ここのところ、新年度に向けて、保護者面談をさせてもらっています。
これまでの学習や生活を振り返り、来年度へどうつないでいくか・・・
それぞれのご家庭の方針や、ご家庭での様子、学校から指摘されたことなどなど、様々な情報をもとに、
「この子はもしかしたら、ここがネックになっているかな」
「この子はこうしたらもっと良くなるかも」
授業の中身を見直すために、そうした生の声は非常に重要で、
時に、それが決定だとなることもある。
「そこに原因があったか」と。
今季の面談でも、とてもうれしい報告をいくつも頂いています。
ちょうど今日の面談では、学校での「ノートの書き方」がどの教科でもきれいになってきて、先生もビックリするほどだというお話を聞かせて頂きました。
以前にもこの手のお話しが中学生で出たことがありますが、小学生の保護者様からお聞きしました。
面談でまず出てくる話題は、テストや成績などの数値評価の部分でしょう。
その点で改善がみられたことなどは、それももちろんうれしいことです。
それだけ成長したことに違いはありませんから。
ですが、そうした話題の中で、たとえば、「取り組み方が粘り強くなった」とか、
「書字がていねいになったと学校の先生に言われた」などなどが出てくることもあります。
そういうお話があると、点数が上がったということよりも、
「よし、よし」
と、たまらず心の中でガッツポーズ。
こういう部分は、直接点数評価がされないけど、
でも実は点数のためにも超重要なこと。
そういった部分での変化が出ていて、
しかもきちんとそれを評価している。
自分でもそう認識できている。
そうなると、点数をガーッと上げるための、
成績をワンランクもツーランクも上げていくための素地ができた、
と見ても良い。
「ノートの書き方がきれいになった」
というのは、その最たるものかもしれません。
実際のところ、ノートは自分があとで読めれば良いわけです。
そもそも「記憶」や「整理」などがノートの機能ですが、
授業中に学習内容を瞬時に「記憶」できてしまえば、
特にノートをとる必要はないわけです。
頭の中で憶えた知識たちをうまく「整理」し、
目の前の問題に対処できてしまえば、
何もノートを書くなんて行動とらなくて良いわけです。
だったら、なんで「きれい」にノートを書かなければいけないんだ、と「ノート書くの嫌な人」は声を張り上げて言ってきそうですね。
だから、究極のところ、それらが出来ればノートはいらないんです。
でも、人間そうではない人が多いから、
きちんと頭以外のところに「記憶」させておくんです。
忘れてもいいように。
あるいは、忘れるために。
じゃあこういうのはどうか。
ノートは書くとして、「きれい」に書かなければいけない理由ってなんなのさ。
あとで忘れていても良いように書くなら自分が読めれば良いんだし、
人が見て、「きれい」「汚い」なんて判断される必要がどこにあるのか。
こんな声も聞こえてきそうです。
さぁ、では、あとでそのノートを読んでいる自分って、本当に自分なんですか?
その時に、つまり、いくらかの時間が経過した後の自分が本当に書いている時の自分そのものである保証はどこにもないですよね。
その時の自分さえも読めなかったら、もうそのノートの価値は半減。
もしかしたら無価値となってしまうかもしれません。
これがひとつ言えること。
そして一番言いたいのは・・・
ノートを書き、しかも「きれい」に書く、ことの意味、
それは、一見何の意味があるか不明なその動作を、
「やめたい」「嫌だ」という負の感情を、
グッと堪え、やりきるということに一つの意味がある。
そういうハードルがたくさんあることや場で、
きちんとストレスに打ち勝って何かをやり遂げたとき、
想像以上の成長がもたらされます。
やったそのこと自体がどうこうではなく、
やりきったという、こちら側が大きく変化するんです。
だから、一見「どうでもいいじゃん」とか「めんどうくさい」ということをきちんとやりきる人は、それだけで点数を上げるとか成績をあげるとか、そういう素地がある人だって言えるんです。
だって、勉強、特に学校の教科の学習は、そういう「どっちでもいいじゃん」とか「めんどうくさい」とか「これやって何になるの」とか思ってしまうようなことばかりじゃないですか。
そういうものを一つ一つ積み重ねたとき、
その知識が使えるとか使えないとかそんなどころの話ではないくらい、
一回りも二回りも大きくなっていくんです。
さぁ、久々の更新、今日一日のクールダウンも兼ねて書いていたら、逆にヒートアップしてきたので、このあたりで店じまいしておきます。
「ノートがきれいになったって言われたよ」
と言われたのがうれしかったです、というお話でした。
(ざっくりまとめ過ぎか。まとめでもないか。。)
【参考】
※「ノートの書き方」については、以前に当塾ホームページにて
コラムを書きました。 ぜひご覧ください。
「良いノート」って何だろう?
http://learning-labo.st-community.jp/?p=606