紫陽花のお花は、かんかん照りに晴れた日よりも、雨上がりの雨露を含んだ時の方が美しく見えます。梅雨の季節に咲くお花らしいですね。
今日ご案内するノースリーブのトラペーズ(台形)ラインのドレスは、ただボックス調に広がるだけでなく、ドレスの裾がなめらかな曲線を描いているのがポイントです。
横かから見たラインは、まるで小鳥のようなシルエットのよう。
あえてウエストのくびれを作らずに、スカートの裾が床に向かって広がっているので、どうしてもポイントが下がりがちです。
そこで、ヘアスタイルは、思い切り高い位置にシニヨン(お団子)の位置を決めて、バラの髪飾りをアレンジしました。
フランスレースのヴェールは、ドレスのラインに沿うように、円形のマリアさま型のものをつけています。
スカートの内側には、細かいランダムなプリーツ加工を施したスカートから、足のラインが、ほんの少し透けて見えるのがポイントです。
実は、このドレスをデザインしたきっかけは、雑誌で同じアトリエ系のドレスショップが3店舗、それぞれのドレスのデザインを競い合うという企画でした。
ウェディングドレスとしては珍しい形でしたから、その雑誌の企画ページをご覧になった取引先の生地屋さんが慌てて「光田さん、あんなの客寄せパンダでしょ!! 売れるわけないよね」と私に電話をしてきました。
なぜ、そんなことをわざわざ言われたのか、当時は理解できなくてモヤモヤした気分が残りました。
でも、そのあと数年間に渡って、このドレスを着たい!!という花嫁があとを絶たなかったので、あの時あんなこと言われたけど、本当に作って良かった、と思うエピソードのあるドレスです。
このトラペーズラインのシルエットは、フランスのデザイナー・ポールポワレが1920年代にエキゾティックなものに憧れ、日本の和服のようなデザインのドレスを提案したものから着想を得たものです。
立体裁断研究所時代に学んだ服装史で一番印象に残り、ずっと心の中にあったものです。
日本女性や日本の文化の美しさを洋服で表現したい、という思いが20代の頃から心のどこかであったのかもしれません。
今日も最後まで、読んでくださってありがとうございました。
ルーチェクラッシカ・光田みどり

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ウェディングドレスへのこだわり
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