「時間ですよ」は面白かった
読了
松本清張、向田邦子【駅路/最後の自画像】
新潮社2009.12月
これは、 よかったー。
ダブルタイトルは、オリジナルと、テレビドラマのもの。
松本清張と向田邦子、両氏の唯一の共作といわれてもピンとこないです。
えっ、清張作品の向田さんの脚本って、たったこれだけなのですか?と。
テレビ番組を狙ってまで見ることがほとんどないので、今、どんなテレビ
ドラマがあるのかも、「ゲゲゲの女房」を知っているぐらいで、これさえ見
たことがありません (´□`。)
やっぱりクリエイティブな仕事なのだな、というのが率直な感想になって
しまいます。著名な小説の映像化という行為自体、メディアをこえて、
ビジネスライクな彩色を感じてしまいます。「やっぱり原作をこえることは
ないでしょう...」のような偏見を持ってきたのも確かです。
でも、この本を読ませてもらって、ちょっと考えも変わりました。
単なる脚色、オリジナルを踏み台にするようなことではなくて二人三脚、
互いのオリジナリティをちゃんと認め合いながらの共作というのが、ちゃ
んと、こうやって完成しているものなんだなーというところです。
冒頭は、NHKの土曜ドラマ、松本清張シリーズを担当されたプロデューサ、
近藤晋さんがテレビドラマ化にあたって両氏との想い出を語られています。
脚本に対する作家の胸の内というか、向田さんに対する敬意あり、また
向田邦子脚色をとっても評価されているのがわかります。
なにせ、この作品にも自らが出演されていますから。さらにその役回りは、
オリジナルには登場しない、向田さんのオリジナルキャラとなれば、撮影
現場で楽しまれている作家の心持ちというのは言わずもがな、でしょうね。
本編は、オリジナル「駅路」に続いて、脚色された「最後の自画像」が続き
ます。“「 」”が続くと、読みづらくて、読み物としては外してきた感もある
のですが、この「最後の自画像」は面白かった。なにせ、今読んだばかり
の原作と、ドラマ化されたシナリオを読むわけですから、それはもう、その
違い、脚色の色の足し方というのがよくわかります (^∇^)
末尾は、編集者の烏兎沼佳代さん。
両氏の係わり合い、奇遇ともいえる廻りあわせの事実には驚かされました。
向田邦子作品、テレビドラマお好きな方には、おススメします。
テレビドラマって、わたしが思ってきた以上にずっと、「深かった」 (´□`。)
恋愛小説でしょうか。
講談社 2005
初刊のとき、読みそびれていて、今回。 「あっ、イラさんの東京ドール」
表紙の印象、残っているものですね。
(なんて、いいながら同じ文庫本買ったりしてますが (´□`。) )
装丁は、軟質PVCのカバーがけ。黄色のタイトル文字と天地と中段に帯。
背のタイトルは、組み体裁を同じにした白抜きタイトルなので、ご覧のよう
にカバーが浮いていると、不透過白ビキでちょっと版ズレした雰囲気も出
て洒落てます。カバーは、細かなナシ地になっているので、微妙な透過
具合が表紙写真の雰囲気もイイ感じが出ていると思います。
主人公はゲーム業界のクリエイター。
ふーん、ゲームって当たるとそんなに儲かるものなんですかという感想。
最先端のメディア発信地の「東京」。「DOLL」は、映像化される少女キャラ
クタを意味しています。その実像、モデルとなるべく、スキャンされる女優
を主人公の相良が、コンビニで理容学校への学費を稼ぐヨリに見出す。
300万の学費にまだ200万足りない。相良は毎月50万のモデル料で、
四ヶ月の拘束を提示する。
で、彼女のエスパー加減、取り巻きとの係わり合いがお話しのメインとな
っていきます。
東京のおしゃれな場所、服飾、宝飾のブランド名隋所に。 こういう描写が
今ふうでウケる、のでしょうね。 ・・・“いまふう”って. (´д`lll)
ゲーム業界ネタ25%、都市伝説15%、ハードボイルドぼい25%、純愛
10%、セックス25%。。。ざっとカウントしてちょうど100になってますわ。
パーフェクトの100ではなくて、「そこまで」の100というニュアンスで。
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次は、松本清張、向田邦子、両氏 「駅路/最後の自画像」 。
再読ですが、映像化(NHKドラマ)にからんだ趣向で面白そうです。
スカボローの市へ行くのなら。
イギリスのトラッド。
「サイモン&ガーファンクル」のアレンジバージョンが、
有名ですね。「高石ともやとザ・ナターシャー・セブン」の
日本語演奏もいいです。
こういうチューン、好きです。
なかなか上手くは弾けませんが、ギターが良く鳴って
くれるので、それだけで楽しい、自己満足です。
オリジナルは男女の掛け合い、デュエット曲です。
「パセリ、セージ、ローズマリーにタイム」 という
歌詞のリフレインがすごく雰囲気です。
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土日、ギターが弾けないので、GWの時のVをアップしました。
Vエンドがブツ切れなのは、チワワ連が吠えてしまった
ので、その前で切りました。 (^▽^;)スミマセン
日曜日は、茨城の潮来まででかけてきます。
「野暮は揉まれて粋となる。」
読了
小沢詠美子 【お江戸の経済事情】
小沢さんは、作家ではなくて助教授。
さいしょに書いてしまいますが、末巻「むすびにかえて」を読んで、ちょっと
残念な気分でした。
「本書は年度かわりのシラバスを書いていて、自分の授業に向いた資料が
なかったので、自分でまとめれば早いと思いついたが、魔がさした。江戸の
知識を提供しようという趣旨ではない。都市社会経済史のケーススタディだ。
かなり乱暴に書きなぐった。」 のようにあります。
・・・すみません、申し訳ないですがそれなりに楽しんだわたしは、いったい
なんだったのでしょうか 。(´д`lll) マガサシタッテ...
250頁ていどの内容に、引用、参考文献が100タイトルぐらいならびます。
そうですね、それぞれ3頁づつ引っぱってくれば、300ページになりますわ。
これだけの出典があると、けっこう不一致とか、矛盾したりがあったと思うん
ですね。そこはごくろうさまでした。
「お江戸」小ネタをば、いくつか。
■江戸のゴミは各町に大芥溜(オオアクタダメ:ゴミ集積所)がもうけられ、専門
業者が永代島へ船で運んでいた。費用の芥銭は町入費で徴収された。
「夢の島」は江戸時代から続いていたんですね。もともと
江東区の湾沿いは、ゴミの埋め立て地だったみたいです。
■上水道完備の江戸だったけれど、湾近くの末端では、汚れた水だった。
地方ではただの水に、江戸では金を払っているというのが
ステータスだったらしく、みな水道税を支払っていたんですね。
後期には、井戸掘りも増えましたが、低地では海水だったらし
い.です。
■「イキだねぇ」のイキは、もともと恋愛用語。
1、媚態(色っぽさ)
2、語源は「意気地」。惚れた弱みに負けない筋通し。張り。
3、執着を離脱した諦め。垢抜け。
イキな化粧は「薄化粧」。髪は略式、つやありの黒髪。
襟足を見せて若干の着崩し「抜き衣紋」。 ※俗に「ぬく」と言うんだよね
竪褄(タテズマ)を左手で持ち上げて歩く「左褄を取る」。
軽くそらせる、曲げるの手つき。「素足」もまたイキ。
着物がらは、平行線。シンプルな縦じま。
子持ち縞や三筋立てより、棒縞がイキ。
色彩は、鼠、茶、青がイキ。
鼠色は5色なのに、茶色はなんと30種類近くあります!
現代までも続くお店もまた長い歴史ですね。
松坂屋、大丸、三越(三井越後屋)、にんべん(鰹節の)とか。
亀戸の船橋屋も200年以上前からくず餅、売ってるんだし! 笑
時代考証にこだわるなら、こういう本を脇に置いていて
まげ物エンタを読むのもいいかもしれないですねー (^∇^)
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仕事で使う、色上質紙(トップブランドは紀州)は、ギンネズ(銀鼠)、浅黄
(語源は浅葱。ねぎの白からみどりへのグラデーションで、うす青みのと
ころ)、萌黄、若竹とか、日本の色読みがあって楽しいです。
ちなみに「代金はロハで」の、“ロハ”は、只(タダ)の文字バラシですねー。
完成したら見ることができない景観。
今日の東京、関東域は大変な天気でした (´□`。)
写真は28日の夕刻 19:30ぐらいのスカイツリー。
地図の上なら、鉛筆で線がひけそうなぐらいクッキリの前線! (^∇^)
第一展望台が完成して、そのうえが積み上がってきています。
展望台には工事用の照明が灯っていますね。
完成後のイルミネーションはそれはきれいなことでしょう ♪
東武鉄道グループのナンタラさんがおっしゃってました。
完成したら何十年も、いつでも見ることができる。
でも、積みあがって、こうやって完成途中のスカイツリーは
今しか見ることができまっせん!と。
思うに、ちょっと早めのPR活動なわけで (^▽^;)
年間2500万人の集客を見込んでいるそうです。
↑TDLと変わらない動員数らしいです。。。
ちょっと皮算用もすぎるような気もするのですけれど。
「話し半分。」 Hospitalization life. #4
工作機械に足を挟まれて、膝下を怪我した西さんに面会人はなかった。
わたしが入院しているあいだに一度だけ仕事先の総務担当らしき人が
事務的なことで来ただけだった。小声で話したところで、2メートルも離
れないところには山田の奥さんがいるわけで、もうそれは西さんと一緒
に説明を聞いているようなものだなと思った。
細おもてで、彫が深くてウェービィな髪。五十歳でも素足にローファー、
派手めのシャツが似合いそうな、そんなキャラクタ。髪の赤みが強いの
は個性なのか、日焼けのせいか。
不機嫌な表情はなかったと思う。西さんは、いつも穏やかな表情だった
けれど、その分、淋しがりやだと感じたし、好きこのんで一人だけでいる
のではないことはわかった。
日中の病室は、いつもの四方山話し。テレビの話題がネタ切れになると
もっぱらむかしばなしや、身の上ばなしが話題となる。堀口さんは若い
ころはイイ暮らしをしていたんだと、その自慢ばなしに大概なっていく。
「 ・・・話し、はんぶんだからね、シャンくん 」
山田のおかみさんは、堀口さんがいなくなると
よく笑いながらそういった。
堀口さんは病室の外でも、いろんなひとと話をしていた。でも西さんは
聴き手にまわるほうが多かったように思う。そんな西さんの身の上話し
を聞いた。
西さんは、地方から出稼ぎで上京して、そのまま一人暮らしに勝手に
シフトしてしまったひと。あまりに長い家族との音信不通の末に、一度
帰ってみたときには、アパートには違う住人が暮らしていたらしい。
二人の娘さんまでいたらしいけれど、彼のなにがいったいそうさせたの
だろう。理解はできなかった。
林くんのお母さんは、都バスの停留所のタバコの吸殻いれ(当時はあ
った)から、吸いかけのタバコを拾っている松葉杖の西さんを見たん
だよと、大工の山田さんや、おかみさんに話していた。
林くんのお母さんも、山田のおかみさんも、西さんのかたは持たなか
った。身の上に同情するようなことはなくてきびしかった。でも口は悪く
ても、ののしる物言いはなかった。
退院したらちゃんとしなきゃね、と口癖のように。
そんななかで、山田のおかみさんは、ヘルニアで入院してる、だんな
さんの身の回りのものを買ってきたときに、黙って下着を西さんに渡
したのを見たし、大工の山田さんもタバコを買ってきてもらったときは、
西さんにわけてあげたりしていた。
わたしと年も近かったベッドの林くんは、けっこう我がままにふるまう
青年で、林くんのお母さんも息子のいうがままに菓子類を大量に買っ
てくる。林くんのお母さんはそれをしょっちゅう、お福分けしてあげた
りしていて、そんなみなさんからの好意を、西さんはにこにこしながら
受けていた。
西さん あれから 家族と会えたのだろうか。
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たかだか、三月ほどの入院でしたがいろんなヒトを知りました。
若いころって、ヒトを知らないです(わたしが、ですがw)
知り合えるヒトたちに教わったのは、
いろんな境遇があること、そして思いやり、人情でしょうか。
会社と会社の寮ぐらしだけでは、経験できなかったことが多くて、
事故もそのリハビリも大変ではあったし、
わたしの両親や姉貴らにも心配をかけてしまったし。
今となれば、あの入院はありがたいことだったと思えてます。
※内容はリアルですが、必要と思う箇所は変えています
「料理通信」か。なるほど。
読了
ハルキ文庫 【オトナの片思い】
【殺人格差―ミステリー傑作選】の「キミドリの神様」読んでから
石田衣良さんをまた読みたくて、初めて図書館の蔵書検索しました。
そこで、2冊ゲット。
本命といいますか、選んだ石田さんタイトル本は、かの【東京DOLL】。
どうなるかなー。 だいたいのアタリはつけているんですが。
こっちはちょっと、時代物読んでからにするつもりでいます。。。
石田衣良 「フィンガーボウル」
栗田有起 「リリー」
伊藤たかみ 「からし」
山田あかね 「やさしい背中」
三崎亜記 「Enak!」
大島真寿美 「小さな誇り」
大崎知仁 「ゆっくりさよなら」
橋本紡 「鋳物の鍋」
井上荒野 「他人の島」
佐藤正午 「真心」
角田光代 「わか葉の恋」
表題、額面どおり、片思いのアンソロジです。分かりやすいです。
読んでいる作家さん3割、知っている2割、半分は初見。自分より
も世代の若い作家さんって、読んでいないことがよく分かります。
石田衣良さんは、ワタクシしゃんはいよりも若い方と思っていたら、
おない歳でした 笑
読みたかった石田さんは、「フィンガーボウル」。
うーん。・・・目移りしてしまいました。そのあとの作品に 笑
井上さん「他人の島」は、親友の若かった頃の行動に重なって
センモン学生だったそのころの彼を思い出しました。
(スッパイねぇ.)
取りの「わか葉の恋」。角田光代さんやっぱり良かった。
イチバン印象に残ったのは、山田あかねさん 「やさしい背中」。
番組ディレクターのリエコと、海外ロケ先で組んだカメラマンとの
お話し。仕事一筋の彼女が仕事の中でカメラマンへ思いを寄せつ
つもイカンイカンと。
狩野カメラマンの意外な行動にワタクシ、共感覚えてしまいました。
でも、リエコはちゃんと(葛藤は凄いものがあっても)外さずに応え
ていく。このあたりが、オトナの片思い」ぞ、ふんぬっ!と思ってし
まいました。
もっと若い世代の方の小説なら、この手のストーリーは集めなくて
も、すぐに読めそうです。要は、ちゃんと「オトナの」片思いを経験し
てきた皆さんの作品だから違いの分かる(・・・) 年齢で、なお面白い
のかもしれません。
でも、こういう趣向はもっと年配の方の作品でも、きっと面白いと思
います。
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末巻の初出一覧で、全作品が
「料理通信」(2006-2007)となっていました。
読み終わってから、あー、そうかそうか、って。
だから食事や、料理やレストランとか
そういった場面展開が多かったのか!と分かった次第です (^▽^;)
『Two Billion Light-Years of Solitude.』
読了
谷川俊太郎 【二十億光年の孤独】
発刊:2008年2月
著: 谷川俊太郎
訳: W.I.エリオット、川村和夫
「二十億光年の孤独」は谷川さんのデビュー作品。
おんとし七十九歳の詩人、十代とハタチの頃の作品集です。
お得な再版一冊。後ろから左開きで英訳がついています。そして本編との
間の折りには、谷川氏のエッセイ、そして本作品の直筆ノートのコピーが
はさまっています。
共著もある山田馨氏の解説は読まされました。。。
俊太郎の父、哲学者の徹三氏に、若き逸材として見いだされるのですが、
直筆のノートには、父親の添削が入っています。鉛筆書きのため薄くて
見づらいですけれど、「?」があったり、天側の書き出しには、「◎」とか、
「○」とかで評価まであります。
社会生活に馴染めない息子にそれは心配もされたとのこと。身の振りを
問い詰められた俊太郎は、その場しのぎに近い感じで、作詩ノートを父親
に見せるわけです。そしてそのノートに散りばめられていた才能に驚く父、
徹三氏が、息子のデビューを手伝っているのでした。 いいお話しです。
十代のピュアな精神はやはり、生命や自然に向いていて、読んでいると
自分もその時代の“清純さ”を取り戻せそうな気になりました。
これはきっと、「若返らせの詩集」 なのだな (^∇^)
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帯は「ワンコインでドキドキさがそう」の集英社のキャッチ。
出版各社は夏の拡販営業展開中♪ちなみに集英社は、
ワンピース・キャラのコルク製コースタですっ (^∇^)/
わ!懐かしの『足寄より』
こんなんも出ました。
とってもなつかしいです。松山千春さん ♪
一番に、エンディングのリフのみ。
短いので、懐かしめる方は是非に。
当時、都会で暮らす地方出身の若人をどれだけ
励ましてくれたことか。
はい、わたしも (´□`。) ミーツー







