うぎゃっ!

 
チャーシューを盗もうとするカブトムシ

ラーメンに虫が!


うぎゃぎゃっ!!


生ビールと虫ぃ......。

生ビールに虫が、虫が!!

かなりのショーゲキでしょ?

私なぞカブトムシも嫌いなので、生理的嫌悪のドツボにはまります()

だって、カブトムシなんか黒くてゴツクて堅そうで、ゴッキーと変わらへんやん。


これは、郡上八幡にある「食品サンプル創作館さんぷる工房」で、見付けた展示品。

町屋を改造し、こういったサンプル展示やミニチュアの販売をしています。

奥では、サンプル作りの体験も出来るそうです。

手先の不器用な私(あ、今、頭も不器用って、誰か言った!)

どっせ、不味そうな物しか作れっこないので挑戦しませんでした。

大きなビールグラスや、ひっくり返ったラーメン鉢、土地柄らしく鮎の塩焼き、

小さな建物ですから展示数も知れていますが、見ているだけで楽しいもんです。

 
店頭にて。


中部地区は、食品サンプルの職人さんが多いところなのでしょうか。

國美藝術展で特別賞を受賞された職人さん(竹内繁春氏)は、愛知県の方ですし、

高速のSAや道の駅のお土産物コーナーには、

食品サンプルのマグネットやストラップが、

キティちゃんやキューピーを押しのけて売られていました。


今は見かけることも減ってきましたが、私は、食堂の食品サンプルを

眺めるのが好きです。

おじいさんやおばあさんが、マイペースで営業しているお店なんかだと、

焼けて色もなく、お皿と炒飯の間にほこりが溜まっていたりするでしょう。

昭和の哀愁だけど、やっぱり不味そうだし、店内の清潔も怪しみたい気分。

なんで新しいのに取り替えないんだろうと不思議だったのですが、

定番品でもかなり高価な物らしいんです。


おいくら?なんて、具体的には聞かないでね。


2007年、七夕頃の日記です。

何年か前、社員旅行で長島温泉に泊まったことがある。

全長166kmの長良川が伊勢湾に流れ着き、木曽川と合流する中之島にある温泉地だ。

しかも滅多に泊まれないけど、チョイスもしない大型の高級旅館である。

残業は多いわ安月給だわで、女工哀史のような日々だったが、

こんな場合のみ一切、個人負担なしという、体質的に高度成長期の小企業だったのだ。

だから、どんちゃんと、めちゃくちゃ飲み食いした記憶しかない。

旅館のHPで見てみたら、結構なお値段なのでビックリしたが、

今でも、その分の現金をくれとは、思う。


さて、そんなことは全く関係ない。

だだっぴろい大浴場と、露天風呂まで走っていくのが寒かった。

しかし温めのお湯は、とろんとしてて期待以上に温泉だった。

そんなことしか、覚えていない。

それと宴会用広間の窓一杯に広がる、長良川の広大な灰色の風景。

墨を流し込んだかのように、暮れなずむ空と一体化した大河。

長良川とは淀んだ大河、長く私はそう思いこんでいた。


この夏の始め、郡上八幡に行った折り宿泊した、ふたこえ温泉での宿を後にし、

(皆様、憶えて下さってますかぁ?)

ひるがの高原まで足を延ばすことにした。

ひるがの湿原植物園があり、水芭蕉がまだ咲いているかも知れない。

その道中、「長良川源流 夫婦滝」の大きな看板を発見!!

ぎゅぎゅんっと、駐車場にハンドルを切る。

実は、私の心の引出には、今までに訪問した滝のコレクションがある。

ただ未整理なのと健忘が融合して、展示できないだけだ。


岩走る清流に沿った遊歩道の空気は、冷んやりと湿り気を帯び、

汗ばんだ肌に気持ちよい。

足元が苔むした岩に変わり、足場が悪くなった頃、耳は轟く滝音を捉えた。

10分歩いただろうか、遊歩道が水浸し、小川状態になっている。

源流水.jpg

「長良川源流」と書いてある高さ1mの杭の根元、地面の岩場から、

出し放しの水道みたいに水が湧き出し、川へとこぼれ落ちている。

水は冷たい。掬った手を払いたいほど、冷たい。

口に含めば土の匂いにも、苔の匂いにも染まらず、ただ清澄だ。


源流水を通り過ぎほどなく、姿を捉えた夫婦滝は、文字通り二筋の水を落としている。

夫婦滝.jpg

岩に阻まれ滝壺までは行けないが、飛沫が日に燦めきながら空気を充たしている。

青く晴れた空と木々の深い緑の空間を、水の玉となって舞っている。

水流によって作り出された、冷風に乗って、私にまといつく。

体の底をすこん、と抜いて、大きく大きく息を吸い込む。

もっともっとたくさん、体の軸が涼しくなるまで、息を吸い込んでみる。


川沿いに転がる岩には、澄んだ空気を養分にして

分厚になった苔をしとねに、実生の木が空を目指していた。

いずれ世紀が変わる、そんな未来には、岩を砕き見上げる大木に育つのかもしれない。

この空気が、この地がいついつまでも、このままでありさえすれば。

地を這う巨龍の如き長良川が、湧きいずる所には、そんな祈りが込められている。


2007年七夕頃の旅行日記です。

滝は湧水箇所より上流にある。

この夫婦滝の上流は、長良川源流水ではないのだろうか?

たまたま地脈の関係で、滝になり損ねた水が岩場からこぼれ出ちゃったんだとか?

この疑問は、未だ解けていない。って、調べてもないけど。(すんまそん)

奥美濃の山地に、ぽつんとある一軒宿「ふたこえ温泉」に宿を取ることにした。

宿泊情報が少なく、どちらかと言えば、日帰り入浴としての利用が多い様だが、

なんとなくここに決めた、いえ、安くてお湯が良さそうだから、ですが。

外観.jpg

果たして日帰り入浴でさえ、客が来るのかという山中、

舗装道路があるのが、不思議なくらいの山中に

「ふたごえ温泉 コージュ高鷲」は、あった。

某企業の保養所だが、一般客も宿泊できる。

チェックインは14時から。こんな山ん中で何すんねん、と思っていたら、

テニスコート、室内プール、ジム用マシンと揃っている。

しまった、水着を持って来るべし。

館内は明るく清潔、全室にユニットバス(温泉は大浴場だけ)が完備され、

部屋の大きな窓からも、濃い緑の山々が見渡せる。

普段なら目障りな高速道路も、山々を繋ぎ谷を跨ぐ偉容を見れば、いっそ壮観だ。

買い物を放り出し、まずは温泉へと急ぐと、先客で混んでいる。

そういえば駐車場には、県外ナンバーが多かった。

と、ガッカリしながら浴室に入ると、塩素臭もするのだが

むうっと熱せられた温泉の匂いが、濃く満ち満ちてワクワクする。

加温で熱めの内風呂はすぐにのぼせて、露天風呂へと退避した。

打たせ湯.jpg

二筋の打たせ湯があり、気持ちいい!!

打たせ湯と露天風呂を行き来していると、肌にねっとりと、お湯が膜を作るみたいだ。

これは、いい。こんな辺鄙な場所にでも、客が来るわけだ。

さてお夕飯は、想像通りの川魚。

鮎?のチップス、鮎?の空揚げ、鮎?の塩焼き。

なぜ?マークか。見ても、鮎か岩魚かあまごか雑魚か、私には解らないから。

付出.jpg  鮎.jpg

生湯葉の刺身、えごま入りの胡麻豆腐、こごみのくるみ味噌和え(美味!)と、

         ホタテと明方ハム.jpg

ホタテバター焼きwithクリームソース(美味!)。デザートはパンナコッタ(美味!)

追加の明方ハム(明宝とは別物だが、味は一緒 笑)

結構な値段の割りに、給食のハムを思い出すのは、私だけなんだろうか。

いささかとりとめのないメニューではある上、いささか物足りない。

相客の男性団体は、違うお料理だったので、別献立も出来るのだろう。

正直、保養所という性質から、冷凍物が暖かくなってれば御の字、

くらいにしか期待はしていなかったのだ。

ところがどうして、地物を使い素朴ながらも、良心的なお料理だった。

レストランからは、駐車場を見下ろせる。

三世代の家族連れ。

おじいさん(70歳くらい)と大おじいさん(90歳くらい)の親子連れ。

きゃいきゃいと賑やかしい、厚化粧イマドキお嬢さんの団体。

いろんな客層が引っ切り無しに、日帰り入浴で訪れる。

どうやら宴会は、○○家長老組様親睦会の様だ。

日が暮れるとさすがに、日帰りの客足も途絶える。

半径10km周囲、人間は、わずか半ダース。世界は、狐狸の物だ。

ひと気のない露天風呂に浸かっていると、木が吐き出した湿気を吸い込み、

夜陰は、酸素と土の匂いに満ちていた。

そしてもちろん、部屋の中には、郡上みその芳香が満ちていた。



※2007年七夕頃の旅行日記です。

一泊二食付き、浴衣、バスタオル類のアメニティも欠かさず揃えて

9000円に、欠けるお値段(平日宿泊)

嬉しかったのは、混んでないからと広い部屋に通してくれたこと。

布団の上げ下ろしは、自分達でしなくてはならないが、太っ腹な施設だと思いません?!

貴社のますますのご隆盛を、偽りなく、願って止みません。

水の美味しい処には、蕎麦以外にも旨い物がいっぱいある。

美酒は、まず水が美味くなくっちゃ始まらない。

米や野菜なんかも、美味い水で益々良い味になるに違いない。

味噌や醤油や美人だって、水が美味いに越したことはない。

流通手段からも、川筋には醸造蔵があるのが、日本の姿だ。

また清流には、銀鱗燦めく魚を思い浮かべる方もおられよう。

渓流釣りのメッカらしく、郡上八幡では川魚の店が多い。

料理屋では、鰻と並んで鮎の塩焼きの幟が翻り、

仕出屋、魚屋と、店先で焼いた鮎の塩焼きを売っている。

山間の小さな町にしては、魚屋率が高いような気もする。

が、そんな物には目もくれず、って、食べないからなんですが、

友人の「う、な、ぎぃい」と言う怨みがましい目を、背中で無視し

きょろきょろ見渡せば、川魚に負けないくらい「郡上みそ」の幟もみつかる。

お味噌屋さん.jpg

ひょいと覗いたお味噌屋さんでは、土間の棚に

木の桶やビニール袋に詰めた郡上みそが、積んである。

メーカーの違いはあるようだが、白味噌も麹味噌もなく、郡上みそ、だけだ。

八丁味噌なのだが、袋詰めされた物を指で押すと、柔らかい。

酢味噌や、ぬた和え用ぐらいには、柔らかい。

八丁味噌は固い、という思いこみが、私にはある。

そのちょっと不安感をそそる柔らかさに、興味惹かれて、買うことにした。

一番小さな袋を指さした、お店の方の耳打ちによると、

「これは家で作ったの。昔のまんまの手作りよ。

(声をひそめて)だから、危ない物は全く入れてないの。」

保存料入りの物とは異なり、塩がきついので、合わせて使うなり

控えめにするなり、様子を見て欲しいとのこと。

400g450円也(くらい、だったかなぁ……)

ビニール袋の口をきつく捻り、金物で留めてあるこのお味噌。

道中、陽に当らぬ様、座席の影に置いていたのだが、時間が経つにつれ、

その捻った臍?の部分から、なんとも微妙な匂いが車内に漂いだした。

お味噌屋さんの説明に、嘘はなかった。

十分に寝かされ十分に熟成された、だからこそ醸し出される、この匂い。

この旅行の間中、熱せられた車に乗り込む度、

私達は日本の保存食の知恵を、イヤという程、否、存分に学んだ気がする。

さてお味は、確かに塩味がきつく、ごくわずか酸味すら感じる、という個性派だ。

大豆だって、形のままごろんと残っていて、豆好きならば二度、美味しい。

古漬けのあの匂いと酸味が、お好きな方なら嵌っちゃうかも。

私?うん、暑い夏には、これっくらいキツイ味で良いんやない。

と、勿体は付けているが、結構、嵌っている口なんでは。()


郡上みそ.JPG

帰宅後、即行で密閉容器に移し替えたので、袋状態の写真がありません。

色が解りやすいように、ガラスの器によそってみました。

食後の一休みぃ、なんかしてないで即!洗いましょう。

ぐずぐずしてたら、お台所中、びみょ~な匂いが漂います()

郡上八幡が、水と共生する町と知ってから、5,6年はたとう。

以来、行きたいと思いながら、そのままになってしまっていたのは、

「郡上には、温泉がない。」と、友人に一蹴されたためでもある。

私的には、湧水でたてたお風呂で、充分満足だったんだけどな。

暑い夏の予感に満ちた7月、なんとしても行きたくなった私は、

「郡上八幡 温泉」で、ネット検索をかけてみた。あるやん!!

郡上踊りのシーズンならば、客がこぼれ落ちるだろう「郡上温泉」を始め

ちょっと車で足を延ばせば、山中に一軒宿がありそうだ。

色めき立って友人まで、あれもこれもと情報を引っ張り出し、

行きたかったのがどこだったのかも、解らなくなっている。

こういう時、友人の勘は絶対、アテにならない、絶対、ドツボだ。

速やかに無視し、さっさと手配するに限る。

でも頭っから無視して、ちょっぴり可哀想だったので

宿に行く途中にある、日帰り湯に立ち寄ることにした。

「湯の平温泉」。施設の名前も、ただこれだけ。

どんなに鄙びたと、思っていたら、木を用いた和風の新しい建物だ。

入浴料は500円、どうも回数券利用の常連さんが多いようだ。


ゆのひら温泉.jpg

浴室の扉を開けると、塩素臭が鼻につくのに、ちょっとがっかり。

加温されたお湯は、熱い。早々に露天風呂へと、移動する。

浅い岩風呂は、少なめに溜めてあり、投入湯量をあからさまに絞ってある。

それでも打たせ湯が二筋、どうどうと落ちていた。

眺めは一方にだけしか広がっておらず、清流も見えないが、

植え込みの隙間から、人工堰から流れ落ちる滝が見えた。

露天風呂の名前が「滝見の湯」、それで、初めて気が付いた次第。

重曹泉らしく、お湯は肌にまったりとしていた。

何よりも広々とした露天は、向かいの山々の緑が清々しい。

露天風呂の写真を撮りたかったのに、先客1名様が、なかなか出て行かない。

かなりの長湯だとお見受けしたが、上せて負けた。

脱衣場の扇風機で、ほてりを冷まして出てみれば、

ロビーの傍らの休憩コーナーに、おじちゃん達がたむろしている。

受付では、ひるがの高原牧場の牛乳や、持ち込まれた野菜も売っている。

渓流釣りの人も、ひとっ風呂浴びるのかも知れない。

無骨だけど気取りのない、そんなお湯、そんなお風呂。

ただ一つ、とても不思議だったのは、玄関のかたすみに、

靴の忘れ物コーナーがあったこと。

ごついスニーカー、つっかけ、子供の靴。パンプスはさすがに無いけれど、

色んな靴が10人分は、あっただろう。

子供用は、わかるけど……、なんで、靴なんか忘れるんだ?

この辺りでは、入浴後、靴を履き替えることになっているんだろうか、まさかね。

  温泉温泉施設のすぐ近くに、新しくて清潔そうな和風コテージがあり、

お庭にBBQセットを備え付けてありました。

「湯の平温泉」の駐車場の向かいにレストランがあったので、

そこでも食事が出来るのでしょう。

   運転しながらだったので、宿泊条件は解りませんでしたが、

確か160007000円だったようです。(一人か一棟かは不明)


※2007年七夕頃の旅行日記です。