今年も1年お疲れさまでした。
新年度から住まいを秋田県に移し,県内を中心にひたすら採集した1年でした。オサムシ・ゴミムシ中心に色々といい虫,そして知見を得られた気がします。
ということで,今年,秋田県で得た虫のなかで,
「嬉しかった/印象に残ったオサゴミTop10」
をランキング付けして紹介します。単純な希少度やレア度だけでなく,採集時の思い出や境遇も合わせたランクとします。




では10位から。 




裏10位 シモヤマミズギワゴミムシ Bembidion shimoyamai



 さっそくルール無視で「裏」10位。この虫はどうしても紹介したかったので,秋田県ではなくて青森県で採った虫だけど紹介。


 極めて美しいミズギワゴミムシ。別件で青森県に行った時に,なんとなく採れるかなーと探してみたら割と簡単に採れてしまった。生活史が謎だらけで面白い。来年は秋田で探す。




さて,ここからはちゃんとしたランキングです。




10位 オオヒラタミズギワゴミムシ Bembidion altaicum habui




 日本産のミズギワゴミムシの中では最大サイズになる種。むかし,ミズギワゴミムシに詳しくなかった頃からもこの虫の存在は知っていたので,この虫を野外で初めてしっかりと認識した時は感動したし,そもそも,大きすぎてミズギワゴミムシと気づけなかった。今年はオオアオグロヒラタゴミムシと共に県内のいくつもの地点から見つけることができた。




9位 シラカミヌレチゴミムシ Apenetretus 

  michinorii





 2021年に記載されたヌレチゴミムシ。今年はこの種と同属のハヤチネヌレチゴミムシ A. hayachinensisも採っていて,こちらをTop10に入れるか迷ったが,シラカミヌレチ探しのために何度か通った田代岳は個人的にかなり印象に残っているためこちらを選出。田代岳たのしかったな。

ちなみに,採りにくさはハヤチネヌレチの方が上。




8位 Pterostichus chokaisanus 



 鳥海山で得られた個体を基に記載されたオオズナガゴミムシ。鳥海山地域であれば,割と広範囲に生息しているよう。1個体しか採れなかったので追加を得たい。




7位 チョウカイミヤママルクビゴミムシ Nippononebria horioi 




 今年の鳥海山登山での大きな収穫の一つ。この虫やチョウカイヒメクロオサムシに出会えるのが楽しくて今年は何度も鳥海山へ足を運んだ。おそらく来年もだろうな。

秋田に産するマルクビゴミムシの中で,まだ県内で採れていない種は残すところミヤママルクビゴミムシだけとなった。来年はこちらも狙いたい。




6位 カワラゴミムシ Omophron aequalis



 秋田県産のこの虫が欲しくて海岸に通い,一晩海岸の砂地を探し歩き,同地でライトトラップも行い,それでも採れず。もう秋田から姿を消したのか...と思っていた矢先,別所の湿地で行ったライトトラップに飛来。まだ生き残っていてくれた。しかし,秋田からいずれ姿を消してしまう危機に瀕しているのは確か。県内で安定した産地を見つけ出したい。




5位 オオアオグロヒラタゴミムシ Papanchodemus calleides





 今年の4月に初めて採って以降,さまざまな場所でこの虫に出会うことができた。活動時期や発生消長,どこで越冬しているかなど,一年を通してこの虫の生活史に関しての解像度も上がった。秋田ではドが付くような普通種だが,春から冬まで追いかけていた虫ということもあり,5位。普通種とは素晴らしいのである。




4位 アダタラアルマンオサムシ Carabus 

  harmandi adatarasanus



 秋田にはアルマンオサムシが2種分布している。そのうち,鳥海山地域など,県南に分布域を持つのがこのアダタラアルマン。秋田にきたら必ず獲ると決めていた種だったが,ポイントが車で約2時間かかる,他のオサムシにトラップ内で食われたりボロボロにされる,時期を掴み損ねて気づいたらシーズン終盤,と,採集にはかなり苦労を強いられた。そのぶん,コップにこの虫が落ちていた時の喜びはひとしおだった。




3位 チョウカイヒメクロオサムシ Carabus opaculus shirahatai




 鳥海山の良〜〜いオサムシ。北海道に産するヒメクロの各亜種とは違って,前胸の発色がエメラルドグリーン〜紫色と幅広く変異があり,そして綺麗。アダタラアルマンと同じく,秋田にきたら絶対獲ると決めていたので,石めくりで1個体目を見つけた時は本当に嬉しかった。いや〜,ほんと〜に良いオサムシ。




2位 クマガイクロアオゴミムシ Chlaenius       quadrisulcatus 



 

 事実上のNo.1。

今まで自分が採集してきた虫の中で,最も希少度が高いのはこの虫だろうな。こんなのを,秋田にきてから1ヶ月目にとってしまったせいで,その後,いかに良い虫を採ったとしても,なぜかその虫が霞んで見えるという状態が続いていた。

う〜〜ん,秋田でこれを超えるインパクトのあるオサゴミ,来年はとれるだろうか。とりあえず,秋田県でまだ生き残っていてくださり、ありがとうございました。来年も見たいなー。




1位 マークオサムシ Carabus maacki aquatilis 










 No.1は,文句なしでこの虫でしょう。

秋田に住まいを移すより前の,2022年からずっと秋田産のこの虫を探していた。そして今年,遂に見つけ出した。3年もかかったなーと思う一方で,もはや一生採れないんじゃないかとも考えていたので,1匹目を掘り出した時は,嬉しさを通り越してもはや虚しささえ感じた。この虫が採れただけで,もう今年は良い年確定なのであります。秋田マーク,居てくれてありがとう!!




ということで,秋田1年目,たいへん充実していたかと思います。いい虫を沢山見られた一方で,来年解決しなければならない課題ももけっこう見つかりました。来年も秋田で虫と知見を追いかけます。クマにはくれぐれも気をつけながら。



それではみなさま,良いお年を。