【新薬の勉強④】ニュベクオ錠:前立腺癌治療薬 | らけ@ボストン

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主人の海外赴任に伴い、
アメリカ マサチューセッツ州 ボストンで
専業主婦・駐在妻になりました。

体験したこと・学んだことや、
薬剤師的な観点から医療・薬のことをつぶやきます。
ボストンに留学・駐在・帯同・旅行される方の
参考になれば幸いです。

次々と発売される新薬。

次々と発売される後発品。

 

薬剤師として働いているうちは

わりと自然に勉強できましたが

引退すると

当然ながら自ら調べにいかないと

全く知らない状態になっていきました。

いや、本当に!!

 

引退中はアウトプットする場がないので

(得た知識を患者様に提供する、など)

せめてインプットの記録だけでもしたいな

と、思い、

自分の勉強用に載せてみることにしました。

 

 

 

 

 

今回は、ニュベクオです。

去勢抵抗性前立腺癌に適応を持つ薬としては

国内で4例目ですね。

 

作用機序の異なるアンドロゲン合成阻害薬の

ザイティガは別として、

アンドロゲン受容体シグナル阻害剤として

同効薬のイクスタンジ・アーリーダとの

違いが気になります。

 

 

名前の由来は、

インタビューフォームによると

「特になし」とのことです。

一般名とも名前が似ていないですし

覚えるしかないですね(^^;

 

 

 

 

ニュベクオ ザイティガ アーリーダ イクスタンジ カソデックス オダイン リュープリン PSA 前立腺癌 去勢抵抗性前立腺癌

(写真は、バイエルのHPから転載)

 

ニュベクオ錠

 

一般名:ダロルタミド

 

製造販売元:バイエル薬品株式会社

プロモーション提携:日本化薬株式会社

 

新薬制限解除:2021.5~

 

薬価:

300mg:2311円/錠

 

薬品区分:劇薬

 

 

【概要】

非ステロイド性

アンドロゲン受容体シグナル阻害剤

 

 

【用法・用量】

1日2回 食後

600mg/回

 

(…4錠 分2で、食後しばりですね。

他3剤が分1なので、

他3剤より、飲み忘れが起こりやすそうです。)

 

 

【薬理作用】

アンドロゲン受容体(AR)の

リガンド結合部位へのアンドロゲンの結合を

競合的に阻害する。

また、転写因子であるARの

核内移行を阻害し、

標的遺伝子の転写を阻害する。

これにより、

ARを介したシグナル伝達を阻害し、

アンドロゲン依存性腫瘍の増殖を抑制する。

 

さらに、

既存の薬剤とは異なる特徴的な化学構造

(極性基を有するピラゾール環など)

を有しており、

ARと高い親和性がある。

より強力な阻害作用を発揮すると

期待されている。

 

参考:

去勢抵抗性前立腺癌

(CRPC:Castration Resistant Prostate Cancer)

 

 

【特徴】

[適応が異なる]

ザイティガ:

去勢抵抗性前立腺癌

内分泌療法未治療の

ハイリスクの予後因子を有する前立腺癌

 

イクスタンジ:

去勢抵抗性前立腺癌

遠隔転移を有する前立腺癌

 

アーリーダ:

遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌

遠隔転移を有する前立腺癌

 

ニュベクオ:

遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌

 

(…他臓器に転移のないCRPCに

使用できるのが利点ですが、

分2の食後しばりがあるぶん、

アーリーダより使いにくそうです)

 

 

 

[血液脳関門の透過性]

イクスタンジ・アーリーダより

血液脳関門透過性が低いため、

中枢性副作用の発現率が低い。

 

 

[CYPとの相互作用]

イクスタンジ・アーリーダより

CYPとの相互作用が少ないため、

併用注意薬が少ない。

 

 

[消失半減期が短い]

消失半減期が14~15時間のため分2

 

 

[食事の影響]

空腹時に服用すると効果減弱のおそれ

→食後服用

 

 

 

 

【英文での簡単な説明】

This medicine restrains 

the increase of the cancer cell.