小説「暗闇の教室 Ⅱ悪夢、ふたたび」 折原一
前作
の続き、謎解き+αの内容。
少年たちが集まって怪談話(百物語)をした夜から20年後。
高倉千春は列車事故で記憶喪失になり、20年間の記憶がすっぽり消えてしまった。
当時のことを思い出すため、あの時、百物語をした生徒に話を聞いてまわることに。
そして彼女は段々と明らかになる事実に驚愕することになる…
前回不明だった箇所の謎解きが中心となる巻。
だと思ってたんですが、前回の回答はサラッと示し、今回は今回でまた謎をバラ撒き、読者を混乱の渦に巻き込みます。
次々と伏線を張るだけ張って、拾えるものだけ拾う。
そのため最後まで読んでも残ったパーツがどこもはまらず、うやむやに。
構成が複雑すぎるのか、折原作品はこういったことが多い。
もっとシンプルにして、地に足がついた驚きを提供して欲しい。
今回も叙述トリックを用いてはいるんだけど、一つにまとまらないため驚きも少なく、ふーん程度。
ホラーなどの読み物としても中途半端感が否めない。
「沈黙の教室 」からのつながりは評価したいけど、活かしきれてないのも残念。
ここのところ当たりが少ないですが、いつか面白いものに出会えると信じて折原作品を読み続けます。
- 暗闇の教室〈2〉悪夢、ふたたび (ハヤカワ文庫JA)/折原 一
スコア選択: ★★
少年たちが集まって怪談話(百物語)をした夜から20年後。
高倉千春は列車事故で記憶喪失になり、20年間の記憶がすっぽり消えてしまった。
当時のことを思い出すため、あの時、百物語をした生徒に話を聞いてまわることに。
そして彼女は段々と明らかになる事実に驚愕することになる…
前回不明だった箇所の謎解きが中心となる巻。
だと思ってたんですが、前回の回答はサラッと示し、今回は今回でまた謎をバラ撒き、読者を混乱の渦に巻き込みます。
次々と伏線を張るだけ張って、拾えるものだけ拾う。
そのため最後まで読んでも残ったパーツがどこもはまらず、うやむやに。
構成が複雑すぎるのか、折原作品はこういったことが多い。
もっとシンプルにして、地に足がついた驚きを提供して欲しい。
今回も叙述トリックを用いてはいるんだけど、一つにまとまらないため驚きも少なく、ふーん程度。
ホラーなどの読み物としても中途半端感が否めない。
「沈黙の教室 」からのつながりは評価したいけど、活かしきれてないのも残念。
ここのところ当たりが少ないですが、いつか面白いものに出会えると信じて折原作品を読み続けます。
アニメ「映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード」 レビュー
劇場版、第11作目。
水嶋努監督。
必死に節約して、遂に来た焼肉の日。
そんな野原家に突如、不審な男が匿ってくれと現れた。
それを契機として、野原家(シロ含め)はなぜか指名手配されてしまう。
ワケも分からず逃げ惑うしんちゃんたち、果たして焼肉にありつけるのか?
今回はギャグ満載。
個人的にお涙頂戴よりも、笑い路線の方がしんちゃんの作品には合ってる気がします。
アニメ作品に対しても、監督の裁量が大きく影響することを実感させられる内容でした。
前回見たの と比べ、キャラの個性を最大限に引き出しているのが分かります。
まず、良かった点は
ショック時のポカン顔、肉回想シーンでのリアル顔やヒッチハイクのくだりなど、とにかく笑いどころが満載。
平常時とおふざけ時との緩急の付け方が上手で、オチへの持っていき方がえげつない、面白すぎる。
また、一人ひとり見せ場がちゃんとあることも嬉しい。
野原一家はもちろん、シロやマサオくんまで。
これは監督のマサオくんへの愛を感じます(笑)
最後に、気になった点は
1時間10分あたり、最高に盛り上がったとこでクライマックスかと思いきや、真のラスボスが…という展開は逆にガッカリ感を与えかねません。
一度ピークに達した気持ちを更に上げるのはやはり難しいです。
あのとき終わっていれば(笑)
クレしん映画の中でも、万人にオススメできる作品です。
見た後は焼肉が食べたくなってることでしょう。
水嶋努監督。
必死に節約して、遂に来た焼肉の日。
そんな野原家に突如、不審な男が匿ってくれと現れた。
それを契機として、野原家(シロ含め)はなぜか指名手配されてしまう。
ワケも分からず逃げ惑うしんちゃんたち、果たして焼肉にありつけるのか?
今回はギャグ満載。
個人的にお涙頂戴よりも、笑い路線の方がしんちゃんの作品には合ってる気がします。
アニメ作品に対しても、監督の裁量が大きく影響することを実感させられる内容でした。
前回見たの と比べ、キャラの個性を最大限に引き出しているのが分かります。
まず、良かった点は
ショック時のポカン顔、肉回想シーンでのリアル顔やヒッチハイクのくだりなど、とにかく笑いどころが満載。
平常時とおふざけ時との緩急の付け方が上手で、オチへの持っていき方がえげつない、面白すぎる。
また、一人ひとり見せ場がちゃんとあることも嬉しい。
野原一家はもちろん、シロやマサオくんまで。
これは監督のマサオくんへの愛を感じます(笑)
最後に、気になった点は
1時間10分あたり、最高に盛り上がったとこでクライマックスかと思いきや、真のラスボスが…という展開は逆にガッカリ感を与えかねません。
一度ピークに達した気持ちを更に上げるのはやはり難しいです。
あのとき終わっていれば(笑)
クレしん映画の中でも、万人にオススメできる作品です。
見た後は焼肉が食べたくなってることでしょう。
VHS「DISTANCE」 レビュー
是枝裕和
監督。
2001年公開作品。
カルト教団の信者が東京都の水道水にウィルスを混入させ128名の死者を出す無差別殺人事件を起こした。
その後5人の実行犯たちは教団の手で殺害され、教祖も自殺。
3年目の命日、実行犯の遺族4人が殺害現場である湖に向かう。
「ワンダフルライフ 」に続く、ドキュメンタリー+ドラマというリアル指向な作品。
役者のセリフなどもほぼアドリブで、その場限りの空気は繊細で儚い。
役者が人物像を熟考し、その状況によって最適なセリフを発し、立ち振る舞いをする。
見てる側はそのセリフ、表情や行動から、その奥にある心理を読み取ることができる。
それを可能にするのは、やはり役者の力が大きい。
この中に一人でも場違いな人がいれば、この空気感は壊れてしまいます。
監督の配役もすごいし、役者もすごい。
特別な事件も起こらないし、派手な演出もない。
だからこそ、人の心にこれだけ焦点を当てられるし、見る人の心に深く刻まれるものがある。
映画ってここまで考えて作られてるということを再確認させられました。
この映画は意味深なシーンが沢山出てきます。
しかし、その謎に対してきちんとした回答はなされておらず、解釈は本人に任せるという体制をとってます。
個人的にはきちんとした答えを求めてしまうので、これはつらいところ。
是枝監督のサイトに対話形式で、その解釈(考えるヒント)などが書かれてます。
これを読むと、ぼやけたものがある程度鮮明になるかと思います。
ディスタンス ティーチイン
伊勢谷友介の好感度が上がりました、鑑賞後にぜひ。
映画に対しての評価も変わりますよ。
見たあと、心のなかで存在がどんどん肥大化していってます。
まるで「リリィ・シュシュのすべて 」を見た時みたいに…
真相を考える面白さがこの作品にはあります。
繊細な内容なので、適当に見てたら、確実に意味不明でつまらない作品になります、お気をつけを。
2001年公開作品。
- DISTANCE(ディスタンス) [DVD]/ARATA,伊勢谷友介,寺島進
スコア選択: ★★★★
カルト教団の信者が東京都の水道水にウィルスを混入させ128名の死者を出す無差別殺人事件を起こした。
その後5人の実行犯たちは教団の手で殺害され、教祖も自殺。
3年目の命日、実行犯の遺族4人が殺害現場である湖に向かう。
「ワンダフルライフ 」に続く、ドキュメンタリー+ドラマというリアル指向な作品。
役者のセリフなどもほぼアドリブで、その場限りの空気は繊細で儚い。
役者が人物像を熟考し、その状況によって最適なセリフを発し、立ち振る舞いをする。
見てる側はそのセリフ、表情や行動から、その奥にある心理を読み取ることができる。
それを可能にするのは、やはり役者の力が大きい。
この中に一人でも場違いな人がいれば、この空気感は壊れてしまいます。
監督の配役もすごいし、役者もすごい。
特別な事件も起こらないし、派手な演出もない。
だからこそ、人の心にこれだけ焦点を当てられるし、見る人の心に深く刻まれるものがある。
映画ってここまで考えて作られてるということを再確認させられました。
この映画は意味深なシーンが沢山出てきます。
しかし、その謎に対してきちんとした回答はなされておらず、解釈は本人に任せるという体制をとってます。
個人的にはきちんとした答えを求めてしまうので、これはつらいところ。
是枝監督のサイトに対話形式で、その解釈(考えるヒント)などが書かれてます。
これを読むと、ぼやけたものがある程度鮮明になるかと思います。
ディスタンス ティーチイン
伊勢谷友介の好感度が上がりました、鑑賞後にぜひ。
映画に対しての評価も変わりますよ。
見たあと、心のなかで存在がどんどん肥大化していってます。
まるで「リリィ・シュシュのすべて 」を見た時みたいに…
真相を考える面白さがこの作品にはあります。
繊細な内容なので、適当に見てたら、確実に意味不明でつまらない作品になります、お気をつけを。
小説「家族八景」 筒井康隆
テレパス、七瀬シリーズ三部作の第一弾。
連作短編8話が収録されてます。
他人に対するどんな誤解や錯覚にも必ず一面の真実が含まれている(文中より)
人の心を読むことができる能力(テレパス)を持つ火田七瀬はその能力を知られないため、家政婦として家を転々としている。
七瀬は起こる様々な出来事を通して、人々の心の裏を知り、変化を助長する。
1話30ページ弱、8家族の人間模様が描かれます。
どれもこれも誰かを嫌っていて、家族を蔑むものばかり。
実際、心の裏側を見たら、こんな感じなのかなと思わなくもないですが、さすがに悪意がありすぎます。
文中の言葉を借りれば、反吐が出る人ばかり。
そんな環境の中、七瀬はどう考え行動するのか?
話が進むにつれ七瀬は年をとっていくのですが、考え方がどんどん悪意に満ちたものになっていきます。
純粋だった七瀬もどんどんブラックに変わっていく様子がまた恐ろしい。
最初はなるべく家族と関わらないようにしてたのが、後半では"この均衡した関係を壊してやろう"など実験的な試みもするように。
そして、家族に様々な顛末が訪れます。
その結末(死、狂など)もテレパスしてしまう七瀬の苦悩は想像を絶するものでしょう。
空気読めない人も残念だけど、読めすぎてしまうのも困りもの。
個人的には”芝生は緑”が好き。
隣の芝生は緑に見えるって話です。
これが唯一のハッピーエンド。
ドキドキ感では”水蜜桃”がピカイチ。
気になる人は読んでみてください。
連作短編8話が収録されてます。
- 家族八景 (新潮文庫)/筒井 康隆
スコア選択: ★★★★
他人に対するどんな誤解や錯覚にも必ず一面の真実が含まれている(文中より)
人の心を読むことができる能力(テレパス)を持つ火田七瀬はその能力を知られないため、家政婦として家を転々としている。
七瀬は起こる様々な出来事を通して、人々の心の裏を知り、変化を助長する。
1話30ページ弱、8家族の人間模様が描かれます。
どれもこれも誰かを嫌っていて、家族を蔑むものばかり。
実際、心の裏側を見たら、こんな感じなのかなと思わなくもないですが、さすがに悪意がありすぎます。
文中の言葉を借りれば、反吐が出る人ばかり。
そんな環境の中、七瀬はどう考え行動するのか?
話が進むにつれ七瀬は年をとっていくのですが、考え方がどんどん悪意に満ちたものになっていきます。
純粋だった七瀬もどんどんブラックに変わっていく様子がまた恐ろしい。
最初はなるべく家族と関わらないようにしてたのが、後半では"この均衡した関係を壊してやろう"など実験的な試みもするように。
そして、家族に様々な顛末が訪れます。
その結末(死、狂など)もテレパスしてしまう七瀬の苦悩は想像を絶するものでしょう。
空気読めない人も残念だけど、読めすぎてしまうのも困りもの。
個人的には”芝生は緑”が好き。
隣の芝生は緑に見えるって話です。
これが唯一のハッピーエンド。
ドキドキ感では”水蜜桃”がピカイチ。
気になる人は読んでみてください。
DVD「築城せよ!」 レビュー
古波津陽監督。
愛知工業大学の生徒と一緒に製作。
愛知県の猿投では地域活性化として城の復元か?工場の誘致か?で争っていた。
そんなとき、ちょっとした小競り合いから3人が井戸に落ち、行方をくらましてしまう。
次の日現れたのは武士に体を乗っ取られた3人だった。
武将は城を建てるために舞い戻ったと言うが…
ダンボールで城を建てるとか(笑)
これはもう完全にギャグ映画だろうと想像してたんですが…
いい映画じゃないですか!
突如現れた戦国武将に何かのイベントだと勘違いする民。
あいつの言う事だったら、と城の建築に協力的だった民は、武士一人の成仏で一気に離れて行ってしまいます。
ここからが武将の腕の見せ所、どんな事を駆使して人手を集め、城を建てるのか?
残り時間は4日。ここからが面白い。
さて、この戦国武将、適応能力と状況判断が半端ないです。
ショベルカーを見ただけで、「これですぐ城が建つぞ!ワハハハ」なんて言っちゃう。
ギンギンに晴れてるのに「雨降らぬうち~」と言ったら、雨が降っちゃう。
人の匂いで末裔まで言い当てちゃう。
武将恐るべし。
しかし、人の心を読む判断能力こそ、城を建てる重要命題だったりするわけです。
この見せ方が上手いところで、原因の部分を隠し、結果を示すことで、見てる側に武将がしたことを暗に想像させる。
あの武将がまさか…というのが効果的に効いてます。
また、町長から横槍も入り、どうなるのか先が気になる展開に目が離せません。
とはいえ、見どころはやはりダンボール城。
ダンボールとはいえ、本物さながらの迫力があります。
建ててる様子も学園祭で出し物を作ってるみたいで楽しそうでした。
徐々に建っていく様子が本編から伺えたら、尚良かったですね。
あと、崩すのもCGじゃなく、実物で見たかったです。
でも、これらは特典映像のメイキングで見れます。
愛知工業大学の生徒と一緒に製作。
- 築城せよ! [DVD]/片岡愛之助,海老瀬はな,江守徹
スコア選択: ★★★
愛知県の猿投では地域活性化として城の復元か?工場の誘致か?で争っていた。
そんなとき、ちょっとした小競り合いから3人が井戸に落ち、行方をくらましてしまう。
次の日現れたのは武士に体を乗っ取られた3人だった。
武将は城を建てるために舞い戻ったと言うが…
ダンボールで城を建てるとか(笑)
これはもう完全にギャグ映画だろうと想像してたんですが…
いい映画じゃないですか!
突如現れた戦国武将に何かのイベントだと勘違いする民。
あいつの言う事だったら、と城の建築に協力的だった民は、武士一人の成仏で一気に離れて行ってしまいます。
ここからが武将の腕の見せ所、どんな事を駆使して人手を集め、城を建てるのか?
残り時間は4日。ここからが面白い。
さて、この戦国武将、適応能力と状況判断が半端ないです。
ショベルカーを見ただけで、「これですぐ城が建つぞ!ワハハハ」なんて言っちゃう。
ギンギンに晴れてるのに「雨降らぬうち~」と言ったら、雨が降っちゃう。
人の匂いで末裔まで言い当てちゃう。
武将恐るべし。
しかし、人の心を読む判断能力こそ、城を建てる重要命題だったりするわけです。
この見せ方が上手いところで、原因の部分を隠し、結果を示すことで、見てる側に武将がしたことを暗に想像させる。
あの武将がまさか…というのが効果的に効いてます。
また、町長から横槍も入り、どうなるのか先が気になる展開に目が離せません。
とはいえ、見どころはやはりダンボール城。
ダンボールとはいえ、本物さながらの迫力があります。
建ててる様子も学園祭で出し物を作ってるみたいで楽しそうでした。
徐々に建っていく様子が本編から伺えたら、尚良かったですね。
あと、崩すのもCGじゃなく、実物で見たかったです。
でも、これらは特典映像のメイキングで見れます。
