【前回】笑いが消えた我が家に息子と娘の笑顔が戻った日。
こんにちは、仲村ゆりかです。
娘の拒食症の生死をかけた戦いから、命の危機を脱した、春。
まだまだ不安がある状態でありましたが、娘の体重は順調に増えていきました。
息子は、中学に入学しました。
我が家にも、やっと春が来たな~と、空を眺めて晴れやかな気分になりました。
高校と中学の入学式などで忙しい日々でしたが、私の心はとても軽やかでした。^^
どんな部活にはいるのかな~?
新しい友達と出会い、子供達の社会が広がっていくことが、私は楽しみでした。
何より娘のお弁当をつくれる事が、一番うれしかった。
最初から無理のないようにと、娘と選んだピンクの小さいお弁当箱におかずを詰めるのは、感動でした。
でも、その感動も3日で終わりました。
初日は、完食!
2~3日目、ごはんを残してくるようになりました。
言ってはいけないと思いながら、
「お弁当の量多かった?」
と、ついつい声をかけてしまいました。
4日目、空のお弁当箱を見て、完食してきたと思っていた、私。
次の日、娘の部屋のごみ箱に捨てられたごはんを発見しました。
血の気が引くほどのショックでした。
娘の拒食症は、完治に向かっていると信じたかった私にとっては、天国から地獄に突き落とされたようでした。
ゴミ箱のごはんを見ながら、また悪夢が蘇り、涙が溢れてきました。
その次の日から、卒業するまで、娘は3年間お弁当を持って行きませんでした。
(でも、何かしら食べていたようで、病的な症状はありませんでした)
やっと、手に入れたと思った穏やかな時間が、ガラガラと崩れていきました。
そして、私の気持ちは以前のように娘へと集中していきました。
そんなある日、息子が入部する部活を決めたと言ってきました。
「剣道部」でした。
それを聞いて、私が言った言葉は、
「何言っているの?剣道部なんて、無理に決まっとるでしょ!」
「○○君が入るから入るんじゃないの?適当なことで入るのはいかんよ」
「高い防具買って、すぐ辞めたら、もったいないやんか!」
私の言葉は、抑えられませんでした。
(私は、家庭内は岐阜弁で話します。^^)
当時、息子の中学の剣道部は、県下でも優秀な強豪剣道部でした。
今まで、スポーツなどやって来なかった息子が、そんな厳しい部活が続く訳はない!と、私は何の迷いもなく決めつけていました。
私にとっては、いつまでもシャキッとしない息子が、武道など出来る訳はない!としか思えなかったのです。
そう思ったのは、それまでの息子を見ていると、気が強い子について行ってしまうような子だと勝手に思い込んでいたからなんですよね。
これはあくまでも、私からみた息子像です。
(私の見ていた息子像に誤解があった事に気づかされたのは、数年後です。)
でもそれ以上に、厳しい剣道部に入部して、息子が(精神的に)変にならないか?が心配だったような気がします。
これ以上、私に面倒をかけるようなことはしないで!と、心の奥では叫んでいたように思います。
その時の私は、娘との生き地獄生活がまた始まるかもしれないという、恐怖、絶望感がド~ッと押し寄せてきて、不安でいっぱいでした。
そんな状態だった私には、息子の言ってきたことが、いい加減なことを言ってきた!と、腹ただしく思えたんでしょう。
今思えば、いかに息子を認めず、信頼していなかったかが分かります。
否定ばかりしていました。
「剣道部に決める前に、よく考えなさい!」
と、息子に伝えましたが、息子の決意は変わる事なく、剣道部入部しました。
想像以上のハードな練習でした。
担当の先生は、指導力はあるが、ちょっとクセがある先生で、子どもたちや父兄の間でも色々なことがあり、その度に「辞めるかな?」と様子を見ていました。
でも、息子は一度も練習を休む事もなく、2年半で初段までとりました。
優秀な子が集まっている剣道部で、自分のペースで取り組んでいる息子には、他の子のような闘志は見られず、情けない気もしました。(笑)
が、仲間といるのが楽しそうな姿を見るたびに「剣道部で良かった^^」と思えるようになりました。
なにより、息子が過酷な練習をやり通していることに関心しました。
私は、ただ自分の理屈や価値観で入部を反対したことを深く反省しました。
そうしている間も、娘に対する不安は日増しに膨れていました。
でも、息子に対しては、剣道に打ち込んでいたこと、そして仲間がいたことで、以前のような息子に対する心配はなかったように思います。
そして、剣道部に入った大きなメリットがあったことに気づかされました。
続きは、次回です。
★息子の家庭内暴力に至るまでの家庭内環境&私の心の葛藤については、コチラをご覧ください。
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