メイラックスのジェネリックで中毒疹 | kyupinの日記 気が向けば更新

メイラックスのジェネリックで中毒疹

一般に抗不安薬や睡眠薬は、半減期が長いほど、先発品とジェネリックの相違が患者さんにはわかりにくいように見える。つまり、このタイプはジェネリック変更時に違和感を感じる人は稀である。

このジェネリックは合わないなどと苦情が出る薬は、ロヒプノール(サイレース)、デパス、ソラナックスが挙げられるが、その相違に気付ける人は20名に1人くらいだと思う。

デパスはジェネリックを先発品に似せて作るのが難しいためか、ジェネリックの効果の方向性が複数あるようである。また、その詳細を説明できる患者さんがいる。驚くことに、ジェネリックでないと先発品のデパスでは効果が物足らないと言う人までいる。

たぶん、血中濃度の立ち上がり方や、半減期に相違があるのではないかと思った。

半減期の短いタイプで、ジェネリックで苦情が出にくい薬としてハルシオンが挙げられる。ハルシオンは極めて半減期が短く効果も強い薬だが、ジェネリックが正確に製造しやすいためか、あるいは強烈すぎる効果のためか、差がわかりにくいのかもしれない。

自分の患者さんで先発品のハルシオンでないとダメだと言う人は1名だけである。

メイラックス、ユーロジン、ドラールなどのようにダラダラ長く効くタイプは極めてジェネリックに移行しやすいし苦情も出にくい。効果の温和なセロクエルもあまりジェネリックとの差がわからないようである。

しかし、こんなことはたぶん初めてだが、メイラックスのジェネリック変更後、突然、中毒疹が出た人がいた。

これはジェネリックの出来が悪いわけではなく、例えば、錠剤の形状を安定化させる何らかの化合物に反応したのではないかと思われる。ジェネリックはそこまで同一にはできていないからである。

この人は先発品に戻すと問題なかったので、ひょっとしたら、このメーカーのジェネリックだけはダメだったのかもしれない。

現代社会のジェネリックは、総合的に見て、少なくとも30年前よりはかなり洗練された出来の良い製品が増えていると思う。

参考
ジェネリックの都市伝説
考察、「ジェネリックの都市伝説」
リスパダールとジェネリック、雑感
リーマス
アリセプトのジェネリック
ルーランのジェネリック
今後、発売される向精神薬、ジェネリックのことなど