『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (10/27) | ラフラフ日記

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ayumi hamasaki Just the beginning 第2章 ~sacrifice~
2017年10月27日(金) 大宮ソニックシティ 大ホール


この日のことはずいぶん前から楽しみにしていました。

あゆが「大宮ソニックシティ」に来るというのだから。

今回のツアー、第二章から大きく違うのは「ホール」ということです。それも、あゆが今まで行ったことのない(ライブをしたことのない)場所もあるので、「自分の地元にあゆが来る!」という喜びの声を聞きました。やはり、自分の住んでる町に好きなアーティストが来るのは特別なことですね。

だから、あゆが「大宮」に来ることは私にとって特別です。

でも、考えてみれば、何度も来てる「さいたまスーパーアリーナ」の方が私は近いんですよね。しかし、さいたまスーパーアリーナやその周辺は比較的新しく、大宮の方が昔からの馴染みがあるのもあり、そして何より、ホールという大きさが “地元に来る感” をより一層強くしているのだと思います。ホールって、地域に密着した催し物とかやってたりするし。

でも正確に言えば、私は「大宮」よりも「浦和」なんです。エレカシが「北とぴあ さくらホール」でライブをしたときに、「同じ北区でも王子と赤羽は違う」というようなことを言っていたと聞きましたが、やはりそこは、地元だからこその違いがあるのだと思います。「大宮は新幹線とまる!」「いや、浦和は県庁所在地だ!」みたいな。今ではどちらも「さいたま市」なんですけどね。

だから、そういった細かいところまで感じられる「大宮」にあゆが来るっていうのはやっぱり嬉しいです。
(あゆはラジオで「大宮アルシェ」には来ています)

けど私、「大宮ソニックシティ」は、もしかしたら L⇔R ぶり(!!)かも知れない。ソニックシティビルや周辺には来てるんだけど、ライブを観るのは……


9月6日からはじまった第二章、ここまで来る間に、

9月16日 徳島:鳴門市文化会館 台風で中止 (後に、11月1日に振替公演)
10月22日 兵庫:神戸国際会館 こくさいホール 台風で中止 (後に、11月15日に振替公演)


ということがあった。

神戸では、あゆとメンバーが少しだけ顔を出したという。グッズブースのみ時間の許す限りオープンとのことで、そこにあゆとメンバーが顔を出した。あゆ自身、行く前にそのことをツイートしていた。

当然、批判があった。何のために中止したのか、中止した意味がない……。ただでさえ、公演中止という残念なお知らせに落胆しているときだから、批判の声も強くなる。あゆも、時間を限定し、それ以降は危ないので安全な場所に…とツイートしていたけれど、批判はある。あゆに会えた人もいるけど、会えなかった人の方が多いのだろう。

その翌日、10月23日の広島公演では、想いが爆発してステージを降りて客席に乗り込んでしまったというあゆ。

あゆのこういった行動や、それにまつわるいろいろな声を聞くことも発することも、今までのような“アリーナ” ではなかなか出来なかったり感じ切れなかったことなのかも知れないなぁ。

悪天候でライブが中止になること自体は、ない話ではないけど、

「ライブ」とは何なのか

そういうことを今すごく感じられているんじゃないかなぁ。それは私も私たちも含めて。




会場に着くと、案内板に「浜崎あゆみコンサート」の文字。こういうのがぐっとくるのよぉ(「ayumi hamasaki じゃない!」と友達)。アリーナ規模だと、一大イベントでお祭り騒ぎになるけど、周りはいたって普通の街並み、日常。ここにあゆが来るんだぁ。

この日のチケットはなかなか取れなくて。友達とも何人かで行きたいと話してたんだけど、どうなることやらで。そうしたら、プレイガイドの 2次先行で取れて、友達もみんな行けることになった。みんなが「大宮」に集合するのも嬉しい。



チケットはソールドアウト。

そうしてはじまったライブは、意外や意外、「待ってたよ!」とか「大宮に来てくれてありがとう!」という熱烈な歓迎ぶりというよりは、「いつものライブ」に近い温度だった。私自身も、もちろん「待ちに待った大宮公演!」という想いはあったけど、どこかで「いつものあゆ」を感じていた。それどころか、「はじめての場所」であるはずなのに「おかえり」という空気さえ、あゆからも「ただいま」の空気さえ、勝手に感じた。

それは決して冷めていたというのじゃなく、安心感のようなものを感じたというか。

あゆが大宮でライブをするのははじめてだけど、すぐ近くの「さいたまスーパーアリーナ」には何度も来てるし、東京からも近い。そりゃあ、徳島とか高知とかに比べたら、特別感は薄いよ。それを “羨むのは傲慢だろう” って話だ(FoZZtone「Rainbow man」より)。

私も最初は、「あゆが大宮に!」って盛り上がっていた。でも、意外にそれは「普通」で、その前に各地での盛り上がりを聞いていたから余計にそう感じてしまったのかも知れない。さらに、神戸公演の中止、広島公演での出来事があった後だから尚更クールダウンして見えてしまったのかも知れない。(あゆに限らず、どのアーティストでも、首都圏の反応はクールって言いますよね。ムッツリとも言われます笑)

でも私は、そういった、言ってみれば非常事態な出来事の後に大宮公演があって良かったと思った。あゆが、気負うでもなく、ほっとしているようにも見えたから。特別感はなくても、あゆにとっていつの間にか「帰る場所」のような存在になっていたのかなって。「平常心」というか。「はじめての場所」なのにそんなことを感じるなんて、誤算だったし、驚いたし、でもこれも大宮公演があったからわかったことなんだなぁ。

広島では、一部写真撮影も OK にしたそうだけど、大宮ではそれもなし。実は、以降、アンコールの一部で写真撮影 OK になったのだけど、大宮ではなかった。でも、なんだか、そんな「特別扱いされない特別」が嬉しいみたいなね(笑)。ま、たまたまそれが大宮だっただけかも知れないけど、その「平常心」が嬉しい気がして、それははじめての感覚だったなぁ。平常心になれる場所というのは安らぐ場所でありながら戦える場所だし必要な場所だから。クールダウンは必要なことだしね。

でも、公演中止のこともあったし、ちょうどツアーの疲れが出てくるところだったのかも知れないなぁ。あゆの声がかすれ気味だったから。でも、最後の曲では復活していてびっくりした。


横浜のときと、(曲は同じだけど)オープニングから雰囲気が違った! 横浜のときは暗めの「青」のイメージだったんだけど、大宮でのはじまりは「赤」って感じだった! 暗い青から情熱の赤へ!?

そういえば、スクリーンがあるんだけど、ホールでのコンサートってスクリーンないこともあるよね。というか、大抵ないかも。

1~2曲目が、「alterna」「Microphone」と続くんだけど、どちらにも “変化” という言葉が出てくる。「alterna」は 2005年の曲で、

“変化を恐れるのなら
 離れたとこで見ててよ
 何かしたってしなくったって
 結局指さされるなら
 あるがままに”


と歌う。続く「Microphone」は 2010年の曲で、

“変化はとても素敵な事だけど
 自分を失くすって意味じゃない
 根っこにあるこれまでもこれからも
 貫ける自分があってこそ”


と歌う。同じ “変化” についてでも、違った角度から見ていて、「Microphone」が「alterna」に釘を刺しているようでもあり(その逆も)、返答になっているようでもある。それを 2曲並べることによって、対話のように聴こえて面白いし、違う表情が見えるし、意味が広がるし、深まる。違う年の曲でそれが出来るのは、やっぱり貫かれてるものがあるからなのか。

第一章~第三章を通して、この長いツアーで、そういったあゆの曲の面白さ、深み、表情の豊かさを一層感じるだろう。

第一章からのことを考えると、第一章の 1曲目「ourselves」のプロモを想起させる演出で、第二章の 1曲目「alterna」を歌った。ということは、第三章では「alterna」のプロモを想起させる演出で 1曲目来るのか? それとも、「ourselves」のプロモ継承か? というか、全体があの「alterna」のプロモのストーリーみたいな感じだったりして? もう今日(12/2)、第三章がはじまるんだよねぇ。(だから第三章が開演する前にこの記事を書きたかったー)

第二章は、第一章の続きというよりも、第一章の内側のようだと横浜の記事で書いたけれど、それでも、「kiss o' kill」「Free & Easy」のようなシーンは第一章にはなかった。まさに ~sacrifice~ の核となるシーンだけれど、曲調もサウンドも、パイプオルガンとか宗教的な響きが強かった。「Microphone」もそうだし。

この「宗教的な響き」に確信を見る。

それが第二章かも知れない。

大宮ソニックシティ、また来るよ!
次は、あのバンドだ!



宗教的な響き……ずっと私が苦手というか気にしないようにしていたけれど、U2 もデペッシュ・モードも、凄いと思うアーティストはみんなそこを通って来てる、と今この記事を書きながら思った。

【同ツアーの記事】
『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (5/13)
『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (6/17-18)
『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (9/7)