やる気スイッチ!?-入試、定期テスト直前によせて | 作文・読解力など国語力向上 学習塾ラーニング・ラボ横浜天王町教室のスタッフブログ!

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作文・小論文・読解力など国語力UPのための塾。横浜市保土ヶ谷区にある学習塾ラーニング・ラボのスタッフブログです。教室での出来事、教育ニュース・新聞記事・書籍についてのコメント、当塾オリジナルの「基礎講座」で作成した生徒の作品なども発表します。


先日、授業中に一人の生徒が

「あぁーやる気スイッチONにならないかなぁ」

と、ため息交じりもらしました。

幾人かの生徒も、

「ホントだよねー」

と共感している様子。


やる気スイッチといえば、
とある学習塾のTVCMでおなじみのあれ。

確かに、「やる気」ってのはとても大切なもの。

勉強だけでなく、
何かを行動をする時、
特に、何か達成したい目標があり、
その目標達成の前に、
いくつかハードルがあるような時、
この「やる気」のあるなしが結果に大きく影響する。


じゃあその「やる気」ってのは
誰かが自在に「ON」できるものなのか。

もちろん塾という現場では、
様々な生徒と日々やりとりとする。

「勉強大好き」って人は珍しい部類ですから、
塾の講師の仕事ってのは、たいていの場合、
好きではないものに向かわせることが多い。

だから「やる気出せよ」って思ってしまうこともあるし、
「この子最近やる気出て来たな」なんてことを
口にすることもある。


この「やる気」ってのは、
学術的に言えば、
「動機づけ」ってことにつながるだろう。

心理学の授業で聞いたことある、
という人も多いと思います。

育児や教育の話題で、
「ほめる」のが良い、
という話がされるのをよく耳にします。

何かの行動が上手くいったとき、
「すごいね」
「上手だね」
という評価をしてあげることで、
その行動が「快」と認識される。

その行動が「快」と認識されれば、
人はそれを積極的に行うようになる。
良いとされる言動が身についていくし、
「苦手」「嫌い」と認識されていたものでも、
それを上書きできる。

・・・という話だろう。

もちろんこの論理は一理ある。
「動機づけ」ってことでいえば、
「外発的動機づけ」ってやつですね。


ただ、一方で、ちょっと待てよと思うこともある。

この「外発的動機づけ」にばかり頼っていると、
実はその言動が実に偏った、
不健全な在り方をする場合がある。

例えば、学校のテストで良い点がとれたら、
あるいは、成績が上がったら、
何かを買ってもらえる、おこづかいをもらえる、
どこかに連れて行ってもらえる、
などのご褒美をあげるとする。

そのご褒美が魅力的であれば、
「よし、やってやろう!」と
普段以上に「やる気」を出して、
頑張るかもしれない。

その結果点数が上がり、成績が上がり、
念願のご褒美がGETできたとする。

そうしたら、きっと次はどんなご褒美がもらえるのか、
どんなご褒美をもらおうか、
という思いで勉強をしていくことになる。

みなさんこれをどう思いますか?

ちょっとしたご褒美で喜んで勉強してくれるなら
安いものだ、と思いますか?


それも一つかもしれません。

「アメとムチ」ってやつですね。


まぁこの場合はやることは勉強なので、
あんまり反対する人はいないでしょう。

ただ、これが例えば、
人の家のみかんの木からみかんを取ってくる
という行動だったらどうでしょうか。


冬場は乾燥もしていますし、
みかんがあるとうれしいです。
だから、

「ありがとう」
「これくれるの?うれしい」

なんて素敵な声掛けなんかしてしまったとしたら…


さぁここが一見良さそうに見える
「ほめる」という行動の、
ちょっと待ってポイントですね。

つまり、本来勉強は主体的に、
継続的に行っていくことが重要なこと。

なのに、「ほめる」というのが過度にからんでしまうと、
そのご褒美のためにやるということになってしまう。

「えーやっぱそれならいいじゃん」

って思った方いますか?

そうです。
こう改めて言い直しても
なんか問題がなさそうなんですね。


まぁそこが問題なのですが。


何が良いたいのかと言えば…

「ほめる」が過度にあって、
それが「快」になり過ぎると、
「ほめられるためにやる」
ということになってしまうんですね。

つまり、

「ほめられなければやらない」
「ご褒美がなければやらない」
「一度でもご褒美がなければやらなくなる」
「ご褒美がショボクなればやらなくなる」


ってことになるかもしれないのです。


これだと困りませんか?

ご褒美があれば、それなりにやる。
でも、馬の前の人参を垂らして走らせるがごとく、
常にご褒美をぶら下げていないと何もできない。

これでは困っちゃいますよね。


でも、これが「ほめる」とか
「やる気スイッチ」というものを
過度に意識して行ってしまうと
起こり得ることなんです。
しかも、周囲の人間が。


では、どうすれば良いのでしょうか?


その一つの答えが、
「外発的動機づけ」の逆。

「内発的動機づけ」です。


…ですが、
ちょっと長くなってしまったので、
続きはまた今度。