Parco Produce 2024
『ハムレットQ1』
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【東京公演】
2024年5月11日(土)〜6月2日(日)
PARCO劇場
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:松岡和子 演出:森新太郎
美術:堀尾幸男 照明:佐藤啓 音響:高橋巌
音楽:落合崇史 衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:河村陽子 アクション指導:渥美博
演出助手:石田恭子 舞台監督:林和宏
宣伝:DIPPS PLANET 宣伝美術:東學(一八八)
宣伝写真:渞忠之 宣伝衣裳:宮本真由美
宣伝ヘアメイク:河村陽子
制作:麻場優美、大友泉
ラインプロデューサー:冨士田卓
プロデューサー:尾形真由美 製作:小林大介
出演:
吉田羊(デンマーク王子ハムレット)
吉田栄作(デンマーク王クローディアス/ハムレットの父の亡霊)
広岡由里子(王妃ガートルード)
佐藤誓(宰相ポローニアス/墓堀り)
大鶴佐助(ポローニアスの息子レアティーズ)
飯豊まりえ(ポローニアスの娘オフィーリア/ノルウェイ王子フォーティンブラス)
牧島輝(ハムレットの親友ホレイショー)
駒木根隆介(学友ローゼンクランツ)
永島敬三(学友ギルデンスターン)
青山達三(見張りの将校マーセラス/牧師)
西本竜樹(見張りの将校バナード―/墓堀り)
鈴木崇乃(ノルウェイへの使節ヴォルティマンド/旅一座の役者/シスター)
佐川和正(ポローニアスの従者レナルド―/従臣オズリック)
高間智子(旅一座座長/シスター)
友部柚里(旅一座の役者)
西岡未央(旅一座の役者(道化役)/シスター)
STORY
デンマーク王が急死、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座につく。
悲しみに沈むデンマーク王の息子の王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった……。【公式サイトより】
2021年の『ジュリアス・シーザー』に続いて吉田羊さんと森新太郎さんがタッグを組んだシェイクスピア劇。3種類の原本のうち、最も短いQ1版を使用。
舞台は下手奥に向けて傾斜があり、先が三角形状に。背景には地図のような雲のような模様が描かれ、緩やかにカーブして舞台を包み込む。
何度も観ている『ハムレット』だが、Q1版だからといって作品自体の印象は変わるわけではないが、早坂彩さんの『新ハムレット』を観て、その後、太宰治さんの原作を読んでからだと、デンマークが戦争中であることがより強く意識させられ、"To be, or not to be"も国とハムレット個人のことが重ね合わされているように感じた。
全体的にはザ・吉田羊ショウの趣で、狂ったふりをする時は高い声で台詞を発して、ギャップのある演技で楽しませてくれた。歌も披露しちゃうしね。
もう1つ、従来の上演よりも印象的だったのが劇中劇。王が金一色、王妃が銀一色の衣裳で王の耳に毒を流し込み、玉座を奪おうとするのが道化の格好。座長を含めて4人とも女性キャストが演じ、爪痕を残そうという気概が伝わってきた。
吉田羊さん以外のキャストでは、吉田栄作さんがイケオジ(死語?)っぷりを発揮して先王との二役をこなしていた他、佐藤誓さんがいかにも古狸な感じがよかった。
また、唐組『泥人魚』の大鶴美仁音さんから中2日で大鶴佐助さんの芝居を見られたわけだけど、出番が決して多いわけではない役ながら、しっかりと印象に残る演技をされていた。国王から「父上は亡くなられた」と告げられるシーンは現実とシンクロしてしまったなぁ。
上演時間2時間53分(一幕1時間10分、休憩20分、二幕1時間23分)。