次々と発売される新薬。
次々と発売される後発品。
薬剤師として働いているうちは
わりと自然に勉強できましたが
引退すると
当然ながら自ら調べにいかないと
全く知らない状態になっていきました。
いや、本当に!!
引退中はアウトプットする場がないので
(得た知識を患者様に提供する、など)
せめてインプットの記録だけでもしたいな
と、思い、
自分の勉強用に載せてみることにしました。
今回は、ニュベクオです。
去勢抵抗性前立腺癌に適応を持つ薬としては
国内で4例目ですね。
作用機序の異なるアンドロゲン合成阻害薬の
ザイティガは別として、
アンドロゲン受容体シグナル阻害剤として
同効薬のイクスタンジ・アーリーダとの
違いが気になります。
名前の由来は、
インタビューフォームによると
「特になし」とのことです。
一般名とも名前が似ていないですし
覚えるしかないですね(^^;
(写真は、バイエルのHPから転載)
ニュベクオ錠
一般名:ダロルタミド
製造販売元:バイエル薬品株式会社
プロモーション提携:日本化薬株式会社
新薬制限解除:2021.5~
薬価:
300mg:2311円/錠
薬品区分:劇薬
【概要】
非ステロイド性
アンドロゲン受容体シグナル阻害剤
【用法・用量】
1日2回 食後
600mg/回
(…4錠 分2で、食後しばりですね。
他3剤が分1なので、
他3剤より、飲み忘れが起こりやすそうです。)
【薬理作用】
アンドロゲン受容体(AR)の
リガンド結合部位へのアンドロゲンの結合を
競合的に阻害する。
また、転写因子であるARの
核内移行を阻害し、
標的遺伝子の転写を阻害する。
これにより、
ARを介したシグナル伝達を阻害し、
アンドロゲン依存性腫瘍の増殖を抑制する。
さらに、
既存の薬剤とは異なる特徴的な化学構造
(極性基を有するピラゾール環など)
を有しており、
ARと高い親和性がある。
より強力な阻害作用を発揮すると
期待されている。
参考:
去勢抵抗性前立腺癌
(CRPC:Castration Resistant Prostate Cancer)
【特徴】
[適応が異なる]
ザイティガ:
去勢抵抗性前立腺癌
内分泌療法未治療の
ハイリスクの予後因子を有する前立腺癌
イクスタンジ:
去勢抵抗性前立腺癌
遠隔転移を有する前立腺癌
アーリーダ:
遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌
遠隔転移を有する前立腺癌
ニュベクオ:
遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌
(…他臓器に転移のないCRPCに
使用できるのが利点ですが、
分2の食後しばりがあるぶん、
アーリーダより使いにくそうです)
[血液脳関門の透過性]
イクスタンジ・アーリーダより
血液脳関門透過性が低いため、
中枢性副作用の発現率が低い。
[CYPとの相互作用]
イクスタンジ・アーリーダより
CYPとの相互作用が少ないため、
併用注意薬が少ない。
[消失半減期が短い]
消失半減期が14~15時間のため分2
[食事の影響]
空腹時に服用すると効果減弱のおそれ
→食後服用
【英文での簡単な説明】
This medicine restrains
the increase of the cancer cell.