早坂彩 トレモロ『新ハムレット』 | 新・法水堂

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早坂彩 トレモロ

『新ハムレット』

A New Hamlet


【東京公演】
2024年3月22日(金)〜31日(日)
こまばアゴラ劇場

作:太宰治 演出:早坂彩(トレモロ/青年団)
演出助手・スウィング:長順平
舞台監督:久保田智也[東京公演]
舞台美術:杉山至
照明:黒太剛亮(黒猿) 照明操作:綾畝
音響:森永恭代 音楽:やぶくみこ
衣装協力:徳村あらき 宣伝美術:荒巻まりの
記録写真:保坂萌(ムシラセ) 制作:飯塚なな子
主催:トレモロ

出演:
太田宏*(デンマーク国王クローヂヤス)
松井壮大*(先王の子、現王の甥ハムレット)
たむらみずほ*(侍従長ポローニアス)
清水いつ鹿[鮭スペアレ](ポローニアスの息レヤチーズ)
大間知賢哉(ハムレットの学友ホレーショー)
川田小百合(デンマーク王妃、ハムレットの母ガーツルード)
瀬戸ゆりか*(ポローニアスの娘オフィリヤ)
黒澤多生*(男)
*=青年団

2022年、SCOTサマー・シーズン2022と豊岡演劇祭2022において上演された作品の再演。

舞台には3〜4メートルほどの長さの板に背もたれの高さがまちまちな椅子がくっつき、更に草木がからみついたような物体があり、シーンによって回転。下手上方にはビニール製と思しきオブジェが垂れ下がる。

原作は太宰治が初めて書き下ろした長篇小説。レーゼドラマ(読まれることを目的とした戯曲)として書かれた本作はそのまま上演すると5時間ほどかかるそうで、適宜、太宰を思わせる黒マントの男が現れてシーンの要約を行って1時間40分にまとめあげる(ちなみに昨年、パルコ劇場で上演された際は休憩15分を含んで2時間45分の上演時間だったそうな)。

内容自体は沙翁の原作戯曲よりもクローヂヤスとポローニアス(太宰の原作ではポローニヤス)に比重が置かれ、ホレーショ―、ポローニアス、ハムレットが朗読劇を披露したり、オフィリヤが妊娠したりもする。
とりわけ終盤のクローヂヤスとポローニアスが対峙するシーンは見応えがあった。
キャストではそのポローニアスを演じたたむらみづほさんの緩急自在の演技に惹きつけられた。

上演時間1時間38分。