大正文化はガリ版文化。
読了
志村章子【ガリ版ものがたり】
大修館書店 2012年3月
謄写版。通称、ガリ版。
ガリ版印刷に関わる古今東西のお話しがまとめられています。志村さん
の情熱、すごいです。
時代は、明治、大正、昭和となりますが、発明に始まり、機材の発展から、
戦争、政治、文壇、そして教育までまで。ガリ版印刷に関わりのあった方
たちとの特に気に入った章をちょっと詳しく。
「BANDO収容所印刷所」
第一次世界大戦は日独戦争、チンタオで捕虜となったドイツ人が徳島の
収容所の中で発刊したガリ版刊行物にまつわるお話し。収容所ではオー
ケストラの演奏会があったり、ビジネスも成り立つし、ガリ版印刷による
印刷物まで自由に制作できていた!ということにはちょっと驚き。
「わが名はガリ版文集」
教育体制の変革にあって、ガリ版印刷はとっても重要な役割りを担って
いたのですね。ガリ版あればこそ。大正期に発刊された“白樺”はもちろ
んガリ版刷り。学習院出の武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎らの文
芸同人誌に熱を上げる先生たちがいらしたわけですね。
そう、自由主義教育にシンクロする大正デモクラシ。
そうでした、小学校で配られ自宅へ持ち帰る印刷物はガリ版刷り。テスト
プリントも時にはインキの盛りが良い部分で手が汚れたりしました。
そうそう、ガリ版のインキの臭いはいろんな想い出を連想させてくれます。
給食のパンの香りだったり、牛乳の匂い、そして掃除用具入れの雑巾の
臭いに体育用具倉庫の運動マットと石灰の臭い。
あの頃は、給食のコッペパンをガリ版刷りの小テストとかに包んでランド
セルに入れておくとインキがついてしまってたりしてた。乱暴な子は、そ
のまま入れてたし。だから、ランドセルの中には、大概パン屑がけっこう
な量入ってたように思うのです (^▽^;)
人はそれとともに生きることができる。
読了
ミシェル・ロスタン【ぼくが逝った日】
白水社 2012年5月
翻訳 田久保麻理
喪った哀しみは、忘れるでもなく、乗り越えるものでもなく、それとともに生き
ていけるのだよと、父親の親友ダニエルは語ります。
リアルを元に作家は息子の立場で、彼の言葉をかりて思いの丈を語ります。
つまり全文が、死者の語りでもあるわけです。めずらしいですね、こういう
アプローチ。とってもおもしろかったです。
但し、涙に濡れすぼった頁が続きますから、元気があるときでないとちょっと
辛いかもしれません。通勤読書中も幾度がウルウルしてしまいました(^▽^;)
揺さぶられるのですが、コメントしずらい読了感。悲しいお話しです、だけで
は、おさまりません。
息子が使っていた寝具をクリーニングに出す親父は、道すがらブランケット
顔をうずめます。づっとそうしていたい。息子を感じていたい。本当は長い間
洗っていないから臭いのですが。何倍も遠回りするし、お店が大繁盛してい
て、ずーっと待たされることを期待する。なのにクリーニング屋はガラガラ。
あっさり奪い取られてしまう父親。。。
他にもいろいろありますが、わたしは
ココの短いストーリーに一番やられました。
田久保さんの訳もいいなぁ。切なくて切なくて涙枯れるまで泣きつづける時
があっても、やはり生ある限り、悲しみに暮れるばかりではいられない。
そんなリアルがふとした日常の可笑しみ、躓いてよろけたり、勘違いだったり
仕事だったり、いろんなこと。悲しみの淵にあっても、生きていくなかで生きる
ために必要な感情は勝手に湧き上がってくる。それでも忘れまいと亡くした息
子を思う両親。何かにつけて生きていた時のすべてにつながりがあるかのよ
うに思えて歓喜する。奇跡がおきる!(大騒ぎしてもでもちゃんと冷静)
作者のミシェルさんは演出家。そしてこの作品が処女作。すでに受賞歴ある
ようですが、これからも評価されると思います。田久保さんおっしゃるように
これからが楽しみな気もしますが、でもこの作品以上を期待してもいいのか
なーと、ちょっと思ったりも。
新しい作家の印象的なお話しに出会いたい方に是非おススメします。
与論島へ嫁いだ娘さん
おみやげに頂いたおせんべい。
娘さん家族に会うため、年に3回は千葉から与論島へ行かれるそうな。
製造元の会社名は、驚きの
「株式会社ヨロン島」 (^▽^;)
ググってみました。
二枚入りで税込105円はお値打ち 笑
与論島煎餅にチョコレートをサンドしたチョコレート煎餅。
黒糖とチョコは以外にマッチ♪
素朴な味わいとなってます。
扉を叩いたのはゾンビだったのかどうか。
読了
有栖川有栖【妃は船を沈める】
光文社文庫 2012年4月
ちょっとひねった二部作の長編推理小説。
(ブログタイトルにしてしまいましたが)、願いがかなう西洋話し「猿の手」あた
りで、ひょっとするとオドロオドロシイ方向にいっちゃうのかなーと。今回はア
ウエーか?とも思いましたが、火村、有栖川のコンビ、いつものホーム試合と
なりました 笑
間つなぎの章は、よくひねられている分、逆に、自分には、上手く伝わってこ
なかったですが、(勘ぐり過ぎということかな)前後のお話しは飽きることなく
ずんずん楽しめました。
タイトルも含めて(あとから気づきましたが)、犯人あての小説ではない向き
に練られているようでした。自作自演の犯罪がどこまで可能なのか?みた
いなアイデアで進みます。面白かった。
新キャラも登場。シリーズの今後もまた楽しみです
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみに、駅ナカの東武ブックスでカバーしてもらうと、
オモテはこれ。
で、裏面は・・・
コレです (^-^)/
桔梗枝丸
下中菜穂 【渦巻ぐるり】
工作本。カッターで絵柄を切り抜いてその造形と、まつわるお話しもプラス造詣、
”wゾーケー”を楽しもうというものです (^-^;)/ チガウカ.
「渦巻ぐるり」は、トモエのバリェーションにはじまり、ワラビ巴、丸に三本ワラビ、
瓢の丸と続きます。下中菜穂サンという方がコラムを書かれていますが、本文
中のそれぞれの解説もふくめて、とっても楽しめるメッセージが添えられていま
す。ためになりました。
この意匠は、桔梗枝丸 だそうです。
このアンシンメトリのセンスよさw
右下に葉突端がはみ出すあたり、パチパチ (^∇^)y”
シンプルなデザインの中に閉じ込められたメッセージ、物語りまで感じることが
できます。江戸時代、庶民も使い始める家紋。よっしゃ!どんなモンにしようか
なぁ-、なんて、知恵を絞ったんでしょうね、きっと。ユーモラスなものも多い。
楽しかったろうなと思います。
縦型の「渦巻ぐるり」のほかにも、ちょっと思うところがあったので、「紋切り型」
シリーズ初期の「風」と「花」も購入。
こちらは「渦巻ぐるり」のような冊子が付いておらず、工作志向が強くて、ちょっ
と当てが外れましたが…。 欲しかったところは一応、頂けました。
カッコイイものからユニークなものまで。いったいどんなヒトが思案したんだろう
って。アートでいう遊びごころはもちろん、グラフィックデザインとしての完成度
の高さを感じずにはおられません。
思うに“型”というのは同じものを要領よくつくることができる手段。プレス、射出
などそんな、MassProduction の原点でもありますね、きっと。
もうすでに・・・忘れそうだし。
読了
式貴士【窓鴉】
光文社 2012年2月
光文社文庫 抒情小説コレクション
再読。といっても遥ぅーか、むかしです。やっぱり面白いなぁ。
星新一さんの「ブランコのむこうで」と一緒に買ってくるのも自然な
感じで。毎晩遅かったのですが、先週末はちょっと早くて、本屋さん
で道草。久しぶりに駅を過ごして、サンストリートへ。
TUTAYAでは、式さんと、山本一刀さん「八つ花ごよみ」。
店を出てモールをうろつくと、照明もちょっと、ほの暗い通路に
「古本市」のノボリがこじんまりと立て掛けられていて、ついつい
街灯に集まる蛾のようにそちらへ(笑)、古本の物色。
星さんの一冊、真梨幸子さんは「殺人鬼フジコの衝動」、京極さん
は「死ねばいいのに」をハードカバーで。
先々月あたりに読んだ、山崎洋子さんの「人魚を食べた女」から、
インスピレーションが沸いたのが式さん。ずいぶんと会わなかった
友人と久しぶりに出会った感じです。
文庫での新刊なんですね。うれしい。
時間を逆行するというSFストーリーはいくつもありはしますが、
タイトルも忘れていましたが・・・「Uターン病」でした!こんな些細な
ことですが、本との廻り合わせに喜び感じるこのシアワセ。
巻末エッセイは、瀬名秀明さん。
彼の語る式さんの世界、そして読書に対する思い入れにとても共感。
そうか、読んだお話しは忘れてもいいもんなんだな、っと一安心。
読書の備忘録、ちょっとサボりました (^▽^;)
できるだけ巻き戻して書き残そうと思います。
仕事もピークでしたし、飼い犬ともそして、身内にも別れがありまして。
シバラク気持ちも萎えてしまいましたが。
もう大丈夫、きっと大丈夫。
ぶん、ちゃっ、ちゃぁ♪
邦題は直訳ママ、「あなたが欲しい」なんですが。
メロディの明るさとちょっと違うんじゃないかなと(^▽^;)
聴きなれたメロディをこうやって弾けるのは楽しいものです♪
ゼンゼン暗譜できていないので力任せになっていますが。。。
ソラで弾けるようになったら、もっと優雅な演奏に
なるものと思いますっ。
ミント母さん逝く。
一昨晩の未明でした
朝起きてみると、眠るように息を引き取っていました。
低温症で、ずっと36.2度しかなくて、
暖房を入れて毛布をかけてあげていても体温はあがりませんでした。
一週間ほど前から食事もままならなくなっていました。体力はおちても、
食欲だけは旺盛だったので、ちょっと気もゆるむところもありました。
病院で一日おきに点滴をうけながらでしたが、自力でトイレや水のみの
場所への移動が徐々にできなくなっていました。
やっぱり、生きるということは、食べるということなんだなと、
そんなふうに実感しました。
心しているつもりでしたが、悲しさはやっぱり、
こなくていいのに、どこからともなくやってきます。
(先月のお花見散歩、カートにて)
思えば、彼女がいなければ、ラリー家の大所帯はなかったわけで、
大騒ぎしながらの5頭の子育ては、ミント母さんの甲斐甲斐しい
わが仔への愛情に負けじと世話に明け暮れたつもりです。
小さな命の成長への驚き、そして安らぎと笑いに満ち満ちた
シアワセの日々を、もたらしてくれました。
ほんとーに楽しかった。
もう、サイコーでした。
ミント母さんのおかげなのです。
今日、午後からお寺さんへ行ってきます。
向こうにいったら、幼くして死んだ長女のラン、そして次男のケン坊が
いるから、きっとペロペロと顔中をなめまわして、あげることでしょう。
ケン坊は、「ヤンダヨゥ~」(嫌がるときの鳴き声がこう聞える)
と迷惑がるのかもしれませんが 笑
うどん、うどん、うどん。
読了
椎名誠【トンカチからの伝言】
東武線利用駅にはカウントダウンボード。
もうあと、一週間です (^O^)/
平日は通勤電車の車窓から、勤め先のビルの非常階段から
大きく育つのを眺めてきました。
なんとなく、よくやった!これからも頑張ってなー、という心境
であります。
通勤読書は、先月の「大きな約束」、続刊との2冊に続いての
赤マントシリーズ。週刊文春の2005年と2006年初出から。
先出「大きなー」から2年ほどさかのぼるエッセイです。
思うに、シーナさんがわたしの代わりに日本中、そして世界の辺境地へ
旅してくれているというところなんだなーと最近になって気づきました。
ひとまわりちょっと年上のシーナさんですが「哀愁の町に霧が降るのだ」
にはじまって、読書生活に欠かせないヨミモノで楽しませて頂いています。
(ようするに、同じように歳をとっているんです、ということを言いたいみた
いみたいです、笑 )
中島義道先生の「人を嫌うということ」が面白かったのですが、シーナさん
からも好評。わさわさ旅に出かける中でも本を読まれているわけですが、
哲学者中島氏を絶賛されていますね。「うどんを七七七本」のお話しの中
で「わたしの嫌いな10人の人々」になぞって、同じコトを試されています。
(そのあとのお話しにも再度登場アリ)
でも、大ファンだけれど、絶対にお目にかかりたくない、・・・だそうです。
(まいまいさんとこのお嬢さんは、中島センセに教わっているのにぃ 笑)
こういう読書の連鎖現象は稀というには多すぎるほど経験するので、
なんらかの天の啓示でも享けるのではないかと当日翌日にはワクワク
したりもしますが、実際には何事も無いです。でも気づかないだけでもっと
スケールの大きい出来事とか起きているのかもしれません (^▽^;) ンナコト
「うどんを七七七本」では、高松で美味しい(しかも安い)うどんをタラフク
食べる数日のお話しですが、お腹が空いているときに美味しいうどんの
のどごしや、出汁のアンバイの好さを語られると、どうしても、うどんが
食べたくなるものです。8時前には会社を出られて、時間も早かったので。
あははー、地元駅前のウエストさんへ直行! (^▽^;)
素うどんでかまわなかったのですが、
普通に美味しい「きつねうどん」380円。
(普通に、ってところの微妙さ ... )
博多うどん。創業41年目のチェーン店。
内装が改まってはじめてだったので、室内レイアウトも変わっていて
ちょっと右往左往しました。うどん・そばの大看板には、ちょっと偽りあ
って(笑)、和洋中混濁の一品料理もあり。酒のつまみ、家族来店の
ための品揃えというところでしょうね。
“お好きなだけ”のもやしの御浸し風のトッピングケースがどんぶりに
負けないぐらい堂々と長盆の半分を占拠して届きます。そして、一合
徳利の下1/4ぐらい切り残したような小鉢に、そば麺を揚げた一品が
突き出しサービスで先に出されました。
もやしトッピングは、トング突っ込んで蓋されているので、そのまんま
で済ませましたが、このサービスはちょっと困りました。残せばいいの
でしょうが、出された料理は残したくない性分なので、頂きました。。。
うどんの歯ごたえと、和風出汁の旨味を味わいたかっただけの客には
いらなかったのです、一言先に尋ねてくれれば、ノーって言ったのに、
と勝手に悔やみます (´□`。)
帰宅してからは、“うどん食い”を告げるでもなくフツーに夕餉。
うん?なんか、出汁のイイにおいしない?、なんて唐突に問われたり
したらば、「あー、うー、」と“うろんなヤツ”になったと思う次第です。
(´□`。) アー













