最後となりましたご主人さま。
読了
P・G・ウッドハウス 【シーヴスとねこさらい】
国書刊行会 2012年1月
訳 森村たまき
語彙のちょっと足りないご主人さまはバーティ。頭のきれる執事シーヴス
は、ご主人様の、あーうーを、「・・・と言うことでございますね」と毎度そつな
いフォローで応じます。
たぶん3冊ぐらいは読んでいると憶えますが、シリーズ最終巻となった本作
も緊迫感とは程遠い、のほほんとしたストーリーが展開します。
バーティとシーヴスの二人の会話というか、問答がこのお話しの面白みと
なっていて、まるで漫才のような可笑しさがあります。
毎度登場するおなじみのアガサ伯母さんに今回は振り回されます。競馬の
ギャンブルにのめり込んだあげくに争う競走馬に精神的なダメージを与える
ため、競走馬と仲の良い、猫をさらってしまうことを思い付いてしまいます。
さてはお人好しのバーティ、どんな策を講じるのか ・・・といったストーリー。
幅広くだれもがきっと楽しめると思います。
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東京国際ブックフェアの国書刊行会のブースで、色相を違えた14冊が束を
並べていたのを憶えています。ウッドハウスのファンの本棚には、きっときれ
いに並んでいることでしょう (^∇^)
ずっと邦訳をされているらしい森村さんも最後の作品となると
ちょっと感慨深くなられたのではないかなぁーと思ったりしました。
グランオープン57日前。
月曜日の帰宅は、22時ぐらいにJRからの東武線へ乗り継ぎ。
JRの改札口は、足元が見えないぐらいの人ごみで、
いったいどうしたんだろ?という感じ。
都内でなにか大きなイベントでもあったのかいな、
と思うぐらいの混みようでした。
構内には、柱に合わせたディスプレイ。
スカイツリーのオープンまでのカウントダウンが行われています。
関東域では、東武グループのテレビコマーシャルが流されていて、
"浅草 ― スカイツリー ― 日光”のイメージで集客中 (^∇^)
仕事からみの雑誌で、首都圏から栃木、日光への交通機関として
東武鉄道の増収を見込んでのスカイツリーであるとの記事がありました。
夜更けに乗車すれば、翌朝には到着する尾瀬夜行。
一度は乗ってみたいなー (^-^)/
「業平橋」駅は、「とうきょうスカイツリー」駅と、改名。
変わりたくない昔ながらの地域のみなさんも少なからずいらっしゃるはず。
隅田川に架かる橋は、どれも江戸下町の名残を彷彿させる
名称となっていて、このナリヒラバシもそう。
と言いつつも、スカイツリー目当ての旅行客の支出は、
地元地域に還元されるわけですから。
皮算用もすごいのですが、
実際に相当タイヘンなことになりそうな予感がします。
ハトバスも、スカイツリーに関わって、新たに
12路線を拡張したそうで、その新聞広告も以前に見ました。
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三ヶ月ぐらい先まで、展望のチケットは押えられていて、
ご近所界隈の住民が景観を楽しめるようになるのは、
ソウトー先のことになりそうです (´□`。)
因みに、ハトバスでは、展望のチケットが込みになった観光路線が
あるようなので、東武トラベル、及び取り扱いの観光ガイドショップ
で手に入れることが、遠方から観光に来られる皆さんには、
最も堅実な選択かなぁと思いました。
主人公は空中浮遊。
読了
辻 仁成【右岸】
集英社 2012年2月
単行本は2008年。今回、文庫本で辻さんは初めて読みました。
上下巻で約900頁の長編。
主人公、祖父江九はエスパー。その特異な能力ゆえに波乱万丈の生涯
を送るお話しです。読み出しは回想、本編は各章ごとに主人公のその当
時の回想をキーに随想録のような体となっています。
主人公の時代設定が私とピッタリ。(著者の辻さんもほぼ同じ実年齢)
昭和中庸の、まだ戦後の余韻が仄かに残る昭和35年ぐらいから以降、
高度経済成長期の只中にあって、ユリゲラーとか、スプーン曲げ少年が
メディア登場しました。実経験だから考証もいらないし、辻さんにとっても
扱いやすかったと思われます。
少年にして、すでに悟りの境地に達したような主人公は、世界中を旅する
中で以外に俗的な思考、世渡りをしていきます。自我とか、嫉妬やいろん
な欲に溺れていってしまうわけです。物語り中盤にあって、けっこう大事な
ところでした。執拗に(笑)幼年期の回想が繰り返されます。幼なじみの女
性、茉莉に対する一途な思いは、だれしもの初恋、片思いの実体験へと
つながるように思われます。
性描写はストーリーとちょっと浮いている感じ。なんだろう、そのあたりだけ
辻さんが描きなれないのか、あえてそんな伝え方をしたかったのか、なと。
下巻にあっては無くてもよかったかな。
人生にまつわるいろんなテーマを含んでいます。
大人の文芸エンタメということで。
この辻さんの「右岸」は、江國香織さんという方の「左岸」と対の物語りに
なっているようです。お父さまの江國滋さんのエッセイは読んだことがあ
りますが、香織さんはまだ。 どうかな、「左岸」で読むかなぁ。
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実は先週、図書館の貸し出しがちょっと都合あってできなくて、
長めの文庫を駅なかの本屋さんで選んだ、というところでした。
さすがに通勤読書一週間で全編は読みきれず (^▽^;)
偶然にも、愉快だったのが
上巻の読み終わり水曜日の帰宅途中。
自宅の最寄り駅に電車が到着して、乗降口が開く
キッカリのタイミングで最後の一行を読み終える!という、
今までに無い区切りの良さを味わって
驚きやら感激やらで、満足(笑)
響子。
読了
吉田修一 【静かな爆弾】
中央公論新社 2008年2月
主人公は、テレビの制作部で昼夜無く仕事に没頭する独身男。
基本は、ありがちな恋愛小説。仕事と恋と、どっちが大事なのよという
お話し。「爆弾」は、戦争のそれと、感情を比喩。静かな、というトコロが
上手いな (^-^)
もう10年ほど前の事件ですね、アフガニスタンのバーミヤーン遺跡の
磨崖大仏がターリバーンによって爆破された事件、実話のスクープに
関わって情熱を傾ける主人公。
出会った女性と恋愛が始まりますが、ちょっと違ったのは彼女の個性。
響子は耳が不自由。聴覚障害者とのコミニュケーションは、けっこう
リアル感があってそういう意味で、ためになった気もします。
主人公が両親に彼女を 初めて紹介した時のちょっとしたゴタゴタも、
あぁ、そんなものかもしれないなぁ、と思わせてくれました。
でも、通い妻のような彼女との生活が続いていく中にあっても手話を
試みるというか、そういうごくごく一般的な意思疎通の手段が登場しな
いというのも、ちょっと不自然な気もしましたが。
吉田修一さんは「パーク・ライフ」ぶりの再会。都会の公園が吉田さん
はお好きなんだなーと思います。思い出すにエアー感は一緒。
それこそ、春先の公園の木々の下にでも寝転がって、読んでみたり
するのがいちばん楽しめそうな気がする、お話しでした。
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バーミヤーン遺跡の大仏が破壊されるシーンが
ターリバンによって撮影されていて、
映像はニュースで流れました。
物語りに沿って当時を思い出しました。
なんとも表現しがたい、
空しい思いでいっぱいになったのを思い出します。
もちろん世界中から非難されましたけれど
殺し合いは、戦争は、諍いは無くならないものかなぁ (´□`。)
小唄はパンクロック。
町田康 【人間小唄】
講談社 (2010/10/19)
子猿を抱く母猿・・・。
純文学を装ったこの表紙絵にだまされてはいけません。
なんたって、まちだこうさんのお話しだから (^▽^;)v
自作の歌を無断引用された主人公がその作家をいたぶるという復讐劇。
アナーキーです。ノリだけで完成した小説がこれ。町田さんの作風を知
らずして読み通すことは難しいかもしれません。
序盤、盗作作家の評論以降、多少辛かったですが、中盤の勢いは凄ま
じく、町田さんのビートに乗せられてしまいました。まさにパンク小説。
どう考えてもチマチマと、テキストが綴られるイメージはわきません。
怒涛の勢い、まさにリズムに乗ってガーッと書き進んでいく様子が伝わ
ってきます。推敲なんてもう論外でしょう。
演奏を終えた!ハァハァ!!歌いきった!!! ・・・正にそんな作品。
ストーリーは何でもあり。監禁先から脱走する作家が抜け出した町は、
荒野となっていて結局、監禁先に戻るしかない。ケータイ電話も主人公
からはつながるが、作家は誰にもつながらない。かと思えば、謝罪行為
として街中でラーメン屋台を出すように強要される中で作家の行動は、
あらゆる場所に設置されたカメラでモニターされていることになってい
るし。
人生とか思想とか愛とか、もうそんなモノとまったく異なる次元で、小説
のフリをした、自己表現、パフォーマンスがここにあるという感じ。
読書の好きな方、未体験なら一度は読んで頂きたいと思います (^∇^)
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今日は、早朝に雨がパラつきましたが日中は、すっかり春めく
一日でした。
潮来の義兄のところへ出かけました。震災の被害に、二世帯
住宅は基礎からの修繕をなんとか終えて、今は、外構工事の
やり直しの最中。
ブロック塀はすべて積み直し。玄関回りも土の入れ直しからで
したから、もう、改修工事のレベルではありませんでした。
一年経っても、町全体は被災した一年前とあまり変わっていな
いというのが感想です。実際には、工事着工しているのですが、
どこを見ても完了していないために、そんなイメージがついて
くるようです (´□`。)
慈生院グレ子。
ケン坊の四十九日も終えました。
そしてまた慈生院へ行きました。
毎度、接客の猫は、
今回、手作りのかわいい首輪をしていました。
プレゼントされたのかな。
どれどれと、見せてもらうと名前が (^∇^)
彼女の名は、 慈生院グレ子。
まるでソノスジの"あねサン”みたいで 笑った。
いつのまにか自分の仕事と理解したのか、
花を手向けにいきますと、必ず接客してくれる
慈生院グレ子なのでした。
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20日は義父の墓参りに 潮来まで行ってきます。
往復約200キロ。運転手ガンバル (^▽^;)/
KOMODO・DRAGON.
珈琲、今回はお店まで行って買って来ました。
図書館の帰りに、通り沿いのスターバックス新鎌ケ谷店へ立ち寄り。
数日前に発売なった「ブロンドロースト」は
飲みやすいタイプだそうで、おススメ頂きましたが
・・・いえ、深煎りが好きなのでとお断りしました(^∇^)
しっかりした珈琲感がスタバの個性だったように思っていたわけですが
やはりニーズはあって、スムージィな商品も揃うわけですね。
ダークローストは「コモド・ドラゴン・ブレンド」。
インドネシアとパプアニューギニア産のブレンドだそうな。
250gで1400えん。
100gで500円台だからそう高くは無いです。
さっそく美味しく頂きました (^-^)/オイシカッター!
平日(帰宅の時間もあって)に飲むことは、ほとんど無いので、
週末は、金曜日の夜から、土日の朝昼晩と飲みます。
これで、2週間分、といったところです。
新製品のPRグッズ。ストラップ頂きました (^∇^)
ケータイのストラップがちょうど壊れてしまったので、
かわいいから使いましょうかしら。
友幸って義兄名に一致(笑)
読了
円城塔 【道化師の蝶】
講談社 2012年1月
世界中の不特定の国で、多言語で唐突に発見されていく“トモユキトモ
ユキ”の作品。その小説家を追いかける資産家は、飛行機の中で見え
ない蝶を捕まえようと特製の捕獲アミを振り回す。その資産家に雇われ
て捜索活動をレポートする主人公。
蝶は言葉の象徴。だから言語や文字が、物語りの中で、具体的にあら
わになったかというとそうでもなく。もちろんそういう楽しみ方をする小説
でもないのでしょうきっと (^∇^)
通勤読書が基本になるのですが、断片的に章ごとに読んでいって特に
問題なし。しおりの納まりはよかったです(笑)つまり、ストーリーの追従
を“止められない”というような小説ではなかったです。変な言い回しで
すが、筋を追って楽しむ物語りではないなーと感じました。
「もらってやる。。。」の田中さん(^▽^;)
今回の下期芥川賞で話題になった「共喰い」の作者。もう一人の受賞が
この円城さんの作品。受賞作品をあえて、選って読むことはしないので
すが、ご縁がありましたね。独特のエアー感があって、あーこれが、
現代に選ばれる純文学なのかぁ、という感想です。
評価されるモノが、自分の価値観といっしょじゃない、ということもまた、
意義あることでしょう。 円城さん、また次の本との出会いに期待デス。
(^∇^)
おひさしのアリス。
読了
有栖川有栖 【長い廊下がある家】
光文社 2010年11月
久しぶりのアリスさんは短・中編の4作品。
「長い廊下がある家」
「雪と金婚式」
「天空の眼」
「ロジカル・デスゲーム」
表題「長い廊下がある家」は、
誰だろう?時点で、犯人像を捕らまえてしまいまして、ちょっとザンネン。
殺人現場が入れ替わるというロジックはさすがに想像だにしませんでした。
お驚きのトリック。(ある意味“そんなぁ”w)
「雪と金婚式」は、
原作に忠実にテレビドラマになって楽しめる展開だなぁと思いました。
雪の降った時間帯が地域の天気予報と一致しない。だましとおすために
家人まで嘘を貫く犯人。でもそれはちょっと悲しい。
「天空の眼」は、
有栖川さんらしいというか、ミステリモノとして楽しめました。なぜ心霊写真
だと奪い取ったのか、犯人のこだわりが背景の草むらにあったわけで、
そんなことないだろうーと思いながらも霊的な展開かなぁと読み進めました。
「ロジカル・デスゲーム」。
最後の一編がイチバン短かったのですが、一番楽しめました。
こういうストーリーは、先出の「雪と金婚式」のようにテレビドラマには向か
ないでしょう。張りつめた緊張感が伝わってくるのは、小説ならではという
ところです。火村助教授の独断場、そんなお話しでした。
さくさく、さらさら。 楽しみました (^∇^)













