新型コロナ禍によって休止、停滞を余儀なくされていたさまざまな事柄が、次々と復活を遂げているアフターコロナの今年。
そんな機運に誘われて、コロナ禍以前の2019年以来となる観戦スタイルで球場に足を運んだ昨日の話をさせていただく。
電車で2駅、だけど乗り換え1回という毎度微妙にめんどくさいいつものルートでやって来たのはこの球場。
2駅隣というご近所さゆえ、コロナ禍以前は多い年には年間30試合近く足を運んでいて、当スタジアムの準本拠地のような存在だった東京ドーム。
だがコロナ禍以降はめっきり激減してしまい、今季もこれがオープン戦以来2か月ぶり。
東京ドーム自体は2か月ぶりだが、この日の来場スタイルはコロナ禍以前の2019年以来、実に4年ぶり。
かつてやたらとこの球場に来まくっていた理由でもあるその来場スタイルとは、球場配布物回収目的観戦(そんな言葉があるのかは知らんが)である。
本気を出せばドアtoドアの往復で30分を切る地の利を生かし、配布ユニフォームやTシャツなどはもちろん…
クマノミやパンダのかぶり物に……
果てはアフロのヅラなどという「ほんとにそれ欲しいのか……?」と訝しまれるような品にいたるまで、ジャイアンツに限らず東京ドームで何か配布試合があるたびに、当スタジアムのコレクション拡充のためにせっせと回収に出向いていた、平和だったあの頃。
さまざまな制約があったコロナ禍中の3年間は自粛していたそんな球場配布物回収目的観戦を、脱コロナをほぼ果たした今季、4年ぶりに敢行してみたこの日。
ちなみに目的のブツはというと、この日が今季初の配布試合だった……
ジャイアンツの2023シーズンの『橙魂ユニ』である。
コロナ禍が生んだ分断、そしてそれに伴う球界の大変革によって、実はハードルが上がってしまった球場配布物回収目的観戦。
というのも、かつてその際に愛用していた「立見」が、コロナ禍中の全席指定化の流れの中で消滅。コロナ禍がなくてもいずれそういう方向だったのかもしれないが、立見エリアの廃止に伴い、ジャイアンツ戦の配布試合の際に球場に入れる最低価格が、1300円から2500円へと一気に上がってしまったのだ。
もちろんその分ひとりひとつ必ず席は用意されるのだが、すぐに仕事にとんぼ返りのモノだけもらう民としては、ぜんぜん嬉しくない。
コストが上がってしまったため、今後は配布物を厳選して訪れねばならず、多分もう二度とクマノミやパンダに釣られてやって来ることはないだろう……。
せっかくの非立見チケットなので、とりあえず一旦マイシートのD指定に座ってみる。
まだ時間が早かったせいでスタンドは埋まりきっていないが、それでもユニ配布試合特有の1色に染まった鮮やかな場内風景、ビジターチームとのコントラストはすでに生まれていた。
試合開始前のスタンドからフィールドをしばしぼんやり眺めていると、普段ここにいないハムスターが目に入った。
それによって、この日がベイスターズのビジター応援デーだったことを知り……
慌てて(帰り際に)来場登録を済ます。
そしてもらった今永投手のポストカード。
12球団ファンクラブ会員として、かつてはその手の情報をかなりこまめにチェックしていたのだが、それがコロナ禍ですっかりなまってしまっていることを痛感。そして反省。
(無自覚だろうが)教えてくれてありがとうDBスターマン。
入場した時点で目的は達成しているのだが、せっかくなので試合もちょっとだけ見てゆく。
というか、モノだけもらって試合は一切見ない、では球場配布物回収目的観戦の「観戦」の部分が嘘になるし、チケット買って試合まったく見ないというのはもったいないので、必ずわずかでも試合を見ることをマイルールにしているのだ。はたから見れば大差はなかろうが……。
で、この試合におけるちょっとというのは……
ジャイアンツ先発の赤星投手から……
ベイスターズのトップバッター、佐野選手がツーベースを放った最初のワンプレイのみ。時間にして2分ほどの、本当にちょっとだ。
店に戻らねばならない時間から逆算して、長くてもせいぜい1回表裏、短いとこんな感じで最初の打者だけ、というスーパー時限観戦をかなり頻繁にやっていた4年前以前の感覚を、久々に思い出す。
そして慌ただしく球場を出て、これからドームに向かおうという人波を逆走して駅へと向かう(そしてだいたいそういうところで当スタジアムのお客様にお声がけされる)時にもまた、4年ぶりの懐かしい感覚にちょっとぞくぞくする。
そんなわけで、実に4年ぶりにモノをもらうことを主目的に、超時限観戦で東京ドームに足を運んだ昨日夕刻。
かつては特に何も考えず、多い時で週に3回とかやっていたことだが、4年もの時を経て、そしてその間にあった激動の数々を思うに、そんなことがまたできるようになった平和のありがたみを改めて実感。
上がってしまったコスト面のハードルと懐具合の折り合いをつけられる範囲で、これから徐々に球場配布物回収目的観戦を復活させてゆきたいと思う。
モノ貰えるのは嬉しいが、すっかりかつての喧騒が戻った平日ナイトゲームの野球場の空気が味わえたのも嬉しいことだった。
それに引き換えまだまだ客足が戻りきらない(特に平日が顕著)当スタジアムではあるが、コロナ禍以前の活況を1日も早く取り戻すべく、できることをコツコツやってゆくのみ。引き続き皆様のご来場を心よりお待ちしております。