめっき工場などで、従来の汚染物質(PFOS)の代わりとして独自に開発・使用されている「F-53B」という物質の主成分です。

 

この物質は魚などに対して有害な影響を及ぼすことが分かっており、分解されにくいため、工場の排水などを通じて環境を汚染することが懸念されています。


F-53Bの使用は公式には中国国内に限られていますが、中国だけでなく日本やタイで作られたペットフードからもこの成分が検出されました。

 

これは、中国産の原材料が直接使われたか、あるいは汚染物質が国境を越えて広がり、アジア全体の材料供給網(サプライチェーン)が汚染されている可能性を示唆しています。

 

日本周辺の環境と「魚」の関係

 

日本の河川や海を調べた調査では、特定の成分(PFNAやPFUnDA)が日本の環境における特徴的な汚れであることが報告されています。


実際に、日本近海で獲れるカツオやタラ、食用エビなどの体内からも、これらの成分が主要な汚れとして見つかっています。

 

また、人間の血液を調べた研究でも、日本人は他国に比べてこれらの成分の濃度が高く、それは「魚介類を食べていること」と深く関係していることが分かっています。

 

 

私の知見:【アジアを飲み込む「見えない汚染」の正体】

今回の分析結果は、私たちが日々直面している「原材料選びの難しさ」そのものを表しています。


管理栄養士の視点から、特に注目すべき「アジア特有のリスク」を深掘りします。

「国産」に隠されたサプライチェーンの濁流

日本で作られたウェットフードから、中国特有の成分「F-53B」が検出されたという事実は衝撃的です。
これは、たとえ国内の工場で丁寧に作っていても、原材料や添加物、油脂などの調達ルートがアジア全域に深く依存していることを証明しています。

汚染に国境はありません。
安価な原材料を世界中からかき集める「グローバルな供給網(サプライチェーン)」そのものが、意図せずとも汚染物質を日本国内へ運び込んでいるのです。

■ 日本・アジア特有の汚染物質「PFNA」と「PFUnDA」

次に、今回の論文でアジア産のフードから特異的に見つかった成分について解説します。
これらは「長鎖(ちょうさ)PFAS」と呼ばれ、特に蓄積性が高いことで警戒されている物質です。

  • PFNA(ペルフルオロノナン酸):炭素の鎖が「9本」
    かつて日本国内に大きな「フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)」や「フッ素ゴム」の原材料となる化学物質の製造工場があったため、濃度が高い傾向にあります。

  • PFUnDA(ペルフルオロウンデカン酸):炭素の鎖が「11本」
    炭素の鎖が長ければ長いほど「水よりも脂(生物の体)に馴染みやすい」という性質が強くなります。
    そのため、海水に溶けている量よりも、魚の体内に「濃縮」される度合いが非常に高いのが特徴です。

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何を作るための拠点だったのか?

以下の製品を製造する過程で、PFNAやその原材料が使用・排出されていました。

  • ハイテク機器の部品: リチウムイオン電池の接着剤(バインダー)や、半導体の製造装置に使われる特殊な樹脂。

  • 耐食塗装: 化学プラントのパイプの裏打ちや、太陽光パネルの背面の保護フィルム。

  • 家電・自動車: 厳しい環境下でも劣化しないパッキン、シール材、電線の被覆など。

「東京湾」や「大阪湾」で濃度が高い

  1. 製造工程での排出: 2000年代半ばに規制や自主削減が始まるまで、これらの工場から排水を通じて河川(特に大阪の淀川水系など)に流れ出していました。
     

  2. 製品の「消費地」としての影響: 東京湾などの大都市圏は、これらのフッ素製品を使用した工場や家庭からの廃棄物・排水が集まる場所です。
    コーティング剤が剥がれたり、洗剤や撥水剤が流れ込んだりすることで、底泥(海の底の土)にPFNAが蓄積しやすくなります。

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■ 「脂に馴染む」=「細胞に入り込む」恐怖

PFNAやPFUnDAのような鎖の長いタイプは、とにかく脂に馴染みやすいため、愛犬・愛猫の細胞膜や内臓の脂し、なかなか離れません。

 

排出機能が人間ほど発達していないペットたちにとって、これは人間以上に「一度入ったら出ていかない汚れ」になります。


カツオやタラ、エビなどからこれらが見つかっている事実は、日本の海が過去の工業排水の影響から逃れられていない現実を突きつけています。

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■ 代替成分「F-53B」の影と、産地選びの重要性

さらに、かつての有害物質(PFOS)の代わりに中国で開発された「F-53B」が検出されたことは、一つの毒を遠ざけても新しい「正体の分からない毒」が忍び寄るイタチごっこの現状を物語っています。

 

だからこそ、産地を厳選することは大事です。


同じ日本の魚でも、工業地帯に近い海域ではなく、外洋を回遊し、厳しい自然の中で育つ「知床の鮭」のように、どこを泳いできたかが明確なものを選ぶ。


PFNAのような「地域の汚れ」から愛犬を遠ざけるには、それしか方法がないからです。

【まとめ】

今回の調査結果を読み解く中で、私は言葉にできないほどの無力感と危機感でいっぱいです。

「中国産の未知の成分」が検出されたことも確かに衝撃です。


しかし、それ以上に私の胸を締め付けるのは、「国産なら安心」「近海の魚は体に良い」と信じて私たちが選んできたものが、実は正反対の結果を招いていたかもしれないという事実です。

 

かつて水俣病の歴史の中で、漁師である夫が、病に伏せる妻を想い「精がつくから」と獲りたての魚を毎日食べさせ、結果としてその愛情が妻の症状をさらに悪化させてしまった…という悲しい実話があります。

 

今のペットフードを取り巻く状況は、これと全く同じではないでしょうか?

 

「国産だから」「天然の魚だから」と、高価なフードを買い、愛犬・愛猫の健康を願って毎日お皿に盛り付ける。


その私たちの「愛情」が、実は過去の工業化の代償である長鎖PFAS(PFNAやPFUnDA)という消えない汚れを、愛犬や愛猫の小さな体に蓄積させていたのです。

 

これまでスーパーや専門店で「国産」というラベルは、一種の聖域でした。しかし、今回のデータが突きつけたのは、「日本の海そのものが、かつてのハイテク産業の製造拠点としてのツケを払わされている」という現実です。

 

東京湾や大阪湾といった、私たちの生活圏に近い海域ほど、かつて世界を席巻したフッ素樹脂製造の残滓が色濃く残っています。

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「どこで作られたか(製造国)」以上に、「どこで育ったか(原材料の産地)」、そして「どの部位か」を執拗に問い続けなければならない理由が、ここにあります。

 

良かれと思って選んだ食事が、愛犬・愛猫を内側から蝕んでいるかもしれない。
この事実に気づいたとき、私たち家族にできることは「絶望」することではなく、「選び方を変える」ことだけです。

「なんとなく国産だから」という思考を捨て、科学的なデータに基づいた「真の安全」を追求すること。


それが、今の時代を生きる愛犬・愛猫たちへの、本当の意味での愛情なのだと私は確信しています。

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では、これほど広範な汚染の中で、私たちは一体何を基準に選べばいいのでしょうか?

 

次回は、さらに衝撃的なデータ「一日の摂取量」から算出された、愛犬・愛猫たちの健康リスクの正体に迫ります。

 

私たちが良かれと思って与えているその一食が、実は国際的な安全基準を大きく超えているかもしれないのです。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する5回目となります。

 

 

要約(原文)をご覧ください。

 

【論文要約】

3.結果と考察

 

3.1 ペットフードにおけるPFASの検出状況

調査の結果、ペットフードの種類によって汚染の程度には大きな幅があり、一部の製品では非常に高い数値が示されました。

 

具体的には、犬用のカリカリ(ドライフード)では、汚れがほぼゼロに近いものから一定の数値まで幅がありました。


猫用のドライフードではさらに高い数値が確認されたものもあります。一方で、水分の多い柔らかいご飯(ウェットフード)を調べてみると、犬用は比較的数値が低く抑えられていたのに対し、猫用ではドライフードに迫るほどの高い数値が検出された製品もありました。

 

3.2 「乾燥タイプ」と「湿潤タイプ」の比較

統計的な分析の結果、犬用・猫用ともに、ウェットフードよりもドライフードの方が、成分の「濃さ(濃度)」が有意に高いことが明らかになりました。

これは、製造工程で水分を飛ばして乾燥させる際に、成分がギュッと凝縮されることが主な原因と考えられます。

 

検出された成分を詳しく見ると、以下の傾向が分かりました。

  • 多くのフードで「PFOS」や「PFUnDA」といった共通の成分が頻繁に見つかりました。

  • 猫用のウェットフードからは、中国などで使われている比較的新しい種類の成分も検出されました。

ただし、ドライフードとウェットフードでは、作り方だけでなく使われている材料も異なるため、この「濃さ」の違いだけで全てを判断することはできません。

 

原材料による違いと「魚」の影響

 

分析を進めると、材料の中身が汚染に大きく関係していることが見えてきました。

  • 日本製のドライフード: 「穀物」が主原料とされている製品で数値が高い傾向にありましたが、それらには肉や魚の「副産物(ミールなど)」も含まれていました。
    一方で、「肉」を主原料とした日本製のドライフードからは、汚れは検出されませんでした。
     

  • 魚と小魚の影響: 最も高い数値が出た中国製の猫用フードには、乾燥した小魚が大量に入っていました。
    汚れの成分は魚の筋肉よりも「肝臓や腎臓」に溜まりやすいため、小魚を丸ごとご飯に使うことが、汚染の大きな原因になっている可能性
    があります。
     

  • 穀物とその他の原因: 穀物が主原料のご飯から汚れが見つかるケースもありましたが、これらはパッケージのコーティングや農薬、あるいは混ぜられた魚油などが原因かもしれません。

なお、汚れが全く検出されなかった製品には、オーストラリア産の肉を主原料としたものや、ヨーロッパ産の製品が含まれていました。

 

包装(パッケージ)について

プラスチック包装に使われるコーティング剤などが、ご飯に汚れを移してしまう「二次汚染」の可能性も検討しました。

しかし今回の調査では、包装の種類と汚れの濃さの間に明確なルールは見られず、包装が汚染の主な原因とは断定できませんでした。

 

3.3 作られた国(原産国)による違い

 

汚れの程度は、作られた国によっても左右されます。 ドライフードでは日本や米国の製品で高い値が見られましたが、製品ごとのばらつきも大きいのが現状です。

ウェットフードに関しては、同じ国で作られた製品同士であっても数値の差が激しく、国ごとの単純な比較が難しいほど複雑な汚染パターンを示しています。

 

 

【私の知見:データが裏付ける「原材料の闇」と「産地の真実」】

今回の研究結果は、私が日頃から抱いていた「国産なら安心」「魚なら健康的」という盲信に対する、強力なカウンターとなってしまいました。


注目すべきは以下の3点です。

 

1. 「魚」という健康イメージに隠された罠

研究で最も高い数値が出たのが「小魚を丸ごと使った中国産フード」だったという点。
これは非常に重要です。

PFASは内臓に蓄積しやすい性質があります。
大型魚の「切り身(筋肉)」だけを使うのと小魚(ミール)」では、残留の密度が根本的に異なります。

ダイオキシンを避けるためにも大型の魚は内臓をしっかり取り除いて加工するのに対して、小魚はそれらの加工が難しく、一尾丸ごと使用することで、今回のような結果に繋がってしまいました。

「猫には魚」という昔ながらの選択が、実は最も蓄積リスクの高い部位を与え続けている可能性があることが分かって来ました。

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2. 「日本製」という言葉の虚構

「日本製のドライフードで数値が高かった」という事実にショックを受けた飼い主様も多いはずです。

しかし、ここでいう「日本製」はあくまで「国内の工場で混ぜた」という意味に過ぎません。

主原料が穀物であっても、そこに混ぜられる肉や魚の「副産物(ミールなど)」がどこの国のものか、どんな環境で育ったものかはブラックボックスです。

一方で、オーストラリアやヨーロッパ産で不検出だった製品があるのは、その国々の環境規制やサプライチェーンの透明性が反映された結果だと考えます。

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PFAS濃度が高いドライフード

 

3. 「ウェットフード」なら安全、というわけではない

犬用のウェットフードは数値が低かったのに対し、猫用ではドライ並みに高かったという結果。

これは「原材料の質の差」を如実に物語っています。

猫用ウェットフードに多用される「魚のあら(内臓混じり)」や、海外(中国等)から輸入される安価な原材料、そして製造工程で使われる「水」の汚染が、水分の多いはずのウェットフードの数値を押し上げているのです。

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小魚主原料のウエットフード

 

4. パッケージのせいにはできない「中身」の汚染

調査の結果、パッケージからの移り込み(二次汚染)が主原因ではないと判明しました。

これは、「汚染は、原材料そのもの、あるいは製造工程の深部(水や油脂)に確実に入り込んでいる」という逃げようのない事実を突きつけています。


『国産だから』『魚だから』という言葉だけで選ぶ時代は終わりました。

このデータが示すのは、私たちが信じてきた『安心』がいかに脆いかという現実です。

では、どうすれば愛犬・愛猫をこの汚染から守れるのか?


次回、今回の結果から、汚染の主因はパッケージではなく「中身=原材料」にあることが見えてきました。 では、その汚染はどこからやってくるのか?

 

次回は、さらに踏み込んで「原産国による汚染パターンの違い」を分析します。

 

そこには、日本を含むアジア産のウェットフードに共通して見られる「地域特有の汚れ」、そして中国の工場由来とされる「謎の代替成分(F-53B)」が、国境を越えて私たちの愛犬・愛猫の食卓に忍び寄っている驚くべき実態がありました。

 

日本近海の魚介類と、私たちの大切な家族のフードを繋ぐ「サプライチェーンの闇」に迫ります。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

今日は今年1月に愛媛大学の研究チームが行った調査、その調査の基準や手順を分かりやすく解説します。

 

 

 

 

分析要約(原文)をご覧ください。

【論文要約】の手順

2.1 サンプルの収集

 

本研究では、2018年から2020年の間に日本で購入された、犬・猫用のフード合計100品目を分析対象としました。

 内訳は、犬用が48品目(ドライ26・ウェット22)、猫用が52品目(ドライ26・ウェット26)です。これらは、国内の輸入量や大手通販サイトの販売ランキングに基づき、「日本の飼い主が一般的に選んでいる代表的な製品」を網羅するように選ばれました。

 

なお、ご飯のパッケージについても調査しました。多くの製品ではプラスチック(PETやポリエチレン)の多層フィルムが使われており、一部にはアルミ加工が施されていました。

過去の研究では、こうした包装のコーティングが汚染源になる可能性も指摘されていますが、今回の分析では純粋にご飯の中身だけを調べるため、包装材が混ざらないよう専用の道具を用いて慎重に処理を行いました。

 

2.2 分析の方法

本研究では、合計34種類の成分を対象に、最新の分析手法を用いて測定を行いました。 分析の正確さを確かめるために、あえて標準的な成分を添加して回収率を確認する試験も行い、高い精度で測定できることを確認しています。

 

また、水分の多いウェットフードについては、一度「フリーズドライ(凍結乾燥)」することで、ドライフードと同じ条件で正確に比較・分析できるように工夫しました。

 

2.3 毎日どれくらいの量を取り込んでいるかの計算

ご飯を通じて、ペットが一日あたりにどれだけの汚れ(PFAS)を摂取しているか(一日摂取量:EDI)を計算しました。

 そのリスクを評価するために、欧州食品安全機関(EFSA)が定めた「一生食べ続けても健康に影響が出ない基準(耐容一日摂取量:TDI)」と比較を行いました。

この基準は、免疫への影響(ワクチンを打った後の抗体反応が弱まらないか等)を基に作られた、非常に厳格なものです。

 

計算にあたっては、以下の条件を設定しました。

  • 猫: 体重4kgと仮定

  • 犬: 体重4kg(小型犬)と14kg(中・大型犬)の2パターンを仮定

  • 食べる量: 各パッケージに記載されている「推奨される給餌量」を基に算出

これらの数値から、現在の食事が安全基準をどれくらい超えているかを示す「危険度指数(HQ)」を導き出しました。

 

2.4 データの解析

得られたデータは、統計学的な手法を用いて厳密に解析しました。 原材料や製造国による違い、成分同士の関連性などを詳しく調べ、特定の傾向や異常な値がないかを確認しています。

こうした厳格な統計処理を行うことで、研究結果の信頼性と客観性を高めています。

 

【私の視点】

この分析手順を読み解くと、研究チームがいかに「実生活に即したリスク」を割り出そうとしているかが分かります。注目したのは以下の2点です。

 

1. 「フリーズドライ」による公正な比較

論文では、水分の多いウェットフードを一度フリーズドライ(乾燥)させてから分析しています。

これは、水分を除いた「中身の濃さ」でドライフードと横並びにして評価するためです。

 前回の記事で触れた通り、水分を飛ばした状態(=ドライフードの状態)にすると、いかに汚染物質の密度が強調されるか。

 

この分析手法そのものが、「乾燥工程を経るドライフードのリスクの高さ」を裏付けるための、極めてフェアなプロセスだと言えます。

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ドライフードとウエットフード

 

2. 「ワクチンへの影響」という厳しい基準

ここが最も重要です。リスク評価の基準(EFSAの指針)が、単なる致死量ではなく「免疫(ワクチン後の抗体反応)への影響」を基にしている点です。


「食べてすぐにどうにかなる」という話ではなく、毎日微量を摂取し続けることで、愛犬・愛猫の免疫システムが静かに削られ、病気と戦う力が弱まっていないか。


これほどまでに厳格な基準(TDI)と照らし合わせているからこそ、この後に出される結果は、私たち家族にとって重い意味を持ちます。

 

3. 「推奨給餌量」はあくまで目安

論文ではパッケージ記載の「推奨量」で計算されていますが、食欲旺盛な子や、市販おやつを併用している場合は、この計算以上の汚染物質を摂取している可能性があります。


「もしこの計算の前提となるフード自体に汚染があれば、逃げ場がない」という現実を、この分析手順から読み取らなければなりません。

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最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

 

今日の内容は今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな論文(調査結果)に関する3回目となります。

 

 

 

 

【論文要約】

1.はじめに

いま、私たちの地球環境において「PFAS(ピーファス)」と呼ばれる物質による汚染が世界規模で広がっています。

 

現在、数千種類もの物質がこのグループに含まれており、その便利さから、プラスチックの製造や火災用の泡消火剤、撥水コーティングなど、産業界から家庭用品まで幅広く使用されてきました。

 

しかし、この物質は化学的に非常に安定しているため分解されにくく、現在では水や土壌、野生生物、そして人間に至るまで、あらゆる環境や生物から検出されるようになっています。

 

これまでの研究では、この物質にさらされることで、肝臓・膵臓・甲状腺の腫瘍の発生率が高まるほか、脂質の代謝異常や肝臓の障害など、さまざまな健康被害を引き起こすことが明らかになっています。

 

ある研究枠組みでは、雨水や土壌に含まれる濃度を現在の安全基準と比較した結果、すでに地球規模で「安全な境界線」を超えてしまっていると結論づけられました。


これは、環境汚染が極めて深刻なレベルに達していることを示しています。

 

こうした家庭環境の広範な汚染を考えると、人間と生活空間を共有するペットたちも、相当量の汚れにさらされている可能性が高いといえます。


実際に、犬や猫の血液からこの物質が検出されたという報告も相次いでいます。
ペットにとって、毎日食べる「ご飯(ペットフード)」は最も大きな汚染の原因ではないかと推測されてきましたが、市販のフードを対象とした大規模で包括的な調査は、これまで限られていました。

 

ペットがこの物質を体内に取り込むことは、さまざまな病気に関係している可能性があります。


例えば、肝臓病や甲状腺の異常、呼吸器や腎臓の病気と診断された猫は、健康な猫に比べて、血液中の汚染物質の濃度が高いことが分かっています。

 

この事実は、ペットたちが日々さらされている「消えない汚れ」が、健康に深刻な影を落としているのではないかという強い懸念を抱かせます。

 

このようにペットの体に汚れが溜まっている証拠が増えている一方で、その原因が本当に「ご飯」にあるのかを直接結びつける研究はまだ不十分です。

日本では2008年に「ペットフード安全法」が制定され、製造の基準などが定められましたが、現時点ではこの法律の中に「PFAS」の含有量に関する規制は存在しません。

 

これまでの調査では、ペットフードに「古いタイプの有害物質(PCBなど)」が含まれていることが分かっており、その汚れ具合は、原材料の中身や製品の種類、作られた国によって異なることが判明しています。

 

今回の新しい汚染物質についても、同じように製品の特徴によって差が出る可能性があります。
例えば、猫の体内汚染を調べた研究では、乾燥したご飯(ドライフード)を食べる習慣が、体内の汚れの総量を増やす大きな原因になっていることが示唆されています。

 

そこで本研究では、日本で販売されている多種多様なドライフードとウェットフードを分析し、汚染の実態を評価しました。


具体的には、含まれる成分の濃度と、原材料や製造国といった製品の特徴との関係を調査しました。


さらに、ペットが毎日の食事を通じてこれらの物質を取り込むことで、どのような健康リスクが生じる可能性があるのかを評価しました。


 

【私の知見:論文が示唆する「空白の真実」】

この研究序説を読み解くとき、私たちが直視しなければならないのは、単なる「環境汚染の数値」ではありません。


10年以上にわたりペットの食事と向き合ってきた私が抱いてきた違和感、そして確信を、ここで深く掘り下げたいと思います。

 

ペットたちにとっての「数年」は、私たちの「数十年」

論文では「PFASが分解されにくく、体内に蓄積する。ペットの血液からも高い濃度でPFASが検出されている。」ことが示されています。

 

ここからは私の知見ですが、人間よりも遥かに体が小さく、寿命のサイクルが早い犬や猫にとって、この蓄積スピードが持つ意味は人間とは比較にならないほど重いものです。


人間なら数十年かけて蓄積されるダメージが、彼らの短い一生の中では、わずか数年で健康を脅かすレベルに達してしまう可能性があるからです。

近年、猫の甲状腺異常や、原因不明の肝疾患が急増しているという現状。これが、日々の食事から取り込まれる「消えない化学物質」と無関係だとは言い切れないのではないでしょうか?

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■ 利益優先のモノづくりを許す「法の空白」

論文にある通り、現在の日本の「ペットフード安全法」にはPFASに関する規制がありません。


「法律に基準がない」ということは、メーカー側には『検査をする義務』も『汚染を公表する義務』もないことを意味します。

つまり、コスト削減のために汚染の疑いがある地域の原材料を使おうが、経費節減のために古い工業地帯の地下水(井戸水)をそのまま製造に使おうが、現時点では「法律違反」にはならないのです。

この『法の空白』を突いて、利益優先のモノづくりが行われている現状に、私は強い危機感を感じます。

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■ 便利さの裏に潜む「汚染の濃縮」というリスク

また、猫の研究で「ドライフードが汚れを増やす原因」と示唆されている点にも、製造現場としての理由があります。


なぜドライフードで濃度が高まるのか…。

それは、原材料を混ぜて形成したあと、水分を10%以下にまで落とす「乾燥・ロースト」のプロセスがあるからです。


製造工程で水分が徹底的に除外されることで、肉や魚、野菜などの原材料そのものに残留していた微量の化学物質は、水分が消えた分だけ相対的にその「濃度」が引き上げられてしまいます。

 

また、嗜好性を高めるために後からオイルなどを吹きかける工程も、油脂に溶け込みやすい性質を持つ汚染物質のリスクをさらに複雑にします。

毎日手軽に与えられる「便利さ」を追求したドライフードの製造プロセスそのものが、意図せずとも汚染物質の密度を高めてしまう構造を抱えているのです。

 

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■ 「一滴の水」にまで及ぶ、違和感の正体

私が長年感じてきた「中身の見えないフードへの違和感」。

それは、原材料の産地だけでなく、その加工工程で使われる『一滴の水』にまで及んでいました。


どこの誰が作ったか分からない油脂や、出所不明の添加物、そして工場の井戸水。

今回の研究結果は、私が抱き続けてきたその懸念が、悲しくも的中していたように思います。

 

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

こんにちは、犬の管理栄養士です。

 

前回の投稿では、愛媛大学の研究チームが発表した「ペットフードのPFAS汚染」の衝撃的な概要をお伝えしました。

 

その中で『PFASの含有量を給餌量(食べる量)に換算すると、乾燥食品(ドライフード)は成分の濃度自体は高かったものの、一度に食べる量が多いウェットフードの方が高いという結果になりました。

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ドライフードとレトルトフード

これらの知見は、ペットフードにおけるPFAS汚染が「原材料」に由来し、「原産国」に依存するという最初の証拠となるものです。
特に原材料として使用される魚は、PFASを取り込む重要な発生源となっています。』
と書かれた件がありました。

 

今日はこの部分について私の知見を述べたいと思います。

 

 

 

「知床産天然鮭」という選択が持つ価値

この論文の指摘を読み解くほど、私が「知床の鮭」を内臓を除く1尾まるごとレトルトにすることにこだわっている理由が明確になります。

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北海道秋鮭の水揚げ

1. 原材料に潜むリスク:なぜ「知床の天然鮭」を選ぶのか

今回の研究では、魚ベースのフードから高い数値が出る傾向が示されましたが、ここで重要なのは「どんな海域で、何を食べて育った魚か」という点です。

  • 生物濃縮のメカニズムと大型魚のリスク: 数年以上かけて海を回遊し、食物連鎖の頂点に立つマグロや一部の大型魚種は、汚染された小魚を大量に食べることで、その体脂肪にPFASを蓄積しやすい性質があります。
     

  • 知床産天然鮭の優位性: 一方で、当店の主原料である知床の鮭は、広大な北太平洋を回遊し、適切な時期に知床へ戻ってきた個体です。
    汚染源となる工場が密集する沿岸部に長く留まる定着魚や、何年もかけて汚染を濃縮し続ける超大型魚とは、蓄積のリスクが根本的に異なります。
     

  • 汚染源から遠い「東の果て」: PFASは水に溶けて広がります。だからこそ、汚染源(巨大工場地帯や基地)から物理的に遠く、豊かな外洋の恩恵を受ける知床という立地の「一等航路」で獲れた鮭を選ぶことは、現在取り得る最も合理的なリスク回避なのです。
     

2. 製造工程の盲点:レトルトフードと「井戸水」の隠れた罠

原材料の質と同じくらい、あるいはそれ以上に注視すべきが「製造に使われる水」です。

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井戸水
  • 古い工業地帯の「井戸水」利用: 多くのペットフード工場は、古くからの工業地帯に位置していることが多いです。
    そこでは経費節減のために「井戸水(地下水)」が使われることが多々あります。
     

  • 逃げ場のない汚染: もしその地域で過去に化学物質が扱われていた場合、地下水は今も汚染されている可能性があります。
    レトルト加工で食材を煮込んだり蒸したりする際、この水が使われれば、原材料がいくらクリーンでも、完成品にはPFASが「添加」されてしまうのです。
     

  • 「水」まで管理する責任:工場の立地から製造工程で使う水まで、原材料選びと同等の厳しい基準で管理することが望ましいです。
    「どこで獲れたか」だけでなく「どんな水で作られたか」まで透明にすること。
    これがレトルトフードにおける安全の最低条件だと考えています。
     

3. PFASを避けられる「最も効果的な防衛策」

完全にゼロにすることが難しい現代において、専門家や研究者が推奨する対策は以下の3点に集約されます。
 

①「産地の分散」と「ローテーション」: PFAS汚染近くの野菜などは特定の野菜だけを食べ続けると、体内に蓄積しやすくなります。
理論上、「汚染源(工場・米軍基地等)から遠い、清浄な土壌と水で育ったもの」が最も安全であることは間違いありません。

私が拠点を置く北海道のように、広大な地域の農産物や、上流に汚染源がない知床の海産物を組み合わせることで、曝露のリスクを物理的に分散させます。

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PFAS汚染から遠く離れた土地の野菜

 

②「原材料の透明性」が高いものを選ぶ: 今回の論文で指摘された「サプライチェーン汚染」を避けるのが、実は最も効果的です。
どこで誰が作ったか分からない「加工済みの油脂」「魚粉」「添加物」が含まれる超加工食品(一般的なドライフード等)を避け、「出所のはっきりした自然のままの食材」をベースにすることです。


不透明なルートを排除することで、*「F-53B」のような物質が紛れ込む隙をなくせます。
(*化学名9-クロロヘキサデカフルオロ-3-オキサノナン-1-スルホン酸。主に中国の産業界で使われてきた商品名)

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産地の分からない添加物

 

③水の管理(濾過): PFAS摂取の大きな割合を占めるのは「水」です。
活性炭フィルターを搭載した浄水器は、PFASを高い割合で除去できることが証明されています。
食材にこだわるのと同時に、調理に使う水や愛犬の飲み水をしっかり管理することが、日常で最も確実に曝露量を減らす方法です。

 

「知床産天然鮭」が持つ究極の価値

「複雑なサプライチェーンこそが、汚染の入り口である」

一般的なドッグフードは、世界中から集められた「正体不明の粉や油」の集合体であり、どこの国のどんな水が使われたかも分かりません。

  • 中国の排水や古い工業地帯の汚染を受けないルート。

  • 不透明な「混ぜ物」や「安い井戸水」を排除した、最短のサプライチェーン。

「世の中から汚染をゼロにすることはできませんが、『最もリスクの低い場所(知床)』を選び、さらにそれを『混ぜ物』を使用せず、PFASが一番溜まりやすい*内臓を丁寧に取り除くことで、リスクは最小限に抑えられます。」


*すべての魚、お肉に関して、PFASなどの有害物質が一番溜まりやすいのは内臓です。鶏肉では砂肝ジャーキー、牛肉ではミノ、センマイ、ハチノス、ギアラ、豚肉ではガツなどの消化器官に特に多く残留しますので、オヤツを選ぶ時にも注意が必要です。

この「シンプルさ」こそが、見えない化学物質から愛犬・愛猫を守る最強の盾になります。
 

まとめ

正体がわかるものを、そのまま与える。

この当たり前の価値、複雑な流通ルートを通らないシンプルな手作りだからこそ守れる安全があります。

大切な家族に、胸を張って「何を食べさせているか」と言えること。
その当たり前の安心を守るために、透明性の高い商品を選ぶことが大切です。

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PFASの検出が業界の不透明さを引きずり出した今、「透明な商品とはなにか」が浮き彫りになった気がします。

正体がわかるものを、そのまま与える。

この当たり前の価値が愛犬・愛猫を守ります。

 

最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。

 

 

 

 

こんばんは、犬の管理栄養士です。

 

 

今年1月に愛媛大学の研究チームから発表された、非常にショッキングな調査結果の要約(原文)ですが、あまりにもショッキングな内容で不安に思われたご家族も多かったことと思います。

 

PFAS汚染がこれほどまでに広がっていたとは…

そして大切な家族【愛犬・愛猫)からもPFASが検出されたとは…

 

まずは論文の内容を分かりやすくかみ砕き、どんな発表だったかをしっかり理解していきたいと思います。

 

このシリーズは10回にわたって投稿します。

 

 

【論文要約】

「ペットフードにおけるPFASの広範な汚染:食事由来の摂取源とペットへの健康リスク」

ペット動物におけるパーフルオロアルキル物質(PFAS)への曝露(ばくろ)に対する懸念が高まっていますが、市販のペットフードを通じてどの程度の量を摂取しているかは、これまで十分に解明されていませんでした。

 

本研究では、ドライフードとウェットフードの両方を含む、日本で市販されている犬猫用ペットフード100品目を対象に、34種類のPFAS化合物を詳しく測定する包括的な分析を行いました。

 

その結果、PFASは頻繁に検出され、その濃度は食品の種類、原材料、および原産国によって異なっていることが判明しました。

 

特に、魚を主原料とする製品には「PFOS」「PFUnDA」「PFTrDA」が高濃度で含まれていました。

また、検出された成分の傾向から、アジア特有の汚染源(F-53Bなど)の影響を受けている可能性が示唆されました。

 

欧州食品安全機関(EFSA)が定める基準に基づき、健康への影響を評価(HQ評価)したところ、いくつかの製品において犬・猫ともに平均値が基準(1)を超えており、潜在的な健康リスクがあることが示されました。

 

ただし、犬と猫の種ごとの体内での動き(毒性動態)に関する情報が不足しているため、今回の評価はあくまで予備的なものとして解釈されるべきです。

 

給餌量(食べる量)に換算すると、乾燥食品(ドライフード)は成分の濃度自体は高かったものの、一度に食べる量が多いため、実際に体に取り込まれる推定量はウェットフードの方が高いという結果になりました。

 

これらの知見は、ペットフードにおけるPFAS汚染が「原材料」に由来し、「原産国」に依存するという最初の証拠となるものです。特に原材料として使用される魚は、PFASを取り込む重要な発生源となっています。

 

また今回の結果は、家族の一員である伴侶動物に特化した規制や、健康への影響評価を大至急進める必要があることを強調しています。

 

言葉を話せない動物たちは、汚染の影響を受けやすい存在であると同時に、同じ家庭環境で暮らす人間への影響をいち早く知らせてくれる監視役でもあるのです。

 

 

私の解釈と想い

論文内の『給餌量(食べる量)に換算すると、乾燥食品(ドライフード)は成分の濃度自体は高かったものの、一度に食べる量が多いため、実際に体に取り込まれる推定量はウェットフードの方が高いという結果になりました。』

 

『これらの知見は、ペットフードにおけるPFAS汚染が「原材料」に由来し、「原産国」に依存するという最初の証拠となるものです。特に原材料として使用される魚は、PFASを取り込む重要な発生源となっています。』以上に関しては長くなってしまうので次回に詳しく書かせていただきます。

 

いま、目の前にある危機として

水が豊かな国・日本において、今「水の汚染」は避けて通れない深刻な問題となっています。ニュース等で耳にされた方も多いかと思いますが、米軍基地の消火剤が漏れ出し、長い年月をかけて土に染み込み、地下水、河川、そして海へと広がっていったのが「PFAS(ピーファス)」です。

 

PFASとは「有機フッ素化合物」の総称です。実は私たちの身の回りには、その危険性を疑うことなく当たり前に使われている製品が溢れています。

  • 調理器具: くっつかないテフロン加工(フッ素加工)のフライパン

  • 食品包装: ピザの箱、ファストフードの紙袋、電子レンジ用ポップコーンの袋

  • 衣類・繊維: アウトドアウェアの防水加工、防汚加工のカーペットやソファ

  • 日用品: 化粧品(マスカラ等)、防水スプレー

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防水処理された紙容器
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防水スプレー

このPFASが大きな問題となったきっかけは、基地近隣の水道水から高濃度の数値が検出されたことでした。そこでは土も、野菜も、そして暮らす人々からも高い数値が見つかったのです。

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農業用用水路
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そこに育った野菜

 

なぜPFASが「怖い」のか

PFASは「永遠の化学物質」と呼ばれます。自然界で分解されにくく、一度体内に入ると排出されずに長期間蓄積され続けるからです。

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「逃げ場のない『濃縮の連鎖』」小さな汚れが、大きな毒に変わる仕組み

 

人体や動物への影響として、以下のようなリスクが研究で報告されています。

  1. 内臓へのダメージ: 肝機能の低下、コレステロール値の上昇

  2. 免疫力の低下: ワクチンが効きにくくなる、感染症にかかりやすくなる

  3. ホルモンの異常: 甲状腺疾患、次世代への発達影響(出生体重の低下など)

  4. 発がん性: PFOAなどは「ヒトに対して発がん性がある(グループ1)」に分類

 

今やこの汚染は世界中に広がり、北極のシロクマからも検出されています。

 同じ家で暮らし、同じ水道水を飲み、テフロン加工のフライパンで焼いた肉を食べ、そしてPFASの危険にさらされた原材料で作られたペットフードを毎日食べている犬や猫たちに、影響が出ていないはずがありません。

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水辺の野鳥

 

これまでもブログで水問題や化学物質への警鐘を鳴らしてきましたが、今回の愛媛大学の調査により、その疑念が「明確な事実」として突きつけられました。

 

これから10回のシリーズを通して、この事実が私たちの愛犬・愛猫にどう影響しているのか、そして「これから何を食べさせたらいいのか」という不安への答えを、私なりの知見を交えて分かりやすく解説していきます。

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大切な家族である愛犬・愛猫、そしてあらゆる小さな命を守るために。

決して他人事ではない「いま目の前にある危機」。

 

是非、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

感謝でいっぱいです。