青年団 こまばアゴラ劇場サヨナラ公演『思い出せない夢のいくつか』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

青年団 第101回公演

『思い出せない夢のいくつか』



2024年5月8日(水)~15日(水)

こまばアゴラ劇場

 

作・演出:平田オリザ

舞台美術:杉山至 舞台監督:中西隆雄

照明:西本彩 衣裳:正金彩

宣伝美術:kyo.designworks 票券:服部悦子

制作:太田久美子

 

出演:

兵藤公美(歌手・由子)

大竹直(マネージャー・安井)

南風盛もえ(付き人・貴和子(26))


STORY

往年の人気歌手・由子とマネージャーの安井、付き人の貴和子の3人は夜汽車で巡業先に向かう。その車中、夫婦は似てくるのかといった話や喫煙所で見かけた変な人の話、更には『銀河鉄道の夜』の季節の話などが語られていく。


こまばアゴラ劇場サヨナラ公演第3弾。

1994年初演、緑魔子さんのために書き下ろされた作品。


舞台は『阿房列車』と同じ。

開演5分前に貴和子がやってきて座席の下にトランクを入れたり網棚に上着を置いたりする。


由子、安井、貴和子の3人の会話は他愛のないものばかり。由子と安井が喫煙所で出会う鳥捕り、灯台守、地質学者はいずれも『銀河鉄道の夜』の登場人物で、オリオン座や蠍座など星座の話題も出てくる。

中では安井の「みんな死んじゃうんだよ。宇宙だもん」の台詞が印象に残ったのだけど、上演台本を読んだら「宇宙だもん」は書かれていなかった。

これが本当の最後となるこまばアゴラ劇場での観劇。何だか意味もなく天井やら壁やらを見ながら芝居を観つつ、この場にいることの奇跡を噛み締めていた。


上演時間1時間11分。