この曲線に魅せられた。

チタン製のナイフに、京都オパールの色が映える。

作者は京都在の堀居賢司氏。

京都でハンドメイドのイベントに参加されたり、ナイフショウを主催されている。

東京・東銀座のJKGショウにも顔を出されて、出展しているメイカーさんにも京都ナイフショウのPRをするなど、精力的に活動されている印象。

ハンドルにインレイされている『京都オパール』とは、京セラが開発した人工オパールとのこと。

京セラというと、鹿児島出身の故稲森和夫氏が創業者。

社是も、西郷隆盛が好んでいたという「敬天愛人」と、私の住む奄美大島とのつながりを勝手に感じる(笑)

反対側はというと、

これまたカワイイね。

と、ここまで見てもペティナイフのような印象を受けると思う。

しかし、タイトルに『ちひさきもの』と付けたように、実は全長124mm、刃長46mm。(私の実測)

10円玉と比べても、このとおり。

これだけ小さく、薄いので、カーバイド溶着はされていない。

鋭い刃は付いていないので、羊羹を切ったりとか、ペーパーナイフとして使うのもありか。

堀居氏は「デザートナイフ」と紹介されていたが、たしかに和菓子などに使うとオシャレだろうな。

「黒文字」というよりも「デザートナイフ」という名が似合うね。

 

商品名は「チタンナイフ彩」

気になった方は、ネットで検索されたし。

たまには、こんな小さなものもいいね。

 

先週、東京に2泊した。

本来の用件で時間を取られ、2泊の間で自由になった時間は、計2時間。

うち40分ほどは、近隣駅にあるナイフショップに行き、雑談の後にヤスリを1本購入。

まぁ、欲しかったものを買えて満足。

 

次の日の1時間半ほどは、表参道付近にあるスウォッチショップ原宿店を目指した。

目的というほど強い思いではなかったのだが、あればいいなぁと思ったのが「ムーンスウォッチ」だった。

2022年3月に突然発表されたオメガとスウォッチのコラボによる「ムーンスウォッチ」は、オメガの最大のヒット作である『スピードマスター』を、スウォッチがクォーツ時計として手頃な価格で販売するというもの。

11色で展開・ケースはバイオセラミック製で軽量・3万円台(発売当時)というニュースが世界を駆け巡った。

 

50万円以上する時計の雰囲気を、その10分の1以下の価格で楽しめるということで、世界中で大人気となり、限定生産ではないのに購入希望者が殺到して各国でパニックになり、販売中止になったというニュースも報道されたことは記憶に新しいところ。

1年以上経ったが、一部のスウォッチショップでしか購入できないということもあり、入荷を訪ね歩く人もいるとか。

通販もなく、予約も問い合わせもできず、在庫がある時にだけ買えるという、今どきの話とは思えない(笑)

そんなこともあり、一番近いところにある原宿店を軽い気持ちで訪ねた。

 

以下、ショップ店員さんとの会話

 

店)何かお探しですか?

私)このショーケースにあるムーンスウォッチを見に来ました。在庫とかないですよね?

店)明るめの色と、暗めの色と、どちらがお好みですか?

私)私は暗めの、オメガのオリジナルに近いモデルが好みですね~

店)…。ご案内できますよ。

私)え?在庫があるんですか?

店)はい、ご購入いただけますよ。

 

SNSを見ていると、ショップ開店時間前に並んでも在庫がなかったとか、何度か通って、本命ではない色のモデルしか買えなかったとか。

オークションなどでも転売が出ていて、定価の2倍・3倍で取引されているのも見た。

 

で、思わず『買います!』と言っていた私。

 

その後の店員さんとの会話では

・スウォッチのクォーツモデルなので、保証期間内に故障した場合は修理ではなく、新品交換になる。

・電池は無料で交換する。

という話のほかに、今でも「1日につき1人1本」しか購入できないそうだ。

 

ともかく、幸運にもムーンスウォッチの一番人気モデル『Misson to the Moon』を購入することができた。

まずは外箱から

世界最大のスウォッチグループにオメガ、ロンジン、ハミルトン、ティソからブレゲ、ブランパンなど多くのブランドが入っているからこその、このコラボだね。(最近はブランパンとスウォッチのコラボも発売された。)

パッと見は、ホント、スピードマスターにそっくり(当たり前か)

文字盤にもベルトにもOMEGAとswatchの表記があるのは嬉しくなるね。

裏蓋の電池室には月のプリント。

 

ベルクロのベルトには

Speedmasterのプリントが、また心をくすぐるね。

 

プラスチックのケースがオモチャのようだとか、安っぽいという評価もあるが、

偽物ではなく、まぎれもなく『オメガ公認』のクォーツ製スピードマスターということは言えるね。

 

気軽に楽しめるという企画はいいんじゃないかな?

 

 

 

手元にある「謄雲 To-un Ihara」と筆文字ロゴのフォールディングナイフ。

ナイフショウに行くと、テーブルで立ったまま、ナイフの開閉を繰り返して、アクションの軽さをアピールする姿があった。

それが、伊原謄雲こと、伊原賢治氏だった。

だった、そう、「ナイフダイジェスト2021」誌によると、2020年2月に逝去された伊原氏。

もうお亡くなりになって3年になるんだな。

『どうぞ、触ってみて。開けてみてください。』『フォールディングナイフは触ってみないとね』と、優しい笑顔で気軽に声をかけてくれた。

そのナイフの特徴は、何といっても”軽い”こと。

”軽い”のは重さだけでははく、アクションもだ。

G10を削り出して、ライナー一体型でボルスターレスのハンドルは、G10製だったり、カーボン製という徹底ぶり。

アクションの軽さは、手にすると驚くほどだ。

正にフェザーウエイト・フォルダーだな。

ロックバーやスプリングまでカーボン製だが、もちろん強度はバッチリなので、軽さに比して強いナイフ。

縦横ともブレは皆無。

そのアクションの軽さに驚いていると、伊原氏は嬉しそうだった。

ロックバック以外は作らないんですかとお聞きした際は笑っておられたが、ライナーロックでは軽さと強度のバランスが難しいのかも知れない。

伊原氏は、ご自分のナイフの実用性を重んじていたように思う。

価格も低く設定され、シンプルな姿のナイフは、それこそ多くの場で使われてきただろう。

ショウで小さいほうを伊原氏から購入して数年経つが、最近になって、大きいほうを入手できた記念に書き込んでみた。

サイズだけでなく、ブレード、ハンドルともスタイルが違う2本が揃ったのは、なんか嬉しいね。

 

 

先のブログで触れたが、今回の第44回JKGナイフショウで購入したのは、1本だけだった。

それが、このナイフ。

九鬼隆一氏作 ニューヨーク・スペシャル レプリカミニ

大きく見えるかもしれないが、全長134mm、刃長60mmと可愛いサイズ。

手に取ると、このとおり。

九鬼さんのナイフは、ラブレスナイフをデフォルメしているものが多い。

だが、このNYスペシャルはスケールダウンで、デフォルメはないな。

これ以上に小さいサイズは、流石に作るのが大変だろう。

九鬼さんのテーブル前にいると、そこにナイフメイカーの大泉氏がやってきた。

ナイフを見ながら『いや~、これはヘンタイ的ですよね』『このサイズでNYスペシャルを作ろうと思うのはヘンタイだよね』などと話しているうちに、買おうかという気が強くなった。

 

* ヘンタイというのは「普通の情熱ではない」という意味の誉め言葉です。

ハンドル材はスタッグ、スネークウッド、アイアンウッド、マイカルタと4種類が並んでいた。

マイカルタも良かったが、サイズにあったイイ感じのスタッグハンドルを購入することにした。

と、九鬼さんから大泉氏に『ご一緒に来られたんですか?』と。

いや、この方は鹿児島の奄美大島からですよ、クロウサギさんです、と話すと、どうやら私のことを知っていただいているようだった。

九鬼さんのナイフは、JKGナイフショウの度にデフォルメナイフを見ていたが、ノーマルサイズから3/4サイズや2/3サイズのビッグベアやNYスペシャルは、1本持っていてもいいなと思わせてくれた。

ミニサイズのナイフなので、本当に趣味性が高いナイフにはなるが、安いとさえ思える価格設定なので、こういうのもいいなと思った次第。

私が購入する際に、若い女性も熱心に九鬼さんのナイフを見て、いろいろと質問していた。

多分、その後に買ったんじゃないかな。

私が呼び水になっていたら、それは嬉しいことだね。

 

と、買った後に、九鬼さんから私の顔を見ながら一言。

『中々私のナイフは買っていただけなかったですね~』って。

バレてたんですな(笑)

 

 

 

 

 

さて、テーブルを見て回らないとと、会場を歩く。

福井の伊藤裕翠氏のテーブルには、R2鋼材のナイフが所狭しと並ぶ。

ハンドルもウッド系から、スタッグ、マンモスが揃う。

こちらはターコイズ、アバロン、パールかな?

実は、1本買おうかと、3回ほどテーブルを見回った。

多分、次のショウで見かけたときには買うと思うな。

 

永田征雄氏のテーブルには、いろんなフォールディングナイフが並ぶ。

ここでも気になるものがあったが、今回は我慢。

 

フォールディングナイフと言えば、浜田智成氏のテーブルも素晴らしかった。

写真を撮り忘れたのだが、ここでも浜田氏と長めに話し、次に山本徹氏のテーブルへ。

と、山本氏のテーブルでは、ヘンタイ的に3人の技術の塊が展示されていた。

写真がボケているのが申し訳ないが、デタッチャブルナイフ。

ブレードとジグドボーンは冨岡博美氏の製作、ナイフ製作は山本徹氏、シースというか収納ボックスは中村英二氏作。

冨岡氏がブレードを持ってきて、山本氏に『ナイフにしてくれ』と来たので、山本氏は『ケースを作って』と中村氏にムチャぶり。

3人の匠が楽しんでいる1本は、多分売る気はないんだろうな(笑)

山本氏いわく、『中村氏の名前を記すのを忘れた(苦笑)』というブレードのエッチング。

と、山本氏と話をしていて気がついたのは、フォルダーメイカーなのに、また「折りたたまないナイフ」を作ったということ(笑)

これまた長めに話し込んだ。

 

やはりヘンタイ的なメイカーさんが多く、楽しいね。

 

これまた写真を撮り忘れたのだが、松崎猛さんのガットフックフォルダーは凄かった。

(松崎氏のFacebookから写真をお借りします)

何気ないナイフだが、そのロックシステムの工夫で、普通のフォルダーでは実現できないブレードの長さがあり、オープンしたときにはフィクストナイフのガットフックハンターと違和感がない。

そこにナイフメイカーの篠崎暁生氏も来て、ヘンタイさを話し込む。

後で分かったのだが、オーダー主はナイフメイカーの鈴木寛氏とのこと。

さすが、ヘンタイはヘンタイが分かるんだな(笑)

 

と、感心しながら見ていると、九鬼隆一氏のテーブルが気になった。

九鬼氏と言えば、ラブレスナイフをデフォルメしたナイフを作られている。

極端にデフォルメして縮めたビッグベアやNYスペシャル。

と思いきや、普通サイズのビッグベアに、1/2サイズのビッグベア。

NYスペシャルも、普通サイズに3/4サイズに、2/3サイズと面白い。

九鬼氏いわく「1/2サイズも作ったが、あれはもう作らない」そうだ。

話していると、交流のあるナイフメイカーの大泉好孝氏もやってきた。

「このサイズで作るって、ヘンタイですよね~」

などと話しているうちに、だんだんと気になって、1本購入(笑)。

今回購入したのは、この1本だけ。(ご紹介は次の機会に)

 

写真を撮っていないことに気がついたのは会場を後にする頃だったが、その分、ナイフメイカーさんと話し込んだ時間は私だけの楽しみだったな。

 

以下、挨拶とお話しをしたナイフメイカーさんを挙げてみる。

・鈴木寛氏&鈴木美朗氏 ・松田菊男氏 ・黒澤次夫氏

・奈良定守氏(本当は1本欲しかったのだが、売約済みだった)・林田英樹氏

・横山哲夫氏 ・中根祥文氏 ・山本徹氏 ・斎藤博氏 ・永田征雄氏 ・重野守氏

・武市広樹氏 ・金杉信一氏 ・五十嵐盛人氏 ・松崎猛氏 ・多松国彦氏 ・篠崎暁生氏

・九鬼隆一氏 ・浜田智成氏 ・荒川知芳氏 ・星山文隆氏 ・大泉好孝氏

 

これだけ挨拶とお話をしていると、それは時間が経つのは早いよな(笑)

次の機会には、1日楽しむくらいで臨もうか。