これ面白いですね。
学園ものですがかなり異色です。教師が主人公の場合、従来のドラマでは多かれ少なかれ確固たる信念やポリシーがあり、生徒を思い、教育とは何か悩み、問題を解決する中で生徒や同僚教師との絆をはぐくむ、といった流れになるのかと思います。主人公のキャラクターは真面目だったり人情派だったり冷酷だったり色々ですが、ゆるぎない自分というものがあり情熱や計画を持っているのが当たり前でした。
ところがこの主人公は、ニート上がりで教育にも生徒にも思い入れがなく、もちろんやる気もなく、流されるまま状況の中で説教をせざるを得ない立場に追い込まれていきます。そこで語る言葉もネットで検索した借り物の言葉で、その場をうまくやり過ごすためのものでしかありません。
ところがその言葉が意外に芯を食っていたり、借り物の言葉の中に主人公の抑えきれないコアな部分が漏れだしていたりで本人も驚いたりします。説教自体はまともで痛快で、でもそれで教室の空気が一変するわけでも本人が覚醒するわけでもないところがリアリティーがあって面白いなあ、と感じました。
「やる気のないニート」という属性と「負けず嫌いで気が強い」という性格には齟齬というか大きな違和感があるのですが、そこは主人公の抱える過去が影響していそうで今後の展開に興味がわきます。ただ「学校改革委員会」はちょっとマンガっぽすぎて浮いているので心配ではあります。
なにはともあれ今後の展開に期待します。