二度目の「ロマンスの夜」 | ラフラフ日記

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主に音楽について書いてます。

宮本浩次 ロマンスの夜
2023年11月28日(火) 東京国際フォーラム ホールA

 

長崎から帰った翌々日、宮本浩次のカバーコンサート「ロマンスの夜」に行ってきた。

 

2022年からはじまった「ロマンスの夜」だが、前回は東京公演が 11月から翌年の 1月に延期になり、会場も国際フォーラム(有楽町)からガーデンシアター(有明)に変わった。

 

それが今度こそ、11月で有楽町だ。今度こそ、誕生月(11月)に宮本浩次のライブが観られる! って、いつ観たって嬉しいんだけどね。今回は、あゆの長崎もあったので、誕生日近くにあゆとミヤジだあー!ってなった。

 

しかし、開催は嬉しいが、前回と内容変わるの?と思ってしまう自分がいた。

 

前回の「ロマンスの夜」 → 「ロマンスの夜」と「Just the way you are」

 

前回の開催時に『秋の日に』をリリースして以降、カバー曲のリリースはない。リリースはなくても、宮本浩次なら好きな曲や歌いたい曲はたくさんありそうだから、いろいろな曲が聴けるかも知れない。けれど、やるならやるでリハーサルとかいろいろ必要そうだし、そんなにたくさん新しいカバーが聴けるとは思えない。カバーとかよくやる人は、器用にすぐにレパートリーを増やせるものなのだろうか。きっと容易ではないだろう。

 

そんなことを思ってたら、直前に新録カバー曲「Woman “Wの悲劇”より」が配信リリースされた。

 

といっても、1曲である。

 

これは、前回とほとんど同じ内容になるのではないか?

 

そんなことを考えながら、私はハッとする。だって、同じツアーに何回も行ったりするじゃないか。あれだって、同じ内容じゃないか。

 

そう言われればそうなのだが、カバーコンサートっていうのは、そんなに何回も観るものじゃないのかね?

 

そんなこと言えてるのは私が二度目だからで、今回はじめて観る人もいるわけだし、まだ観てない人もいるのだから、そのためにあるとも言えるよね、云々かんぬん。

 

そうして観た二度目の「ロマンスの夜」は、やはり素晴らしかった。

 

ライブレポートは下記の記事が詳しい。

 

「神秘的」とか「ファンタジー」とかエレカシではなかなか出てこないワードだよねぇ。

 

「愛の戯れ」素晴らしかったなぁ。

 

ステージ上空に青空を感じちゃったよ。

 

↓これは前回の「ロマンスの夜」の映像だけど貼っておく。

 

でも、この曲に青空って……宮本浩次が歌うから青空を感じたのかなぁ?

 

そして、問題の(?)セットリストだが、前回と違う曲は 以下の 7曲(24曲中)だった。

 

きみに会いたい -Dance with you-(高橋一生)
ロンリー・ウルフ(沢田研二)
やさしさ(エレファントカシマシ)
悲しみの果て(エレファントカシマシ)
あなたのやさしさをオレは何に例えよう(エレファントカシマシ)
Woman “Wの悲劇”より(薬師丸ひろ子)
サムライ(沢田研二)

 

「きみに会いたい -Dance with you-」「悲しみの果て」「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」はソロコンサートでやってるから、“初” な感じがするのはそれ以外の 4曲か。「やさしさ」は 6月のバースデーコンサートで聴いた記憶も新しい。

(「やさしさ」は、エレカシとソロ弾き語りと今回のバンドで聴いたわけだけど、こんなにも表情を変えるかぁっていう、宮本浩次の変幻自在ぶりというか、それを可能にする「やさしさ」という曲が持つ未完成な底力みたいなものを感じた)

 

しかも、1曲目が前回と同じ「ジョニィへの伝言」だったから、なおさら “前回と同じ” な感じがした。が、あえて 1曲目を前回と同じにしたのかも知れない。つまり、「前回と同じですよ」と。

 

バンドメンバーも前回と同じ、小林武史(キーボード)、名越由貴夫(ギター)、須藤優(ベース)、玉田豊夢(ドラム)。今にして思えば、「前回と同じ」ところに挑戦があったのかも知れない。

 

同じに見えて、バンドやアレンジ、演出面も進化していたと思うし、何よりそこには、名曲の数々、素晴らしい演奏、そして、宮本浩次の「歌」がある。それだけで十分素晴らしいのだ。

 

同じに見えて同じではないし、しかしそこに「同じに見えるもの」が存在している素晴らしさとありがたさ。日々新しく変化していくものも素晴らしいが、こうして、ここに来れば出会える「同じもの」があるのは素晴らしいし、あって欲しい。そして、それを続ける難しさ。同じであっても、フレッシュさがなければ輝けないだろうし、それでいえば、この日のライブは輝いていたし、前回よりもその輝きは増していたように思う。

 

しかし、どれだけ素晴らしい歌唱、素晴らしい演奏、素晴らしいアレンジ、素晴らしい楽曲でも、音楽はそれだけでは足りないんだ。例えば、エレファントカシマシ。エレファントカシマシには、ここにはないものがあると思った。

 

しかし、エレファントカシマシではないが、このコンサートはそれだけで十分に素晴らしい。素晴らしい歌唱、素晴らしい演奏、素晴らしいアレンジ、素晴らしい楽曲、それだけで音楽は素晴らしいのだ。

 

それだけで素晴らしい音楽の素晴らしさと、それだけではない音楽の素晴らしさ、そのどちらもを教えてくれるコンサートだった。

いや、後者は私が勝手に感じただけかも知れない。私がエレファントカシマシを好きだからそう感じるだけだと。けれど、エレファントカシマシをまったく知らなくても、宮本浩次の歌とパフォーマンスから、伝わってくるものがあったと思う。カバーからはみ出して伝わってくるものが。

 

そんなことを感じられたのも、「ロマンスの夜」も二度目だからな気もしている。そう考えれば、“同じような内容” だったからこそ感じられたことがあったんだろう。

 

↓この日の「Woman “Wの悲劇”より」。

この曲の “おとなしくしてるから” という歌詞を宮本浩次が歌うところがじわじわ来る。

 

後ろから二番目という遠~い席から観たからか、広大な宇宙を感じました。

 

***

 

明日(1/18)、NHK「The Covers」に宮本浩次が出ます!

 

The Covers ウインターSP

スペシャル#4 80年代ラブソングSP ~宮本浩次・Cocco~

 

1月18日(木) 22:00 ~ 22:45
1月22日(月) 23:50 ~ 24:35 ※再放送

 

https://www.nhk.jp/p/thecovers/ts/KXRV2Q744Y/