先日、バランスの良いビタミンサラダについて勉強していたところ、
日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会
という、厚生省のページと出会い、ビタミンの種類と役割、そして、1日に推奨する摂取量について、まとめていたのですが、、
そのとき、目にはとまっていたのですが、みてみぬふりをしたのが、、、、
です。もっといえば、その上には『脂質』やら、『たんぱく質』やら、触れるべき栄養学がたくさんあります!
ビタミンだけでも、かなり大変なので前回は目をつぶりましたw
ビタミンは理解にものすごく苦労したので、『再来』が恐ろしくもあるのですが、、、
今回は勇気を出して、ミネラルについて触れていこうと思います!
再来か、、、すごくいやな予感、、、
が、その先にある幸せを信じてがんばっていくのだ
ミネラルとは何か?その役割と必要な量とは?
本来、ミネラルとは、1部の元素群グループの呼び方のひとつだそう。
どんな元素群グループかというと、体を作る主要構成成分になっているものを除いた元素とのこと。
つまり、炭素(C) 、酸素(O)、水素(H)、窒素(N)を除いたすべての元素で、それらの総称を
『ミネラル』もしくは、『無機質』
と呼ぶそうです。
“無機”には「生命力を有さない」と言う意味があり、もともとは生命力を宿し炭素を含む生物由来のものを
有機物
それ以外のものを
無機物 『ミネラル』
とされて、研究が進んできたそう。
ところが無機物からも、有機物が生まれると発覚し、生命力の有るなしによる区別は意味を無くしたために、無機物は元の定義を失い、今では生物由来であるかどうかだけでは、有機物かどうかの区別はできなくなった。とのこと。
ここから『自然由来』、『化学物質』、『無添加』といった無意味な論争が生まれたのだとか。
なんだか、栄養学とは程遠いところに連れて行かれたような、、、
と思ったのですが、そうでもなさそう
たとえば、有名なミネラルの
Na ナトリウム
は、厚生省の『日本人の食事摂取基準』にて、成人で1日に600mg必要とされています。
原子レベルの必要量が設定されている。この点が、ビタミンとは、違い特徴といえますね。
たとえば、ビタミンC の正式名称は、アスコルビン酸です。アスコルビン酸の分子式は
C6H8O6 |
です。
それに対し、ミネラルはNaのような原子単体で、基準をとっています。
書いていてなんでこんなこと書いたのか、気持ち悪いぐらいわからないですw申し訳ない。
肝心なのは
何が、どの程度必要で、その理由はどうしてなのか?
ですよね?
ひとつづつ見ていきます。
ミネラル各種の役割と必要量
ビタミン同様
日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会
や
ウィキペディアさん
などから情報を集めてまとめてみました。
断り無い場合、数値は、1日の成人の摂取推奨量(日/mg)です。
ナトリウム
Naそのものは、お肌に触れると水分に反応し、水酸化ナトリウムとなってお肌を溶かす劇物で、摂取するときは、多くの場合、NaCl、つまり、『塩』です。
摂取後は、大部分が小腸で吸収され、ナトリウムイオンとして様々な体液に溶け込み、普段は、各体液の
酸、アルカリのバランス
全体の成分分布バランス
などを整える調節役として活躍し、さらには胆汁、膵液(すいえき)、腸液を作る材料となってくれます。
なので、一定量の『塩』の摂取は非常に大切ですが、日本において通常の生活を送っていればNaが不足することは無いとのこと。
塩ときけば、むしろ避けるべき旨み、『塩分』として有名ですよね?
お察しのように、ナトリウムを食事摂取基準に含める意味は、摂取推奨量をすすめるのではなく、むしろ、過剰摂取による生活習慣病のリスク上昇を予防することにあるとのことで、つまり、摂取上限に注目するべき!という事。
あんまり気にする必要の無いですが
推定平均必要量
600mg/日 塩だと1.5g
逆に大注目の
『塩』摂取上限目標量
男性8.0g/日未満
女性7.0g/日未満
塩は1日7-8g以下に抑える!
が注目ポイントと考えてよさそうですね!
カリウム
多くの食品に含まれていて、珍しい栄養素ではありませんが、大豆、昆布、などに多く含まれる傾向にある栄養素のようです。
Naと同じく、摂取後はカリウムイオンとなって、様々な体液に溶け込み、普段は、各体液の
酸、アルカリのバランス
全体の成分分布バランス
などを整える調節役として活躍し、さらには、神経の情報伝達にも関与しているとの事。
また、ナトリウムをおしっこで排泄することを促す効果が、カリウムの摂取量と無関係ではない!と考えられていて、
『塩』摂取上限目標量
と、あわせて考えたいのが、カリウム摂取目標量とのこと。
さらにさらに、近年、カ リウム摂取量を増加することによって、血圧低下、脳卒中予防につながることが動物実験や疫学研究によって示唆されている!といった頼もしい情報も!
カリウムの食事摂取基準(mg/日)
成人男性 目安量 2,500 目標量 3,000
成人女性 目安量 2,000 目標量 2,600
参考:カリウムがとっても豊富な傾向にある『炒り大豆』で100gあたり、2000mg
また、下痢によって、カリウムの摂取はとっても難しくなるとのこと。下痢の大きな要因、アルコールの過剰摂取などに気をつけよう!
カルシウム
ご存知『骨』をつかさどる元素ですね。
実際に骨を作る成分で、実は常に太くなったり、細くなったりしているそう。
これは、血液中のカルシウムの濃度が低下することによって、ホルモンが分泌され、骨からカルシウムが溶け出し、元の正常となる濃度へと戻す機能が働くからだとか。
ですから、カルシウムが不足したり、この骨が溶け出す作用を持つホルモンが血中で濃くなると、
骨粗鬆症
などの心配があるというわけです。
そればかりか、高血圧、動脈硬化と無関係ではないそうです。
ただし、通常、食事での過剰摂取は起こりえないようですが、サプリメントには注意が必要です。
過剰摂取により、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組 織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘
などのしんぱいがあるとのこと。
カルシウムの食事摂取基準(mg/日)
成人男性 推定必要量 550-650 目標量 650-800
成人女性 推定必要量 550 目標量 600
男女ともに、越えたくない限度量 2,500
※この数値はあくまで、成人(18-49歳)の値です。成長期には、より多く必要となる傾向にあるようなので、気になる方はご確認ください。
参考:牛乳瓶一本で220mgほどの傾向にあるよう。
マグネシウム
マグネシウムは、歯や骨を形成し、栄養を分解する反応などに関与してエネルギーの産出を手伝います。
マグネシウムが不足すると、吐き気、 嘔吐、眠気、脱力感、筋肉の痙攣、ふるえ、食欲不振が心配されるそうです。
カルシウムの食事摂取基準(mg/日)
成人男性 推定必要量 280-310 目標量 340-370
成人女性 推定必要量 230-240 目標量 270-290
サプリによる摂取による超えたくない限度量 成人の場合 350 mg/日、小児では 5mg/kg 体重/日
リン
リンは、骨格や細胞膜(細胞の周りを形成する膜)、アデノシン3リン酸(エネルギーの放出・貯蔵、あるいは物質の代謝・合成の重要な役目を果たしていて「生体のエネルギー通貨」と形容されるヒトをはじめ、生物にとって非常に重要な成分)の形成する原子です。
さらにエネルギーを産生するための代謝などに必須な成分です。
リンの過剰摂取は、カルシウムの吸収を抑制する心配がありますが、それにより、骨密度の低下につながるか否かについては、はっきりしていません。
ただし、カルシウムの摂取量が少ない場合には、リンの摂取はとればとるほど、骨から血中へ溶け出すCaが上昇し、骨の形成量を低下させるという報告があるために、リンとカルシウムの摂取量の比を考慮する必要があるとされています。
つまり、Caの目標量を担保しつつ、リンの超えたくない摂取限度量を守ることが重要ということですね。
リンの食事摂取基準(mg/日)
成人男性 目標量 1,000
成人女性 目標量 800
摂取による超えたくない限度量 3,000
参考:リンの多いものとしいては、加工スルメ100gで1、000g 田作りかたくちいわし100gで2300gなどがあります。
鉄
現在でも一般的な症状、『貧血』のせいで、ミネラルの中でも一番有名な元素かもしれませんね。
貧血とは、酸素が多いところ(肺)から、酸素が少ないところ(各組織)へ送る役割のある『ヘモグロビン』が減って血が薄まることで、さまざまな臓器や組織が、酸素が足らなくなり、倦怠感、蒼白、無力感、食欲不振などの諸症状が現れることです。
その大きな元凶が、『ヘモグロビン』を構成する『鉄』の不足です。
さらに鉄は、様々な酵素(物質を消化する過程に関与する成分)を構成する成分でもあります。
鉄の食事摂取基準(mg/日)
成人男性 推定必要量 6.0-6.5 目標量 7.0-7.5
成人女性 推定必要量 5.0-5.5 目標量 6.0-6.5
ただし、月経の有る場合 推定必要量 8.5-9.0 目標量 10
サプリによる摂取による超えたくない限度量
男性の場合 50ー55
女性の場合 40
参考:鉄といえば豚レバー100gで、13g
補足:鉄分が多いとされるプルーン(100gで0.3g)やほうれん草(生100gで2mg)はかなり鉄分が少ないです。何故?こんなうわさが広まったのかは謎です。
亜鉛
亜鉛の機能はたんぱく質と結びつくことで発揮され、その機能は多岐にわたります。
ですから、亜鉛が欠乏すると、
皮膚炎
味覚障害
慢性的な下痢
低アルブミン血症(ヒトの主要なたんぱく質の数が低下し、むくみを引き起こす)
汎血球減少(赤血球に留まらず血中のたんぱく質が減少し様々な症状を引き起こす心配がある)
性腺発育障害(ホルモンの低下に伴い、乳房が膨らまなかったり、陰毛がはえづらくなる)
免疫機能障害
神経感覚障害
認知機能障害成長遅延
などなど
さまざまな種類の心配が上がります。
通常生活ではおこりえがたいが、サプリによる過剰摂取は、『銅』の吸収を妨げる心配があるために、注意が必要です。
亜鉛の食事摂取基準(mg/日)
成人男性 推定必要量 8 目標量 10
成人女性 推定必要量 6 目標量 8
サプリによる摂取による超えたくない限度量
男性の場合 40ー45
女性の場合 35
銅
鉄と同じく、酸素が多いところ(肺)から、酸素が少ないところ(各組織)へ送る役割のある『ヘモグロビン』の精製に欠かせない成分であると同時に、エネルギーの代謝や、細胞の周りを敷き詰めるコラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックスといわれる言わば、細胞のベッドの成熟、神経の情報伝達を介する成分の産出、私たちの体の老化や劣化を促す『悪玉酸素』の除去などに関与しています。
欠乏すると、貧血などの心配があり、
通常では起こりづらいが、サプリでの過剰摂取では、かえって『悪玉酸素』の精製を促進させてしまい、肥満や高血圧、糖尿病、心疾患、腎不全の悪化に関わると考えられています。
銅の食事摂取基準(mg/日)
成人男性 推定必要量 0.7 目標量 0.9-1.0
成人女性 推定必要量 0.6 目標量 0.8
サプリによる摂取による超えたくない限度量
男性の場合 10
女性の場合 10
マンガン
マンガンは、物質を消化する過程に関与する成分である『酵素』の活性や構成していて、骨代謝、糖脂質代謝、運動機能、皮膚代謝等に関与しています。
欠乏することはめったに無く、その症例は明らかにはなってはいないが、補給をする必要のある栄養素としてあげられています。
実験動物のマンガン欠乏症は、骨の異常、成長障害、妊娠障害などがあるそう。
普通の食生活においては起こりえないが、厳密な菜食や、サプリメントの乱用によって、過剰摂取が生じる可能性があって、手の震え、動作や歩行の困難など、運動障害が心配されます。
マンガンの食事摂取基準(mg/日)
成人男性 目安量 4.0
成人女性 目安量 3.5
サプリによる摂取などによる超えたくない限度量
男性の場合 11
女性の場合 11
ヨウ素
甲状腺ホルモンを構成する原子です。
甲状腺ホルモンとは、首の前部分のホルモン分泌器官である甲状腺から分泌され、全身の細胞に作用して細胞の生成などに関与するさまざまな反応を活性化させる働きをもつ『ホルモン』のことです。
また、甲状腺ホルモンは、生殖、成長、発達等の工程をコントロールし、エネルギー代謝を促進させ、さらには、胎児の脳、末梢組織、骨格などの発達と成長を促します。
ですから、ヨウ素が欠乏すると、甲状腺にさまざまな異常をきたし、甲状腺機能が低下してしまい、さまざまなトラブルの元となる心配があります。特に、妊婦さんの場合、死産、流産、赤ちゃんの先天異常や胎児甲状腺機能低下などの心配があるそうです。
ヨウ素の食事摂取基準(mg/日)
成人男性女性ともに 推定必要量 95 目標量 130
サプリによる摂取による超えたくない限度量
成人男性女性ともに 3000
セレン
セレンは、少なくとも25種のたんぱく質に含まれていることが明かにされていて、
抗酸化システムや
甲状腺ホルモンの代謝
(首の前部分のホルモン分泌器官である甲状腺から分泌され、全身の細胞に作用して細胞の生成などに関与するさまざまな反応を活性化させる働きをもつ『ホルモン』のこと)
において重要な役割を担っているとの事。
セレンが欠乏すると、心筋障害(心臓の筋肉の障害)を起こす心配があります。
また、完全静脈栄養中(鎖骨下などからカテーテルを入れ、右心房近くの大静脈のところで栄養液を補給する方法)の方にもかかわらず、血中のセレン濃度の著しい低下(9μg/L)や、下肢筋肉痛、皮膚の乾燥や皮膚が薄くなるなどといった症状を生じたり、さらには心筋障害を起こして死亡した症例などが報告され、これらがセレン欠乏症と判断されたとのこと。
過剰摂取はサプリの乱用でしか考えづらいが、毛髪と爪の脆弱化と脱落だそう。その他の症状には、胃腸障害、皮疹、呼気にんにく臭、疲労、過敏、神経系異常があります。
銅の食事摂取基準(mg/日)
成人男性 推定必要量 25 目標量 30
成人女性 推定必要量 20 目標量 25
サプリによる摂取による超えたくない限度量
男性の場合 420-460
女性の場合 330-350
クロム
クロムはクロモデュリンと呼ばれる血糖値(血中のエネルギー濃度)の低下を促す成分に存在します。
ですから、クロムが不足すると血糖値があがり、『肥満』などの心配があるといえるわけですが、実際のところはというと、、、
- 動物実験で低クロムの食事を与えても、糖代謝の異常がまったく起こっていない!
- ヒトの糖代謝改善に必要なクロムの量は、実際の食事からの摂取量を大きく上回っている!
ことから、必須な栄養素ではないのでは?なんて考えもあるそう。
クロムの食事摂取基準(μg/日)
成人男性 目安量 10
成人女性 目安量 10
モリブデン
さまざまな成分の補酵素(反応速度を上げるなどして、摂取した食事を各エネルギーへと分解するなどの役割のある酵素を助ける)として働きます。
不足した場合、
脳の萎縮
機能障害
痙攣
精神遅滞
水晶体異常
などの心配があります。
モリブデンの過剰摂取による事例や研究は数が少なく、どのくらいが摂取許容量とすればよいか、参考とするデータは少ないそう。
モリブデンの食事摂取基準(μg/日)
成人男性 推定必要量 20-25 目標量 25-30
成人女性 推定必要量 20 目標量 20-25
サプリによる摂取による超えたくない限度量
男性の場合 550
女性の場合 450
以上です、、、、
やはり手ごわいですね、、、
ミネラルはとり過ぎにも注意が必要!
なかなか、複雑ですね。
ビタミンと明らかに違うのは、普通の生活で不足しづらい成分が多く、むしろ塩分などの過剰摂取が心配される成分などもあったことですね。
ビタミンとミネラルすべてをバランスよく摂取するのは至難の業といえそうです。
特に計算ですよねw
そこで、前回作成したビタミンバランス自動計算関数を仕込んだエクセルを、ミネラルにも対応できるよう、改良したいと思います。
これにより、バランスサラダをはじめ、新たなバランスレシピを考案していこうと思います!