君に伝えたくて、これを書いている。
何かクリエイティブな気分になったから書くわけじゃないんだ。
いわばメモ代わりだと思ってくれたほうが、これから告白めいたことを書くわけなので、気持ちが楽でいい。
だから、まあ、気楽に読んでくれ。
さっき、自転車をこいで自宅に帰る夜道、バーで飲んだビールと、職場で食べたチョコレートがゲップでまじりあいながらのど元にこみ上げた。
ああ、いやな感覚だ、ととっさに思った。
だって、そうだろう?胃の中でまじりあった異種のものが、口の中の味として再現されるんだぜ?いいわけない。
でも、チョコレートとビールって、まじりあうとオロナミンCドリンクの味になるんだな。
それはたぶん、胃液の味が隠し味になって、チョコ+ビールがオロナミンCドリンクの味わいみたいになったんだ。
経験は経験でしかない。真価は、ことが起こったそのあとで、初めて評価されるものなんだ、って気付いたわけ。
だから、今までの思い出の中で、これは最悪だ!みたいなものを思い出してみた。
君との顛末も。
思い出してみたけど、これは最悪!と思えるほどの最悪でもないし、どれもこれも、過ぎてしまえばいい思い出だ。
そんなことを、ゲップがもとで思ったのだから、さっきのゲップは一種の奇跡なんだろう。
たとえ話が汚くてごめんね。
君とのことがひどいものだったから、いままでずっと思い出さないようにしていたけど、たぶん、怖かったんだ。
でも、もうそろそろ思い出してもいいころ合いかな、と、さっきのビールの件で思ったんだ。
何が悪いとか、どっちが悪いとか、そんなことばっかり考えていたけど、もうどうでもいい。君と過ごした時間は、素晴らしかったよ。ありがとう。