【ファン感放浪記② 所沢編 ~桃色行脚'22~】 | 監督のささやき戦術

 新型コロナ禍で長いことご無沙汰していた分を取り戻すかのごとく、あちこちの「ファン感」に片っ端から首を突っ込んで回ろうと思い立った今季。

 11月20日のZOZOマリンに続く2か所目、23日(水・祝)の話をさせていただく。

 

 

 前回は海へ、今回は山へ。やって来たのはこの球場。

 狭山の丘のベルーナドームである。

 言うまでもなくやっていたのはライオンズの「ファン感」、正式名称は『LIONS THANKS FESTA2022』

 

 ライオンズの「ファン感」に参加するのは、球場が大改修工事中で使えず、すぐそばの西武園ゆうえんちで開催された2019年以来で、通算4回目。

 前回この球場で参加した2017年当時は事前申込不要&入場無料だったが、そんなお気軽さは新型コロナ禍が奪い去り、ここも全席指定のチケット制に

 

 

 不思議と雨が多い今年の秋以降の祝日。年内最後の祝日くらいスカッと晴れてほしいという願いも虚しく、この日の天気予報は早い段階から雨マーク。そして当日……

 朝からもうしっかり雨、終日雨……。ZOZOマリンに続き2連続で「雨中ファン感」の憂き目を見ることに……。

 「マリンと違って屋根あるから大丈夫でしょ!」なんて当たり前の道理がこの球場には通用しないことは、皆様もよくご存知であろう。そう、雨は防げても寒さはどうしようもない非密閉ドーム。なめてたら遭難しかねないと、冬山登山のつもりで防寒装備を整えて参戦した。

 

 

 その恐ろしい寒さのせいで、フィールドは一面銀世界であった

 間違って狭山スキー場に入場してしまったかと一瞬動揺したが、よくよく見ると人工芝保護のための養生シート的なものがフィールド全面に敷き詰められているだけだった

 見慣れぬ一面真っ白のフィールドは、とにかく照り返しがまぶしかった。

 

 

 今年のテーマは『獅立ライオンズ学園』で、学校の授業に見立てたイベントが用意されていた。

 国語や英語、数学などの授業がないあたりに、この学園の特色がよく現れている。

 

 選手たちが5チームに分かれてポイントを競い合う、クラス対抗戦形式。

 先日のマリーンズ「ファン感」と違って、どこが勝とうが自分がお菓子が貰えるわけでもないので、途中経過などは一切興味なし。

 

 フィールド内は、内野側で選手たちによるステージイベント。

 外野は写真撮影会などのファン交流イベントの場という区分けになっていて、その参加権利を有していないとフィールドに立ち入ることができない。

 

 自分は持たざる者だったので……

 やたらクオリティの高いジャイアンや……

 円満退任だからこそできる辻前監督のレジェンドトークや……

 ファンと球団への感謝を力強く語ったFA退団の森友哉選手のスピーチや……

 来季リニューアルされる新ホームユニのお披露目や……

 クロージングセレモニーの中で行われた、十亀投手、武隈投手、熊代選手、佐野投手、戸川選手の引退セレモニーまで、ひたすらスタンドから遠巻きに見守り続ける。

 

 実はこの日、同日開催だったジャイアンツの「ファン感」にも参加を目論んでおり、その場合は途中でベルーナドームを抜けて東京ドームへ向かう予定だったのだが、チケット抽選に敗れ去りあえなく予定消滅……。

 そのおかげ(?)でライオンズ「ファン感」は最初から最後までぶっ通しで見ることができたが、「ベルーナドームで冷えた身体を東京ドームで温めよう」という作戦は失敗に終わる。

 

 

 ベルーナドームに足を運んだのはこれが今季三度目だが、最初はオープン戦(観客4257名)二度目はイースタンリーグ(観客1643名)だったので、これだけ多くの観客がいるこの球場を見たのは今季初、というかコロナ後初

 スカスカの球場にすっかり慣れてしまったため、久々に見る飲食売店の大行列やコンコースの人の多さに若干怯んだが、それはすなわちコロナ禍の非日常からかつての日常に戻りつつある証なわけで、そう思うとうれしくなってくる光景ではないか(結局なににも並ばなかったが……)。

 来季は「球場は混んでて当たり前」の感覚が完全に戻ることを願いながら、すっかり冷え切った身体で帰途についたのだった。

 

 

 前述の通り、2015年以来となる在京5球団「ファン感」制覇はジャイアンツのチケットが手に入らず失敗に終わり、一都三県「ファン感」巡りとなった今季。3か所目の話はまた次回に。

 

 久々に短い間隔であちこち巡ることができて、野球場へ行ける幸せを噛みしめる今日この頃。

 来季はコロナ禍で停滞した分を取り戻すかの如く精力的にあちこちうろつきたいと目論む当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。