Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 ! -31ページ目

Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。


北九州市と福岡市。同じ福岡県だが、その音楽は違いがあり、一緒にされたくないというものもいる。いまはそんな拘りは少なくなったかもしれないが、しかし、そんな拘りを持って、北九州のロックの歴史をまとめた書籍が完成した。かつて“おい街”の愛称で親しまれ、1975年に創刊されて、発行部数5万を数えた北九州市のタウン誌「おいらの街」、同誌は休刊になったが、2019年にWeb版で復活している。40年に渡り北九州と共に歩んできた情報誌「おいらの街」の別冊として『北九州音楽全史 〜KITAKYUSHU ROCK CHRONICLE 1960-2023〜』 (N9S MUSIC PROJECT)が本日、3月31日(金)に発売された。

昨2022年9月からクラウドファンディングを開始し、北九州を愛する人達の協力で目標額に達成、無事に完成することができた。福岡発のビートミュージック(“めんたいロック”!?)を愛するものは、その完成を待ち焦がれていた。まさに待望の一冊だろう。

クラウドファンディングの挨拶文には、「今まで“めんたいロック”に特化した書籍など福岡のバンドシーンを一色単にした本の発売はあったものの【北九州の音楽シーン】にクローズアップした書籍は過去に例がありません。(中略)今回このプロジェクトでは、我々の故郷・北九州のバンドシーンの歴史に特化した初となる音楽書籍『別冊おいらの街 “北九州音楽全史 KITAKYUSHU ROCK CHRONICLE 1960-2023”(以下、北九州音楽全史)』を北九州市制60周年となる2023年に自費出版し、一人でも多くの方に書籍を読んで欲しい、広めて欲しい、そして北九州の名産品と共に楽しんでもらいたいという想いから先行予約を兼ねて皆様からご支援を頂きたいと思っております。」とある。

その“宣言”に偽りなく、まず、200ページを超す、分厚さに驚くが、北九州の音楽シーンの現在、過去、未来をまるごと詰め込んでいる。大江慎也を始め、花田裕之、池畑潤二、井上富雄など、THE ROOSTERSのオリジナル4を始め、安藤広一、広石武彦、冷牟田竜之、木原龍太郎、倉掛“HIDE”英彰、福嶋伊玖磨、中尾憲太郎……など、重要人物がインタビューに登場。イベンターやライブハウス、レーベル、放送局など、北九州のロッカー達を支える音楽関係者たちの言葉も誌面に溢れているのだ。

さらに北九州ならではの「おいらの街」の貴重な過去記事や希少価値のある写真やポスター、チケットなども掲載されている。『福岡BEAT革命』でもお世話になっている写真家、Chiyori様の新旧の写真も誌面を飾っている。
大事なことは過去を懐古するだけでなく、現在、地元で活動する人達、これからが期待される未来あるバンドなどもちゃんと紹介されている。北九州の音楽を愛するものは必読だろう。175RのSHOGOを始め、同書の制作の音頭を取った『N9S MUSIC PROJECT』に改めてリスペクト。お疲れ様でした。偉業である。皆様、ご吹聴いただき、より多くの方に読んでいただければと思う。拡散して欲しい。皆様、よろしくお願いします。

福岡に行ったら北九州へ足を延ばして欲しい。同書に掲載された地元のライブハウスや飲食店、居酒屋、会社などの広告を見ながら、お店めぐりをするのも楽しそうだ。お勧めである。

 

なお、4月2日(日)には小倉「FUSE」で175R、GUNN & THE APES、冷牟田竜之(DJ)などが出演するライブがある。詳細は以下の「N9S MUSIC PROJECT」のHPを参照ください。

 

 

◀クラウドファンディングのリターンで送られてた来たTシャツとピック!

 

 

(3) 🎙N9S MUSIC PROJECT🎸(@N9SMUSICPROJECT)さん / Twitter

 

 

 

 

 

https://www.chuya-online.com/products/202849/

 

店頭販売は、ボーダーラインレコーズ、田口商店、六本松蔦屋書店、16 sixteen records行橋、タワーレコード(渋谷店、新宿店、なんばパークス店、梅田NU茶屋町店、福岡パルコ店、アミュプラザ博多店、久留米店、若松店)で行っているとのこと。

 

 

 

昨2022年、1992年7月22日のリリースから30年を迎えた佐野元春の90年代の嚆矢となるアルバム『SWEET16』。同年11月に行われた『SWEET16』を完全再現する“名盤ライブ”に続き、昨日、2023年3月29日に同作の30周年を記念した6CD+BDという超弩級のボックスセット『SWEET16 30th Anniversary Edition(完全生産限定盤)』がリリースされた。既に各方面で話題になっていて、実際、もう入手したという方も多いらしい。是非、購入して、そのボリューム満点の質や量を確かめていただきたい作品だ。

 

同ボックスをリリースしたソニー・ミュージックのHPには“最新リマスタード盤やレア・ライブ音源、12インチ・クラブミックス、当時のコンサートを完全収録したライブ・アルバムなど、貴重なアーカイブが満載だ。中でも注目は、Blu-ray「See Far Miles Tour Part ll Live at Yokohama Arena 1993」。1993年、横浜アリーナで行われたツアーファイナル公演で、佐野元春 with The Heartlandの卓越したパフォーマンスがライブ映像として記録された。今回のリリースに際し、当時のフィルム映像をデジタル・リマスタリングして再編集、音源もマルチからリミックス、Blu-rayディスクとして映像をアップコンバート、未発表だった曲も追加され、ここに伝説的ライブの全容がほぼ完全な形で収録された”とある。

 

DISC1のオリジナルのリマスター盤は、2022年7月6日にリリースされた佐野元春&THE COYOTE BANDの最新作『今、何処』を手掛けたランディ・メリルがリマスタリングしている。1992年のオリジナル盤のマスタリングのボブ・ラドウィック、2009年盤(90年代のアルバムをコレクションした『佐野元春1990-1999 オリジナル・アルバム・リマスタード』)の前田康二(バーニー・グランドマン・マスタリング)、2016年盤(ソニーミュージック在籍中の全アルバムコレクション『佐野元春 ザ・コンプリート・アルバム・コレクション1980 - 2004』)のテッド・ジェンセンのリマスタリングに続き、3度目のリマスタリングになるが、すべてのディスクをお持ちなら4枚の違いを聞き比べるのも一興だろう。

 

 

また、DISC2のレア・ライブ音源などはオリジナルのヴァージョン違いやコンプリートヴァージョン、ライブヴァージョン、クラブミックス、リミックスなど、レア・アウトテイク&オルタネイト・トラックが満載され、『SWEET16』の原型を再確認するとともにその発展形も聞くことができる。

 

さらにDISC3・4は「See Far Miles Tour Part I 」の神奈川県民ホール公演(1992年3月23日)、DISC5・6は 「See Far Miles Tour Part II」の横浜アリーナ公演(1993年1月24日)、それぞれの公演を完全収録。『SWEET16』の発売を挟んで行われた2つのツアーの全貌を追体験することができる。リリースの前と後、新曲が育つところを目の当たりにするだろう。Blu-ray は「See Far Miles Tour Part II Live at Yokohama Arena 1993」のファイナル公演をほぼ完全な形で収録。既発のパッケージ「1992-1993 See Far Miles Tour part II」(Epic Sony / 1993)では一部、他公演のものに差し替えられていたが、今回は横浜アリーナ公演をそのまま収録した初の映像作品になる。同ツアーのベストパフォーマンスと言われる同公演の全容が初めて明らかになるというもの。

 

音源や映像など、今回のボックスに合わせ、新たにデジタイズ、アップコンバートされ、音質、画質も飛躍的に向上している。そのため、想像以上の時間が掛かった。同作にかけた佐野の強い思いが成果となって、現れていると言っていいだろう。

 

 

音源と映像とともに同ボックスには歌詞、解説、評論、対談、当時の記事、多数のフォトで構成した140ページのブックレットもパッケージされている。斬新な評論、明快な解説、貴重な随筆、重量級の対談などがこれでもかというほど、詰まっているのだ。時代を繋ぐ牧村憲一さんの随筆、山本智志さん、渡辺亨さんの曲目解説、能地祐子さんのライブ作品解説、増渕俊之さんの年表、メンバー紹介、また、宝島の関川誠さんや今井智子さんの当時のインタビュー、萩原健太さんや北沢夏音さんのライブリポートの再録など、音楽愛に溢れつつ、ジャーナルなスタンスでの考察が貫かれる。このボックスのために行われた佐野元春と片寄明人の対談は、5時間に及ぶもので、その中には30年目にして、初めて明かされるものもあった。膨大な量の言葉を佐野とは縁の深い雑誌『SWITCH』の元編集長、内田正樹さんがまとめている。貴重な写真も満載。他では読めない、見れない貴重なものばかり。まさに1冊の本といっていい内容だ。

 

 

改めて同作を聞き、ブックレットを読み込むと、『SWEET16』こそ、いま、改めて聞くべき作品であることを再確認する。確かに佐野元春にとって、ビッグセールスを記録し、レコード大賞やゴールドディスクの受賞など、輝かしい作品であることは間違いない。しかし、それ留まらず、バブル崩壊、カルト暗躍など、不穏な90年代を予見したもので、その歌詞はバランスを失い、危険の徴が明滅する都市の風景を活写。音も“シティポップ”の枠を超え、“マッドチェスター”への共感、“ワールドミュージック”への接近など、新たなサウンドやビートに舵を取っている。その先見性、同時代性は驚愕すべきだろう。

 

ブックレットの中にはそれを象徴するような写真があった。佐野は1993年10月17日に渋谷公園通りの教会脇のパーキングエリアでストリートライブを行っている。そのライブ写真にCorneliusのシングル「THE SUN IS MY ENEMY 太陽は僕の敵」とミニアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN E.P.』のビルボード広告が写りこんでいた。単なる偶然かもしれないが、佐野のマッドチェスターへの共感を知った後だと、何か、必然のようなものも感じる。ミリオンセラー、ダブルミリオン、トリプルミリオンに浮かれる90年代に日本でも新しいムーブメントが起きようとしていた。そんな兆しを掴むかのように1993年11月10日、『SWEET16』と対になるアルバム『The Circle』をリリースし、同年12月から「The Circle Tour」を開始している。“Circle of Innocence(無垢の円環)”を主題に英国のロック/ジャズ界の至宝、ジョージ・フェイムが参加、彼のオルガンが優しく、慰撫する同作もリリースから2023年で30年になる。佐野にとって、The Heartlandと最後のスタジオレコーディング・アルバムになった『The Circle』、“30周年記念盤”がリリースされるかわからないが、やはり改めて聞くべき作品だろう。密かに楽しみにしている。

 

 

まずは『SWEET16 30th Anniversary Edition』。発売に合せ、各所で様々な“イベント”が進行中だ。3月28日(月)から4月3日(月)までタワーレコード新宿店9F催事スペースで佐野元春『SWEET16 30th Anniversary Edition』発売を記念してスペシャル展示企画が行われている。昨日、3月29日(水)の発売日に同所へ足を運んだ(営業マンか!?)。『Sweet16』のアルバムジャケットで、佐野元春がまたがっているHONDAモンキーバイクを期間限定で展示。昨年11月に行われた“名盤ライブ”の会場で展示されたモンキーバイクと同じもので、本人私物だそうだ。他にもオフィシャルトレーラーの公開、ポスター展示、オフィシャルグッズの販売など、『SWEET16』 の世界を体感できる。ちなみに佐野の展示の隣にはエピックソニーのレーベルメイトで、この5月3日(水・祝)に22年ぶりに4人が再結集、デビュー40周年を記念して日本武道館公演を行うThe Street SlidersのポスターやCDなどが展示されていた。これも偶然かもしれないが、何かの必然を感じないわけにはいかない。エピックソニーは畳みかけてくる。30年目のイケイケだ。

 

 

 

https://110107.com/s/oto/page/sweet16?ima=4822

 

 

 

https://sanomotoharu.lnk.to/sweet16_30th

 

 

 

 

 

SWEET16 30th Anniversary Edition(完全生産限定盤)」収録のBlu-rayからハイライト場面を集めた映像トレーラー公開!

 

 

 

映画『THE FOOLS 〜愚か者たちの歌』(監督は2015年、『Cu-Bop』でキューバの音楽事情を活写した高橋慎一)を昨日、3月27日(月)に横浜の劇場「シネマ・ジャック & ベティ」で見た。東京での再上映も始まっていたが、気分は黄金町、どうしても同所で見たかった。アンダーグラウンドのカリスマ、アングラの帝王、ロック界の暴れん坊将軍(という呼称はないか)…などの異名を取る彼らを10年かけて肉薄した壮絶なドキュメンタリー。メンバーの病死や逮捕、事件など、音楽以上にお騒がせだが、そんな彼らの歌や音は一級品。業界の忖度や営業、約束とは無縁、孤高ゆえに光り輝く。スキャンダルを超えて、THE FOOLSの凄さを体感する113分間。伊藤耕と川田良を改めてリスペクト。ロックンロールドリームなど、無縁だが、そこには至高のロックがあった。ロックンロールでソウルフルでファンキーな音楽そのものが心に響き、身体を揺らす。映画を見た後、「OH BABY」が頭の中をリフレインする。なんて、純粋で優しいのか――。

 

伊藤の理不尽な獄中死に関しては、この日、急遽、開催された遺族や弁護士による「Dommune」の緊急記者会見を再放送で見る。伊藤が収監されていた北海道・月形刑務所の言動や対応など、あまりに納得がいかない。生きようとする人間に対して、“伊藤、生き返るのか”は無慈悲である。心を亡くしたのは、どっちだろう。

 

いろんな意味で、この国のロックの在り様を考える。ロックとは何かを問いかけると書くと、まるで惹句みたいになるが、インディーズやメジャーなどの枠に留まらず、“自由が最高!”と叫び続け、そのままに活動すれば、どこかで社会や政治に抵触(もしくは衝突)してしまうこともある。彼らはいかに無法者、愚か者と言われても心は捨てていない(時々、記憶が飛ぶことがあったらしい!?)。

 

多くの方に見ていただきたいドキュメンタリーだ。同映画と同時進行で志田歩が書いた『THE FOOLS MR.ロックンロール・フリーダム』(東京キララ社)を予約し、彼らの旧譜を改めて聞き直そう。それにしてもTHE FOOLSを始め、JAGATARA(じゃがたら)やジャングルズ、山口富士夫など、周辺には不穏な空気が漂うが、その音は本物、いまも不滅である。

 

劇場のそばの大岡川の両岸には春の桜が咲き誇る。花冷えだったが、胸が熱くなり、心が温かい。桜を見ていたら、40年以上前だが、オールナイトコンサート(残念ながら場所は覚えてない。学祭だったかもしれない)で、川田良のバンド「午前四時」を午前4時(頃)に見たことをふと思い出した。

 

 

 

1/13(金)公開『THE FOOLS 愚か者たちの歌』予告編

 

 

 

http://thefoolsfilm2022.jp/

 

 

https://www.dommune.com/streamings/2023/032701/