名品を彩るアンティーク・テキスタイル
五島美術館に行ってきた。久々である。前回訪れたのは、2024年11月「古裂賞玩 ―舶来染織がつむぐ物語」展だった。そして、今回もいわゆる「布」に関する展覧会、「名品を彩るアンティーク・テキスタイル」展。美術館webサイトによると「更紗作品の受贈を記念し、名物裂と更紗の手鑑を一堂に揃え、古筆や茶道具の名品とともに表具裂や仕覆、袱紗、包み裂、袋物などを展示」とのことだ。書画なども多く展示されており、どれも見事な表装。その表装に使われている裂の名称も解説パネルに書かれており、大変勉強になった。***メモ***重要文化財「駿牛図断簡」 紙本墨画淡彩/一幅 鎌倉時代・13世紀 黒い牛が一頭描かれており、大変惹かれる。元々は10頭の牛と1人の牛飼を描いた巻物であったが、現在は断簡となって様々な美術館などが所蔵しているそうだ。「古渡更紗手鑑」 渋谷玉恵コレクション(2025年度新収蔵作品) 17世紀頃に渡来した、古渡のインド更紗を厳選して貼付した鑑賞用手鑑の優品と解説パネルに書かれていた。正しくその通り!! 人物、花、幾何模様、動物、うちわのように見える(うちわのはずがない、いったい何なんだろう)文様…素晴らしい手鑑である。 貼付されている裂の形は様々。 仕覆を丁寧に解いたような形をしているもの、小さく細い形、切り取った後の残りのような形…貴重な裂を無駄にしないよう大切に大切に記録したものだろう。うっとり鑑賞。「西欧更紗手鑑」 渋谷玉恵コレクション 19世紀~20世紀にかけてインド更紗の影響を受けてヨーロッパで作成された更紗を「ヨーロッパ更紗」といい、産業革命前後のコットンプリントだそうだ。 この手鑑には、オランダのアムステルダム、イギリス、フランスで作られたものが貼付されており、それらは近代日本に輸出されたものだそう。 ヨーロッパ製ということで、何だかロマンチックな花模様が多く、うっとりである。「四季詠画帖・古渡更紗貼」 絹本着色、紙本着色(江戸時代・19世紀) 更紗(インド・17~19世紀) 個人蔵 1帖縦8.5㎝、横6.5㎝の小さな画帖。 四季の花、果実、風景、水墨画風の山水、布袋、動物などが2帖のうち1帖は絹本に描かいた絵を台紙に貼り付けてあり、もう1帖は直接描いている。その裏側に古渡の更紗を貼付している。 小さいこともあり、描かれているものも可愛く、貼られている古渡更紗も可愛らしい柄で、大変魅力的な画帖である。 どんな人が、どんな部屋でこれを眺めて、うっとりと良い気分になっていたのか考えると、こちらまで良い気分になるのだ。こういうの欲しいなあ~と恐れ多くも思った。 このほか、古渡更紗の裂片も展示されており、東京ステーションギャラリーで昨年2025年10月に催された「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」展で展示されていたものと同じ(多分)と思われる「白地チューリップ虫文様更紗裂」も展示されており、やっぱり素敵だった…。**********************五島美術館といえば庭園。雨は上がったものの何となく湿っぽさが残っており、やや風が強かったが少し散策。濃い桃色の花をつけた木は、「はなずおう」まめ科、とのこと。「こぶし亭」という休憩所。あれ、こんな素敵なところ、あったけ。お天気がよければここで休憩すると良いかも。花をつけているものもあるが、全体的には見頃は来週だろうか。***メモ***桜もち 「叶匠壽庵」週末に味わった「叶匠壽庵」の桜もち。もしかすると、今年、最初で最後の桜餅かも…。