ずっと気になっていた本を読みました。
佐々木望さんの本です。
佐々木望さんは私が小中学生の時すごく好きな声優で当時とんでもない人気を誇ってました。
もう30年以上前の話になりますが
『鎧伝 侍トルーパー』の毛利伸
というキャラを演じられていて、今の言葉で言うと私はガチ恋勢だったと思います
小学生のとき、初めて2次創作読んだのがトルーパーだったような。。あれ、聖闘士星矢だったっけ?(うろ覚え)
当時トルーパーのメンバーで声優ユニットを組んでいて、ライブや握手会が開催され、声優が表に出る活動の先駆けでした。
今では声優イベントは普通ですが、当時は新しい試みだったと思います。トルーパーの人気すごかったでしたからね。2次界隈が盛り上がると同時に声優にも人気が波及します。
あまりの人気ぶりにイベントでは女性ファンが号泣し、失神者も出て救急車が出動するほどでした。その様子がテレビでも取り上げられていたの覚えています。
でもその頃はまだオタクは市民権得られてなかったので、社会現象というよりはオタクの人たちヤバいね、みたいな扱いでした。
その後、幽遊白書の主人公を演じた時に、喉を悪くされたのだと思います。叫ぶ演技多かったですからね。(もちろん、ご本人は喉を潰してしまった作品名を明言してません)
発声や演技を学び直している内に、洋書も読むことが多くなり、最終的に英検1級とられたとのことです。その時点でも訳わからないくらいすごいのですが
ボストンへの短期語学留学を経て
次のステップとして東大受験を思いついたらしい。
いや、それっていったい何段抜かしのステップ?って感じですよね(;'∀')
常人では考えられない。受験科目は英語だけじゃないのに。しかもその時のご本人の最終学歴は高校で、大学受験は未経験。
模試では慣れないマークシートを塗りつぶすのに苦戦し(どの精度で塗り潰せばいいのかわからなく、1ナノメートルもはみ出さないように心掛けてたとか)
また、消しゴムの力の入れ加減がわからずに答案用紙を破いてしまう段階から始まります(´・ω・)
でも合理的で柔軟な取捨選択の考え方ができる方で、対策の立て方など随所に地頭の良さが伺えて。
声優のお仕事もしつつの限られた時間の中、盲目的にがむしゃらにやればいいわけでもなく、完璧主義だと時間がいくらあっても終わらない。
過去問を研究し、
教科ごとに何を捨てどこで点を確実に拾うか細かく戦略を練られていて、合格は偶然ではなかったんだな、と思わせます。
凄いのは、出題傾向に反映するのではないかと、日本史の出題者の教授の論文までも集めて、教授の興味の方向性も探っていたとか。(東大入試の日本史は記述式なので)
もし、私が学生時代にこの本に出会ってたら、勉強に対する取り組みもまた変わってたかも、と思います。
勉強法も詳しく書かれているのですが、
1番面白かったエピソードは、
古文の勉強の際、古語単語の教材に「一流声優が感情を込めて読み上げるCD」なるものが付属してあったので聴いてみたところ
よく知っている同業者の方々が口々に単語を読み上げているので、うわああーと思い
CDは封印した
と書かれていて思わず笑ってしまった。この著者ならではのエピソードですね
ちなみに顔見知りの同業者のBLドラマCDなんかは聴いても大丈夫なんですかね。。濡れ場とかそれこそ、うわああーどころじゃない気も・・なんて思ったりしたのですが、すみません。
2年の準備期間のち、合格後は声優業をしながら法学部で学び、卒業されています。しかも成績優秀者と表彰されてのご卒業・・・!
ちなみに、最近のお仕事
東大卒が地獄みたいな高校のヤンキーのヘッドを演じていたという笑
御本を拝読して
卓越した文章力もさることながら、
高度な勉強を、さながら趣味の延長のように気軽にされている姿が眩しすぎて、私もなにか頑張りたいな、
と思ったのでした。
いやー面白かったです。久々に手元に置いておきたい本でした