手元にある「謄雲 To-un Ihara」と筆文字ロゴのフォールディングナイフ。
ナイフショウに行くと、テーブルで立ったまま、ナイフの開閉を繰り返して、アクションの軽さをアピールする姿があった。
それが、伊原謄雲こと、伊原賢治氏だった。
だった、そう、「ナイフダイジェスト2021」誌によると、2020年2月に逝去された伊原氏。
もうお亡くなりになって3年になるんだな。
『どうぞ、触ってみて。開けてみてください。』『フォールディングナイフは触ってみないとね』と、優しい笑顔で気軽に声をかけてくれた。
そのナイフの特徴は、何といっても”軽い”こと。
”軽い”のは重さだけでははく、アクションもだ。
G10を削り出して、ライナー一体型でボルスターレスのハンドルは、G10製だったり、カーボン製という徹底ぶり。
アクションの軽さは、手にすると驚くほどだ。
正にフェザーウエイト・フォルダーだな。
ロックバーやスプリングまでカーボン製だが、もちろん強度はバッチリなので、軽さに比して強いナイフ。
縦横ともブレは皆無。
そのアクションの軽さに驚いていると、伊原氏は嬉しそうだった。
ロックバック以外は作らないんですかとお聞きした際は笑っておられたが、ライナーロックでは軽さと強度のバランスが難しいのかも知れない。
伊原氏は、ご自分のナイフの実用性を重んじていたように思う。
価格も低く設定され、シンプルな姿のナイフは、それこそ多くの場で使われてきただろう。
ショウで小さいほうを伊原氏から購入して数年経つが、最近になって、大きいほうを入手できた記念に書き込んでみた。
サイズだけでなく、ブレード、ハンドルともスタイルが違う2本が揃ったのは、なんか嬉しいね。