こんばんは、犬の管理栄養士です。

 

これまで9回にわたり、今年1月に発表された愛媛大学の研究結果と、それに対する私の知見をお届けし、今回で最終回となります。

 

PFASという化学物質を通して見えてきたのは、私たちが「安心」だと思い込んでいたペットフードの裏側に潜む不都合な真実でした。

 

 

私が目撃した「死の山」とドッグフードの真実

実は今から10年ほど前、私はある衝撃的な動画を目にしました。現在は規制により削除されていますが、その動画に映し出された光景は今でも目に焼き付いています。

 

ある大きな工場の隣に、山のように積み上げられた「何か」が映っていました。

 

近づいたカメラに映し出されたのは、大量の亡くなった犬たちの姿でした。事故、病気、あるいは殺処分された犬たちが山のように積み上げられ、隣の工場へと運ばれていく。

 

その工場は、ドッグフードの製造工場でした。

 

あまりのショックに自分の目を疑いましたが、それは動物保護団体が命がけで撮影した現場の記録でした。


車に撥ねられたカンガルーの個体も、そのまま回収され加工されていました。


魚も、廃鶏も、牛も豚も、病死であろうと事故であろうと、安く、あるいはタダ同然で仕入れられる「肉」として利用されている…。

 

私はこれまで、原材料が不明確なフードを与えることへの危うさをずっと感じてきました。

 

ですが、今回の愛媛大学の調査により、「90%の確率でPFASが見つかった」という具体的な数字が出たことで、隠されていた不都合な事実が「芋づる式」に露呈しました。

 

「国産」と書いてあっても中国由来の汚染物質が出る。
魚メインではないのに海洋汚染物質が出る。

 

これらは、どれほどメーカーが「厳選した材料」と言い繕っても、実際には「出所不明な安価な副産物や添加物」に頼っているという、隠しようのない証拠です。

愛媛大学の研究が暴いた「グローバルな汚染の連鎖」

この研究結果をさらに深掘りすると、ペットフード業界が抱える「原材料の不透明さ」がより鮮明に見えてきます。特に「原産国による特徴」と「中国由来の代替物質」の部分は、トレーサビリティ(追跡可能性)の根幹に関わる問題です。

 

■「アジア製」と「米国製」の組成の違い

論文で「組成に差異がある」と述べられているのは、単なる産地の違いではなく、「その国で今、何が規制され、何の代替品が使われているか」が製品にそのまま反映されていることを示しています。

  • 米国製品の特徴: 欧米ではPFOSやPFOAの規制が先行しているため、それらの検出は相対的に減っています。しかし、その代わりに「GenX」などの次世代PFAS(短鎖PFAS)が使われており、それが製品から検出されています。
     

  • アジア製品の特徴: 依然として古いタイプのPFASが検出される一方で、後述する「中国独自の代替物質」が混入しているのが最大の特徴です。

つまり、どの国の製品を買っても「別の種類のPFAS」が含まれているという、逃げ場のない「PFASの置き換え合戦」が起きている実態を浮き彫りにしています。

 

■中国由来の物質「F-53B(9Cl-PF3ONS)」の正体と恐怖

  • PFOSの「影武者」: F-53Bは、中国のメッキ工場などでPFOSの代わりとして長年使われてきた物質です。
     

  • PFOS以上の毒性と蓄積性: 近年の研究(2025-2026年発表の論文等)では、F-53BはPFOSよりも分解されにくく、生物の体内に長く留まる(半減期が長い)可能性が指摘されています。
    また、毒性も非常に強いことが分かってきました。
     

  • なぜドッグフードに入っているのか?: 中国の工場排水が河川や海に流れ出し、その地域の魚が汚染されます。
    その魚が「魚粉」や「フィッシュオイル」に加工され、安価な原材料として世界のペットフード市場に供給されます。
    さらに、ビタミン剤やミネラル類、アミノ酸などの「添加物」は世界シェアの多くを中国が占めています。
    製造工程で使われる水や器具を通じて、この「中国固有の汚染物質」が世界中のフードに紛れ込んでいるのです。

■「サプライチェーン汚染」の恐ろしさ

「サプライチェーン汚染」とは、最終的なメーカーが意図しなくても、原材料を遡る過程のどこかで汚染が起きることを指します。

  • 隠れた汚染源: 例えば「チキン味」のフードであっても、食いつきを良くするために「魚由来のオイル」や「フレーバー」が少量使われることがあります。
    その少量の原材料が中国由来の汚染を受けていれば、製品全体からF-53Bが検出されます。
     

  • 「国産」の落とし穴: 日本で製造しているからといって安心はできません。今回の研究で「日本で流通する100製品」からこれらが検出されたということは、「日本メーカーが海外から輸入した原材料」の中に、すでに汚染が組み込まれていることを意味します。

 

私が目撃した「闇」が確信に変わる

今回の愛媛大学の研究結果は、単なる化学物質の報告にとどまりません。

それは、「安価な原材料を世界中からかき集め、不透明な工程で混ぜ合わせる」という現在のペットフード製造システムの限界を、科学の力で暴いてしまったのだと言えます。
 

1. 「廃棄物」が「原材料」に変わるレンダリングの仕組み

亡くなった動物、病気の動物の肉が「肉副産物」や「ミートミール」として再生される「4Dミート」の存在。
それらは高温・高圧で処理され、元の姿が何であったか分からない「粉末」や「油脂」に加工されるため、消費者は知る術がありません。しかし、PFASは加熱しても壊れません。

 

2. PFASが「嘘」をつけない証拠になる

これまで「加熱殺菌しているから安全」「基準値内」と言われてきたものが、PFASという「汚染の指紋」によって否定されました。
「国産」と謳いながら中国由来の物質が出る、魚メインでないのに海洋汚染物質が出る。これらは、不透明なサプライチェーンに頼っている隠しようのない証拠です。
 

3. 私の役割

多くの飼い主様は、この凄惨な現場を知りません。私はこのPFASのニュースをきっかけに「選択肢の提示」という形で、さらに強く光を当てていきたいと考えています。

論文の基準をクリアした「PFAS未検出フード」リスト

ご紹介の前に、愛媛大学は特定のブランド名を公表していません。

しかし、示された『産地』『原材料に魚由来が含まれない』『PFASを含まない』、これらの条件をクリアしているもの丁寧に選別し、浮かび上がった答えです。
 

本来であれば、こうした具体的な商品名は表に出してはいけない情報なのかもしれません。
 

ですが、PFASという見えないリスクに怯え、何を信じればいいのか分からなくなっている飼い主様、本当に愛犬・愛猫の笑顔と、健康な10年後の未来を考えている方にだけは、この『答え』を届けたい。
 

その一心で、あえて具体的なフードの名前を有料記事という形でお伝えすることに決めました。
 

続きはnoteで読んでくださいね。

 

 

ここまでの10回に渡る長い投稿を、最後まで読んでいただき感謝でいっぱいです。