NHK朝ドラ「舞いあがれ!」一週間を振り返る〜第16週「母と私の挑戦」前編 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。今日の話題です。




昨年10月から放送がはじまった、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

長崎・五島列島とともに、おらが街・東大阪がその舞台になっている作品です。


このドラマ、気づいたこと、印象的だったことなどを毎週、取り上げて述べてみようという企みを第1週からお送りしています。




先週は、第15週「決断の時」前後編↑



読売大阪朝刊特別版「よみほっと」2023(令和5)年1月15日付け 7面より。



それでは、第16週「母と私の挑戦(1月16日〜20日放送)」を振り返ることにいたします。




時は2009(平成21)年、主人公・岩倉舞(福原遥さん)の父・浩太(高橋克典さん)の急逝から数ヶ月が経過していました。

浩太が社長を務めていた「株式会社IWAKURA」を継ぐことを決めた母・めぐみ(永作博美さん)は、会社を再生させるため、浩太が決して行わなかったリストラを敢行。



そして、舞が新入社員として「IWAKURA」に入社。パイロットの内定を辞退するという、退路を絶っての、この週ははじまりになりました。



社長であるめぐみから、営業担当に指名された舞。先輩社員に当たる、藤沢(榎田貴斗さん)とコンビを組むことになるのですが…



その舞に、なんと手分けして飛び込み営業をするのだと。早速、舞は難題にぶち当たります。




舞が訪問したのは、10年以上取り引きのある「カワチ鋲螺(びょうら)」という商社。担当者に、なんでもやります!と伝えるのですが…

しかしよくよく考えてみますと、舞には社会人経験は皆無でした。観ている方も、これは大丈夫なんか?と思うのですが…


逆に、相手方から説諭されることに。
仕方が無いとは言えども、信用金庫から貰えた融資返済の猶予は、半年間。


そんな舞を見てか、社員たちからこのような言葉が。確かに、先代社長の浩太でさえままならなかった経営状態に陥っている中ですから、不安にもなるのはよくわかります。


ただ、右奥からその話しを聞いていた、個人企業時代から岩倉を支えるベテラン職人・笠巻(古舘寛治さん)の姿が、印象に残りました。



先週の記事でも触れたのですが、笠巻は、ああせえこうせえ、というのでは決してなく、あくまで相手の立場を慮り、最良の選択が出来るように導いてくれるというスタンスの人物。

寡黙な笠巻だからこそ、その発言には重みがあることを十二分に、自身でも察しているのかもな、と感じたシーンでした。第15週より。


これは、個人工場から、岩倉家の人々とは苦楽をともにして来た笠巻だからこそ、そういったことに反駁したり、異論を唱えるようなことはしない…という、あり来たりな範疇に収まるものではないように、わたしは感じます。


浩太や、創業者の浩太の父(劇中未登場)以来信頼関係はさることながら、仕事に対する高い意識や、目標を共有して来たからではないか。

それは、生前の浩太が良く口にしていたこの言葉に、凝縮されているようにも思えます。


劇中では、そのあたりさらっと触れられる程度ですが、気になるところでもあります。話しが逸れましたが、第3週より。


そんな中、舞は笠巻に、ねじについての教えを乞うことに。




これは、わたしも勉強になりました。ねじを取り扱うドラマですので、なおのこと。



そうなると、一度決めたこと、取り組みはじめたことには、これまでものすごい集中力を発揮して来た舞のこと。短期間で専門的知識を吸収して行くのは、見ていて感嘆した次第です。



笠巻の講習を通して、他の社員との垣根も低くなって来たのには安心したのですが、ある日に登場したのは、とあるこの特殊ねじ。



リーマンショックで経営が苦境に陥った生前の浩太が、なんとか試作品の作成まで漕ぎ着けた
太陽光発電に使用するというものでした。



ただ、本発注の前倒しに大量生産をはじめたものの、注文はキャンセルに。失意の浩太はその直後に急逝してしまったという「IWAKURA」にしてみれば、因縁のねじです。第13週より。



しかし笠巻は、このねじには「IWAKURA」の技術が凝縮されているのだと、控え目ながら誇らしげに力説。


これに、舞は良い閃きをします。
ただ、それをうまく相手にプレゼンして、信用して貰えるのか。再び、取り引き先の「カワチ鋲螺」に出向きます。







ところが、これが良い調子!やはり、適応力と応用力の高い舞ならではやなあ、と感じたのですが…



いま、お願い出来る仕事はない、と断られてしまいます。


それでも、必死に頭を下げて食い下がる舞の姿に、担当者の森本(森本竜一さん)がこのひと言。




そう言われれば、思い出しました。

舞が幼少の頃、同じように工場が苦境に陥った時、父の浩太が森本さんに幾度も頼み込んで、
受注出来た仕事で、工場は経営危機を脱することが出来たのでした。第3週より。


ところが帰社した舞に、森本さんから連絡が。



熱意が通じたのか、舞はついに、特殊ねじの見積り依頼を受けられることに。



奇しくも、父・浩太にとっても、苦境に陥っていた工場を救う手立ての兆しになった「カワチ鋲螺」からの依頼。


舞は、浩太が苦労して、這うようにしてようやく結果を出せた過去のことは知らないはず。ただ、これは奇遇というのでしょうか。


さらに余談。大学生になった舞が、人力飛行機サークル「なにわバードマン」の一員として、パイロットのための自主トレをしていた時。


先輩の鶴田(足立英さん)や刈谷(高杉真宙さん)が、浩太の工場にやって来たシーン。





刈谷先輩の、口さがない舞への評価ですが、まさに今週の舞は、その通りだと気づきました。


舞はおっとりしているようで、本当に粘り強いところは、これまでさまざまな描写でわかります。しつこいは、粘り強い。第6週より。


父の背中を追うことになった舞が、その姿に少しずつ近付いて来たかのように思えるシーンでした。しかし、森本さんに感謝です。



ただし、見積りはねじの図面を渡されて、まずは試作品を拵えねばなりません。それが出来るのは亡き浩太と、すでに退職している結城(葵揚さん)のみだという、あらたな問題が。



結城は、18歳に個人工場から岩倉を支えて来た腕利きの職人。舞を幼少から知る人物です。

一流の職人に育ててくれた浩太に大変な恩義を感じながら、生活のために止むなく同業他社へと転じた描写がありました。第13週より。



結城は、会社に残った尾藤(中村凛太郎さん)に後継の設計担当を託していたのですが…なんと、うまく行かず。


せっかくの大型契約のチャンスに関わらず、設計が出来ないと、試作品すら造れない。万策尽きかけた舞が取った行動は…




なんとその、結城が「IWAKURA」にやって来ます。それも、現在の転職先を説得し承諾して貰い、時間外に無償で協力をするのだと。


今週、心に残った場面が数ありましたが、結城の「IWAKURA」に恩返ししたいという申し出。

笠巻とともに浩太を支え、そして自身も支えられて来た、これは強い絆の現れなのだろうと、つとに感じた次第でした。


次回に続きます。
今日はこんなところです。