くちびるの会『猛獣のくちづけ』 | 新・法水堂

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くちびるの会 第8弾

『猛獣のくちづけ』



2024年2月22日(木)〜27日(火)
OFF・OFFシアター

作・演出:山本タカ
執筆サポート:須貝英
一部音楽:朝日太一 美術:稲田美智子
照明:山本創太、川添真理 音響:吉田可奈
音響操作:金坂由美子 衣裳:今井由希
演出助手:永田涼香
舞台監督:わたなべひでお(猫侍)
宣伝美術:平崎絵理 舞台写真:サギサカユウマ
収録・編集:近藤実佐輝、大津研
制作:北澤芙未子 製作助手:佐野七海
制作協力:ゴーチ・ブラザーズ、宮原真理

出演:
薄平広樹(派遣社員・大貫)
菅宮我玖(同僚・小須田)
佐藤銀平(同僚・中西/小西)
喜田裕也(同僚・峯田)
近藤利紘(社員・北村)
北澤小枝子(宅配便ドライバー・相川)

STORY
舞台は、北関東にある倉庫街。この街の倉庫で派遣作業員として働く大貫(おおぬき)は、暗澹たる思いを抱えていた。過酷な労働に腰は悲鳴を上げるし、心は孤独に苛まれていた。ある日大貫はカップ焼きそばに祈りを捧げた。「僕の様な孤独な人々を救って下さい!ペヤング!」それから、同じ倉庫で働く同僚を皮切りに、街の人々が次々とワニになる怪異が頻発する! あのワニは、救われた姿なのか!? 大貫は、自身のワニ化から逃れるために、友達を作る!作る! 倉庫の休憩室でずっと無口のゲーム青年、小須田(こすだ)と友達になるし、宅配便の女性ドライバー、相川(あいかわ)とも友達になった! そして、大貫、小須田、相川は、ワニだらけになった街に旅に出る。小さな小さな旅に出る。彼らはいったい何を目指して旅に出るのか!? そもそも人はなぜワニになるのか!? 生きるのが下手くそな人々がどうにも愛らしくてたまらない、人間賛歌の物語。【公式サイトより】

第34回下北沢演劇祭参加作品。
2018年に書かれた短篇戯曲を長篇化。

舞台にはコンテナが壁沿いにいくつにも重ねられ、大貫の部屋のシーンでは丸い天板を乗せて卓袱台として使用。

物語はとある物流倉庫で派遣社員として働く大貫を中心に展開していくが、どこからともなく中島みゆきさんの「ファイト!」イントロのドラム音が聞こえてくる中、人々が鰐になってしまうという事態が発生する。
前作『老獣のおたけび』では父親が象になったが、今回は不特定多数の人が鰐になってしまい、しかもいつ誰が鰐になってもおかしくないという状況となる。そういったところは新型コロナウイルス感染症を想起させられた。

キャストでは、病気降板の倉島聡さんの代役・佐藤銀平さんが先月の椿組『ガス灯は檸檬のにほひ』に続いてのご活躍。

上演時間1時間41分。

アフタートークは山本タカさんの明治大学時代の恩師・井上優教授。