スピンオフ編~東京都港区高輪『食とくらしの小さな博物館~くらしと食卓』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は、11月11日、14日、18日の記事の続編

東京都港区高輪の

『食とくらしの小さな博物館~くらしと食卓』です。

 

最寄駅は

都営地下鉄浅草線の『高輪台』。

 

駅から徒歩5分

味の素グループ高輪研修センター内にある

食文化に関する企業博物館です。

 

今回は

このシリーズ最終回

一般家庭の『くらしと食卓』のコーナーをご紹介します。

 

1935(昭和10)年頃

1960(昭和35)年頃

1985(昭和60)年頃

25年ごとの食卓の様子が再現されています。

 

まずは1935年頃の食卓から

テーマは

『ちゃぶ台を囲む家族と一家団欒の始まり』

~食と生活の近代化の始まりです。

 

20世紀に入ると

都市部のサラリーマン家庭を中心に

それまでの銘々膳に代わってちゃぶ台が使われ始め

一家団欒の思想が芽生えました。

 

昭和に入るとちゃぶ台の普及が加速し

一つの食卓を家族全員で囲む風景が

都市部だけでなく全国で見られようになります。

 

都市部の庶民の住宅事情は

決して良いものではなく

多くの人々が長屋やアパート住まいでした。

 

部屋数も少なく

各部屋が狭いことから

茶の間にもいろいろなものが

雑然と置かれていました。

 

食器類を収納する茶箪笥の隣には

衣類を入れる箪笥があり

茶箪笥の上にはラジオが置かれています。

 

ラジオがあるということは

それなりに裕福な家庭なのでしょう。

 

火鉢に扇風機

奥にある踏み台には

豚の蚊取り線香が置かれています。

 

左側の木箱は火鉢の炭入れ

竹の棒は火吹竹

右のかごはくずかごだと思います。

 

各コーナーには

プロの写真家が撮影した

食卓の写真も展示されています。

 

次のコーナーは1960年頃

テーマは

『ダイニングキッチンと洋風化の浸透』

~食と生活の合理化です。

 

1956(昭和31)年

集合住宅の供給を始めた日本住宅公団は

台所にダイニングキッチン方式を取り入れ

『寝食分離』を実現しました。

 

アメリカ流の豊かな暮らしを象徴する

ダイニングキッチン方式は

理想のモデルとなって急速に普及し

食卓はちゃぶ台からテーブルへと移行します。

 

高度経済成長期に入り

一般家庭の収入が向上するとともに

台所には電化製品が備わってきます。

 

電気冷蔵庫の普及に伴い

冷凍・冷蔵食品が次々登場し

調理の簡略化が進みました。

 

電気炊飯器、トースター、ミキサーなどは

生活を合理化するだけではなく

家庭の料理をバリエーション豊かなものにしました。

 

1960(昭和35)年には

NHKと民放4社がカラーテレビ放送を始めましたが

放送開始3年後の1963(昭和38)年の

白黒テレビの普及台数1600万台に対し

カラーテレビは5万台ほどしかなく

多くの一般家庭では白黒放送を楽しんでいました。

 

画面に映っているのは

浅草を拠点とし『日本の喜劇王』と呼ばれた

『エノケン』こと榎本健一

・・・味の素の宣伝をやっていたのですね。

 

こちらはプロの写真家が撮影した

当時の食卓風景です。

 

最後は1985年頃

テーマは

『グルメ志向と簡便化の併存』

~食と生活の多様化です。

 

食事を楽しむことに主眼を置いた外食が盛んになり

食べ歩きがレジャーの一つになりました。

 

食の高級化、本物志向が進む一方で

調理の簡便化が顕著になり

電子レンジなどの調理器具が急速に普及します。

 

炊飯器も単にご飯を炊くものから

様々な機能を持った高級品に変化してゆきます。

 

家庭ではインスタントコーヒーだった人々が

レギュラーコーヒーの味を求めるようになり

コーヒードリッパーが食卓に浸透します。

 

食と生活の多様化に伴い

一人ひとりの生活時間や興味が優先されるあまり

家族は揃って食事する場面は少なくなり

いわゆる『個食化』が進みました。

 

20世紀から21世紀に移行してからは

食卓にさほど大きな変化は見られませんが

スマフォを見ながら、音楽を聴きながらなど

『ながら』の食事が一般的になりつつある現況で

個人的には食文化の退化を大いに懸念しています

・・・『ながら』も食文化だと言われれば

返す言葉もありませんが。

 

4回にわたってリポートした

『食とくらしの小さな博物館』

いろいろと考えさせられるものがありました。

 

私は決して味の素社の回し者ではありませんが

機会がございましたら是非ご訪問ください。

 

食とくらしの小さな博物館~日本の食文化

食とくらしの小さな博物館~1900-1975

食とくらしの小さな博物館~1976-20XX

 

食とくらしの小さな博物館

東京都港区高輪3-13-65

味の素高輪研修センター2階

03-5488-7305

10:00-17:00

日曜祝日及び年末年始休館

入場無料

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都荒川区南千住です。