郡上八幡が、水と共生する町と知ってから、5,6年はたとう。
以来、行きたいと思いながら、そのままになってしまっていたのは、
「郡上には、温泉がない。」と、友人に一蹴されたためでもある。
私的には、湧水でたてたお風呂で、充分満足だったんだけどな。
暑い夏の予感に満ちた7月、なんとしても行きたくなった私は、
「郡上八幡 温泉」で、ネット検索をかけてみた。あるやん!!
郡上踊りのシーズンならば、客がこぼれ落ちるだろう「郡上温泉」を始め
ちょっと車で足を延ばせば、山中に一軒宿がありそうだ。
色めき立って友人まで、あれもこれもと情報を引っ張り出し、
行きたかったのがどこだったのかも、解らなくなっている。
こういう時、友人の勘は絶対、アテにならない、絶対、ドツボだ。
速やかに無視し、さっさと手配するに限る。
でも頭っから無視して、ちょっぴり可哀想だったので
宿に行く途中にある、日帰り湯に立ち寄ることにした。
「湯の平温泉」。施設の名前も、ただこれだけ。
どんなに鄙びたと、思っていたら、木を用いた和風の新しい建物だ。
入浴料は500円、どうも回数券利用の常連さんが多いようだ。
浴室の扉を開けると、塩素臭が鼻につくのに、ちょっとがっかり。
加温されたお湯は、熱い。早々に露天風呂へと、移動する。
浅い岩風呂は、少なめに溜めてあり、投入湯量をあからさまに絞ってある。
それでも打たせ湯が二筋、どうどうと落ちていた。
眺めは一方にだけしか広がっておらず、清流も見えないが、
植え込みの隙間から、人工堰から流れ落ちる滝が見えた。
露天風呂の名前が「滝見の湯」、それで、初めて気が付いた次第。
重曹泉らしく、お湯は肌にまったりとしていた。
何よりも広々とした露天は、向かいの山々の緑が清々しい。
露天風呂の写真を撮りたかったのに、先客1名様が、なかなか出て行かない。
かなりの長湯だとお見受けしたが、上せて負けた。
脱衣場の扇風機で、ほてりを冷まして出てみれば、
ロビーの傍らの休憩コーナーに、おじちゃん達がたむろしている。
受付では、ひるがの高原牧場の牛乳や、持ち込まれた野菜も売っている。
渓流釣りの人も、ひとっ風呂浴びるのかも知れない。
無骨だけど気取りのない、そんなお湯、そんなお風呂。
ただ一つ、とても不思議だったのは、玄関のかたすみに、
靴の忘れ物コーナーがあったこと。
ごついスニーカー、つっかけ、子供の靴。パンプスはさすがに無いけれど、
色んな靴が10人分は、あっただろう。
子供用は、わかるけど……、なんで、靴なんか忘れるんだ?
この辺りでは、入浴後、靴を履き替えることになっているんだろうか、まさかね。
温泉施設のすぐ近くに、新しくて清潔そうな和風コテージがあり、
お庭にBBQセットを備え付けてありました。
「湯の平温泉」の駐車場の向かいにレストランがあったので、
そこでも食事が出来るのでしょう。
運転しながらだったので、宿泊条件は解りませんでしたが、
確か1泊6000~7000円だったようです。(一人か一棟かは不明)
※2007年七夕頃の旅行日記です。