【ファン感放浪記① 幕張編 ~桃色行脚'22~】 | 監督のささやき戦術

 11月のこの時期のプロ野球界の恒例行事といえば、各球団が趣向を凝らして開催するファン感謝イベント、通称「ファン感」

 直近2年は新型コロナ禍の影響で中止や規模の大幅な縮小を余儀なくされてきたが、「Withコロナ」が定着した今季は、各球団ともほぼほぼ制約制限なしでの開催が発表された。

 3年ぶりに現地で参加できる喜びを大いに実感すべく、今季は久々に行ける範囲の「ファン感」に片っ端から参戦することを決意

 その「ファン感」巡り第1弾、11月20日(日)の休場日の話をさせていただく。

 

 

 幕張メッセで『ももクロ』のライブがあったため、車内がやたらカラフルだった京葉線。きっと桃色野郎もあーりん推しのモノノフの亜種だと思われただろうが、向かった先はメッセではなくもちろん野球場。

 女子ソフトボール『ニトリJDリーグ』観戦から中6日、2週連続で足を運ぶこととなったZOZOマリンスタジアム。

 もちろんお目当てはマリーンズの「ファン感」、正式名称は『MARINES FAN FEST 2022』である。

 

 マリーンズの「ファン感」に参加するのは、2018年以来4年ぶり三度目

 その4年前は入場無料だったが、今回はコロナ禍のお約束で有料化&全席指定化チケット価格は席種に関係なく500円で、開催6日前の時点で完売となっていた。

 ボックス系の席種の販売が一切なかったので、おとなしくフロア4(スタンド上段)の端の方の一番上のチケットをゲット(結果的にこの席選びが大正解となる)。

 

 

 開始前にしめやかに行われた、先日不幸な事故で天国へと旅立ってしまった村田兆治さんへの黙祷

 もう一度この球場で始球式を見たかった……。

 

 12時半過ぎにスタートした『MARINES FAN FEST 2022』。

 吉井理人新監督が開会宣言の壇上に現れ、ファンから大きな声援を浴びる。

 

 入場時に貰った、選手との交流イベント参加権が当たるスクラッチカードは当たり前のようにハズレだったため、能動的に参加するものは何もなく……

 選手たちが『Nintendo Switch』で勝負する様子や……

 直訳ロックを歌ってそうな風体の荻野選手や……

 若き完全試合バッテリーのギネス新記録認定式など、フィールド上で行われる各種の催しを、ひたすら自席から遠巻きに見守るのみの参加に。

 

 残念ながら「絶好のファン感日和!」とはならず、それどころか午後の遅い時間から雨が落ち始めたこの日の千葉市美浜区

 日が落ちる頃には雨粒を目視できるほどに強まった雨足。当日の降雨など予想もしていなかったが、フロア4の屋根の下の席を取っておいて本当に助かった。

 

 その雨の影響で、予定されていた女子ソフトボール『ニトリJDリーグ』覇者のビックカメラ高崎とのソフトボール1イニング対決が中止に……。前週に続いてソフトボールが見られると楽しみにしていたので残念だったが、それ以外のフィールドイベントはどうにか行われた。

 

 終盤の目玉イベントのひとつ、『ホームランダービー』に出場した佐々木千隼投手

 金属バットとはいえ、見事2本の柵越え。それを見ていて唐突に思い出した……。

 2016年11月の神宮大会で、当時桜美林大4年だった佐々木千隼投手の公式戦初アーチを目撃したことを……

 5球団競合の末にマリーンズ1位指名が決まっていたこの時。とんでもない選手がパリーグに来るな……と思ったのをよく覚えている。

 

 プログラムの締めくくりは『野球対決』。字面だけだと野球選手が野球やるなんてなんのひねるもないなと思われるが、もちろんただ普通に野球するはずもなく……

 みなが本職じゃないポジションで出場(捕手以外)。なので……

 シーズン中はまず打席に立つことはない益田投手のタイムリーヒットや……

 躍動感あふれるフォームから繰り出された、加藤匠馬選手の最速146キロのストレートなど、プロ野球選手のフィジカルモンスターっぷりがよくわかる、普段見られぬプレイが目白押し。 

 

 ゲーム性を高めるために導入されていた特殊ルールの発動時には……

 前代未聞の「内野6人シフト」や「外野5人シフト」の珍妙なシーンも出現するなど、エンタメとしてとても面白かった3イニング勝負は……

 佐々木朗希投手が最後の打者となってゲームセット。

 選手を『TEAM WHITE』『TEAM BLACK』に分け、白黒対抗戦形式で行われた『MARINES FAN FEST 2022』は、この『野球対決』も制した安田選手率いる『TEAM BLACK』がわりと大差で勝利

 スタンドも一塁側は白、三塁側が黒の応援席という設定となっていて、勝利チーム応援席の観客にはロッテのお菓子詰め合わせプレゼントの特典付き。白とか黒とか特になにも考えず、ただ座り慣れているからという理由で三塁側のチケットを取っていた結果、そのお菓子の恩恵にあずかることができ、すごく得した気分になった。

 

 

 閉会セレモニーの中で行われた、今季限りでユニフォームを脱ぐ松永投手、田中投手の引退セレモニーをしみじみと見守り……

 フィナーレを彩った、球場で見る今年最後(たぶん)の花火も満喫し……

 4年ぶりに参加した『MARINES FAN FEST 2022』を最後まで楽しんだ。

 当初アナウンスされていた終了予定時刻は18時だったが、実際に花火が打ちあがったのは19時近く。ひとつプログラムが中止になったにもかかわらず1時間近く押したことになる。ソフトボール対決も行われていたら、いったい何時までかかったのだろうか……?

 

 およそ7時間の長丁場は、後半ずっと雨が降りしきり、ぐんぐん気温も下がる生憎すぎるコンディションではあったが、久々に現地で見る「ファン感」に、コロナ前のかつての野球的日常の戻りを実感でき、楽しい時間を過ごすことができた。お菓子ももらえたし。

 この日を含め、今季は3回足を運んだZOZOマリンだが、うち2回はソフトボール観戦で、実はプロ野球は1試合も見ていない……。

 来季こそはこの球場で久々にプロ野球の熱戦を楽しみたいと願いながら、マリーンズファンとモノノフでごった返す京葉線で帰宅。

 

 

 うまいこと日程がずれて開催されることとなったために実現した、今年の関東近郊「ファン感」巡り。その第2弾はまた次回に。

 

 通いなれた球場に足を運ぶのは「ファン感」が年内最後、という方も多かろうと思うが、当スタジアムは年中オンシーズンでいつでも行き放題。

 2022年の野球納めに、皆様の当スタジアムへのご来場を引き続き心よりお待ちしております。