
悪くはない。ダメではない…と思いたい。
演者は頑張ってたし脇は演技達者な人が配置されて安定しているし。普通のドラマとして、まずまずの出来の第一話だったと思います。
ただ…ただ…アニメは…「普通の第一話」ではなくてとんでもない衝撃の第一話だったので比較すると…うーん…です。
アニメを白紙の状態で見始めた場合、まず「アイドルのお話なんだ」ってことで始まって、あるところで「あ!推しの子ってそういうこと!?」って驚きが入って、そしてラストの衝撃でもう一回ひっくり返されるわけです。推しの子のほのぼのストーリーではなく、苛烈な復讐の物語なんだ、と思い知らされるというか。
で、それを1時間半弱というアニメとしては狂気ともいえる長尺で見せるわけです。それだけの時間を費やして、登場人物それぞれにしっかり感情移入させた上でラストシーンなわけです。
今回のドラマ、第一話は40分なんです。40分という尺では思い入れができる前に話が進んでしまって、一話ラストシーンの衝撃も感動も言葉の重みも半減以下になってしまっています。
その上、時系列をいじっているので、白紙で見た場合なんのことだか非常にわかりづらくなっていて「推しの子」の意味を知る驚きも割愛されてしまっています。
しかもこの短い尺の中に、あまり効果的とも思えない登場人物たちのインタビューシーンなんかも入れたもんだから余計に薄味になっています。
アニメを見た人なら脳内補完でいろいろ補って見られるでしょうが、ドラマのみを視聴するとなると、分かりにくくまた唐突に過ぎる気がします。「ラストシーンのストーカーはあいつだ。」と言ったところで、そのあいつが何をしたかも描写されていないのでは、見ている方にはそいつがどれだけ危険な奴なのかが実感できないんです。
40分という短い尺にしたことは「大失敗」だと思います。
長尺では見てもらえない、といった事情があるのでしょうが、短い時間でラストシーンにたどり着くためには、時系列をいじらざるを得なかったのでしょう。そのせいで難解でしかも極薄味になってしまっています。
本当にもったいない。驚愕と衝撃の第一話を再現するためには、腹をくくって1時間半で勝負するべきでした。あれではアニメ第一話のダイジェストというか切り抜き動画みたいなものです。
「推しの子」に初めて触れる、という人には断然アニメ版を見ることをお勧めします。アニメの第一話を見てその後実写ドラマを見るのがよいのではないでしょうか。
と散々な感想を述べましたが、アニメと切り離して見れば、ドラマとしてのクオリティがとんでもなく低いというわけではないので2話以降持ち直してくれることを期待して見ていきたいと思います。