ムスリムの訪日観光客が来た際に、問題となるのが、イスラムの法にのっとった材料・調理法のレストランがほとんどないこと。イスラム圏からの観光客の増加などを期待する日本政府も、ハラル(ハラール)の導入を積極的に考えているようです。
 
そんな中、シンガポール初のハラール認証を受けたプレミアムショッピングサイトがオープンしたという事で、お邪魔してきました!
サイトの名前は、Aladdinstreet.com.sg 。
きょうの午前11時にサイトがオープンするという事で、それに先立って記者会見が行われました。
 
 
ハラールとは、本来、ムスリムにとって合法である、という意味。
家畜を屠殺する際に、決まった方法で行われた肉しかハラルにならない、というのは有名ですが、実は野菜にも自然な食品であること、などを条件としたハラル認証があり、ファッションなども、ムスリムが着用するのにふさわしいものにはハラルの認証が得られるのだとか。
 
 
このAladdinStreetは、元々マレーシアでスタートしたハラールのショッピングサイトですが、海外初の出店がシンガポール。
「ハラールのビジネス規模は大きいが、特にプレミアムなものだけに特化したサイトはここだけ」と自信を持っています。
特に中国では、食の安全性への懸念から、透明性が高く、安心感のあるシンガポールのサイトから食品を買いたいというニーズが高く、
「世界には18億人のムスリムがいるが、ムスリムだけではなく、安全で健康的なトータルライフスタイルを好むすべての人がターゲット」だと語ります。
 
 
「マレーシアには、良い品質のものを生産しているのに、パッケージやブランディングがうまくなくて、世界を相手にできないものも多い。そういった商品に光を当てるきっかけになれば」という狙いもあるのだとか。
マレーシアが拠点ではあるものの、シンガポールは金融面、イーコマースの拠点として考えているそうで、シンガポールではUOB銀行と提携し、Genie Pointと呼ばれるオリジナルのポイント(通貨に相当する)を適用。ペイパルなどの支払い手数料が4%なのに対して、1.5%程度の格安な手数料を考えているのだそう。
 

クオリティコントロールに重点を置き、製造工程を含めてチェック。シンガポールにオープンするにあたっても、200の出店希望から60に絞り込んで出店を許可しているのだとか。ただ、庶民に手の届かないものかと言えばそうでもなく、
「プレミアムと言っても、それは決して高いものとは限らない。良質のものを提供していくショッピングサイトでありたい」と語ります。
 

ゲストとして、クウェート大使で、外務省の中東特使でもある、Zainul Abidin Rasheed氏も登場。
「シンガポールは、ハラルビジネスのベンチマークとして、中国や日本からも注目されている。シンガポールでのビジネスは、世界につながっている。世界のハラルビジネスは、2.3兆USドル。毎年20%の成長を続けている」とスピーチ。
 
(右から3番目がジョホールのAminah王女)
アラジンと魔法のランプをイメージした名前という事で、オープンの時間に合わせてカウントダウンを行い、マレーシア・ジョホールのAminah Maimunah Iskandariah王女がランプをこすって、魔法のようにアラジンが登場するという演出も。
 
 
Zainul特使と。Straits Times 社で25年のキャリアを持つ方ですが、
1970年代に日本の拓殖大学や早稲田大学で学生時代を過ごしたという、親日家でもあります。今も日本人の友人・知人が多く、日本からもたくさんの問い合わせが来ているとか。
 
 
息子のSuhaimi Zainul-Abidinさん(写真左)も、父の仕事を手伝っているそう。
 
また、ファウンダーの一人で、マレーシア人として初の宇宙飛行士のDr.Sheikh Muszaphar Shukorさんは、「自分たちで調査チームを組織して、品質チェックを行って選んだ、クオリティの高い商品は、味もクリーン。きっと日本の消費者に満足してもらえるはず」と胸を張ります。
 
 
日本でも徐々に注目が集まっているハラルビジネス。AladdinStreet.com.sgでは、将来的にはハラルの教育機関も設立予定とか。
 

興味のある方は、ぜひウェブサイトを見てみてくださいね!
ムスリムのファッションやメイク商品、アートギャラリーもあり、ムスリムのハイクラス層が求めるラグジュアリーが垣間見えて、面白いです!
https://aladdinstreet.com.sg/index.php/home/index