【4年ぶりの港町球場 ~桃色行脚'23~】 | 監督のささやき戦術

 コロナ禍で負ったダメージを少しでも取り戻すべく、今季も月曜休場のプロ野球シフトでの営業を行っている当スタジアム。

 そのため開幕から全然球場に足を運べていない日々が続いていたのだが、ありがたい月曜開催カードのおかげでようやく開幕後初の野球場観戦を楽しむことが叶った、4月24日(月)の休場日の話をさせていただく。

 

 

 月曜定休民にありがたいカードが組まれていたのは、神奈川県のこの球場。

 横浜DeNA二軍本拠地、横須賀スタジアムである。

 

 コロナ禍中の3年間、まるっきり足が遠のいていたため、この球場を訪れるのは2019年夏以来ほぼ4年ぶり。

 考えてみたら京急線に乗ったのもその時以来で……

 久々に降り立った追浜駅が小ぎれいになって、大々的にベイスターズ推しに改装されていたのに驚く。

 

 球場で野球観戦ができれば正直カードは何でもよかったのだが、この日の対戦相手はありがたいことに我がご贔屓楽天二軍泉イーグルス。

 今季初めてお目にかかる昨季のファーム日本一指揮官三木監督と、ここ数年ベイスターズ二軍戦観戦の機会がなかったため、就任3年目にしてお初にお目にかかった仁志監督。

 

 試合開始の1時間くらい前にはもう飛び出していた、待望の「屋外球場ビール」の今季第1号

 いつどこで飲んでもビールは美味いが、休みの日に真っ昼間から屋外球場で飲むビールは、なにか危険なクスリでも入っているのではと疑いたくなるくらい格別に美味い。

 

 13時プレイボールのスタメンはこちら。

 

 横須賀ベイスターズの先発は、髙田琢登投手

 高卒3年目、まだ20歳の若き左腕。

 

 我らが泉イーグルスの先発は、こちら大卒の入団3年目、内間拓馬投手

 過去2年は一軍でも二軍でも中継ぎで登板していたが、今季は先発転向なのか、この試合が開幕後三度目の先発マウンド。

 

 我らが泉イーグルスのスタメンの中で、お初にお目にかかった選手はこのふたり。

 昨年の育成ドラフト1位で西南学院大学から入団したルーキー内野手、辰見鴻之介選手

 支配下登録を果たした暁には、ぜひとも一軍で「辰見&辰己」のセンターラインが見たいものである。

 

 そしてもう一人は移籍組のこの選手。

 第1回現役ドラフトで広島から仙台へやって来た、大卒5年目27歳の正隨優弥選手

 その珍しい姓は聞き及んでいたが、主戦場がウエスタンリーグだったこともあって一度もお目にかかる機会がなく、この日が初めましてであった。

 ちなみにこの試合の先発内間投手とは、亜細亜大学の先輩後輩という関係。

 

 移籍選手だが初めましてではなかったのは彼。

 昨季はジャイアンツでイースタンリーグ打点王のタイトルを獲ったものの自由契約となり、育成契約でイーグルスにやって来た来日4年目23歳のドミニカン、エスタミー・ウレーニャ選手

 ジャイアンツ球場でちょくちょく見ていたので、お久しぶりとなる彼。

 かつてジャイアンツでも育成から支配下契約を勝ち取ったポテンシャルを、ぜひとも仙台の地でも見せてほしいものだ。

 

 同じく今季からクリムゾンレッドのユニフォームに袖を通した移籍組の彼にお目にかかるのは、春のオープン戦以来二度目。

 涌井投手とのトレードでドラゴンズからやって来た阿部寿樹選手は、開幕からの10試合で打率1割少々と調子が上がらず目下ファーム調整中。

 この試合に出場した全選手の中で最年長の33歳。ヒゲも伸びて「マスター」感も復活してきたが、勝負強い打撃の方の1日も早い復活も期待したい。

 

 移籍選手の話が続いたが、それもそのはず。我らが泉イーグルスのスタメンの中軸は、2番ウレーニャ選手、3番正隨選手、4番横尾選手、5番和田恋選手、6番阿部選手と、移籍組が5人連続で並ぶという、ちょっと見たことないオーダーだったのだ。

 さらに珍しいことに、スタメン野手9人全員右打ち、という今時草野球でも見ないようなラインナップ。三塁側スタンドで観戦していたので、打席ではひたすら背中ばかりを見つめることになった。

 

 決して生え抜き至上主義、外様は認めない、などという思想の持ち主ではなく、我がご贔屓イーグルスのユニフォームを着ている選手は皆等しく応援しているのだが、ある程度即戦力としての活躍を見込んで獲得しているはずの、中堅以上の移籍選手がファームにずらりと並んでいる光景は、編成面での計算違いが色濃く表れているようで、一ファンとして少々不安にはなる……。

 

 

 正隨選手が3安打1打点、和田恋選手が2安打1打点と、20代後半の移籍選手の活躍が光った中、この試合唯一のオーバーフェンスを放ったのは、生え抜き24歳の彼だった。

 高卒7年目のキャッチャー、石原彪選手

 捕手陣の争いもなかなか熾烈だが、2020年に涌井投手の最多勝をサポートする活躍を見せた輝きをまた上で見せてほしい。

 

 スタメン全員が生え抜きの24歳以下という、これぞファームという顔ぶれが並んだこの日の横須賀ベイスターズ。

 その中で目を引いたのは、試合終盤に代打で登場した18歳のルーキー。

 球団史上34年ぶり二人目、あの谷繫さん以来となる「ドラフト1位捕手」で話題となった、大阪桐蔭出身の松尾汐恩選手

 贔屓チームの選手ではなくとも、球界に新たにやって来た期待値しかないプロスペクトの姿を見ると、いつもワクワクさせられる。

 

 まったくの余談だが、松尾選手を含む今季のベイスターズのルーキーたちと言えば……

 昨年のベイスターズのファン感に参加し、一度も試合で着用していないレアな「旧ユニ」姿を生で拝んでいるという薄い薄いご縁から、なんとなく勝手に親しみを持っている。

 

 

 試合は横須賀ベイスターズが先手を取ったものの、中盤以降に泉犬鷲打線が奮起してひっくり返し……

 今季二軍のクローザーを務める育成5年目の清宮虎多朗投手が最後を締めて、我らが泉イーグルス勝利。

 勝敗がどうこうというものではないファームとは言えど、やはり贔屓チームが目の前で勝利するのは単純に嬉しいものだ。

 

 試合中ずっと曇天で、後半からは風も出てきて少々冷える、決して良好とは言い難い観戦環境ではあったが、こじんまりとした球場ひたむきに汗を流す未来のスター候補たちを、ビール片手にのんびりと眺める平日真昼間の二軍戦は、やはり最高に楽しいものであった。

 前述したとおり、商売優先で観戦機会の著しく少ない月曜定休暮らしをしばらく続ける予定だが、そんな中でもチャンスを逃さずこうしてせっせと球場に足を運んでゆきたいと思う。

 

 

 さまざまなカテゴリの野球が球場で楽しめる今の時期。行ける試合は現地観戦でその後の打ち上げ、行けない試合のTV観戦と、皆様の野球ライフに合わせた形での当スタジアムへのご来場を、引き続き心よりお待ちしております。