『宇宙戦艦ヤマト2199 第五章 望郷の銀河間空間』
第15話~第18話までを編集した「第五章」が、先週末から上映されています。
ここ数話は戦いらしい戦いがなかったことから、今回はドメル将軍率いる艦隊とのそれが最大の見どころです。
旧作では一時撤退してしまうドメルですが、今回はこれ1回で決着をつけるのかな…?
という期待は外れ、やはりあと少しでヤマト撃滅というところで、艦隊を引き上げることになってしまうのは、そこまでの展開が凄まじいだけに、思い切り肩透かしを食らいました。(よくよく思い返してみると、「ヤマト2」のデスラー戦でも、同じことやってましたね…・苦笑)
それにしても、その後のバラン星での戦闘といい、「沖田戦法」と呼ばれる「虎穴に入らずんば虎子を得ず」みたいな中央強行突破って、無茶苦茶もいいところ。
ドメル戦は完敗していたのが、偶然に助けられ、バラン星ではいちおうの策を考えてあっても、1万を超える艦隊相手に、目的の位置までたどり着くまではノープランの破れかぶれ。(ガミラス側に攻撃を躊躇させる説明は付けさせているけれど)
これで今まで生き伸びてこられたのが不思議です。
さてこの第五章では、森雪の出自と記憶喪失に関することと、イスカンダルからの使者が現在どこにいるのかについての謎の解答が得られます。
また、真田と古代守との関係なども詳細に描かれていて、「さらば」や「ヤマト2」での某所でのやり取りを彷彿とさせる展開があり、まさかここで真田退場!?と冷や冷やさせる一場面も。
さらに、旧作では企画段階では存在したものの、放送期間短縮によりカットされたという、ヤマト乗組員による反乱も描かれます。
その伏線はこれまであちこちで撒かれていましたが、いざ始まってみると、実に呆気ない。
そして、その終息もびっくりするほど呆気ない。
「機動戦士ガンダムUC」での、ネェルアーガマ占拠の話が、アニメ版では非常に簡略化されて描かれてしまったのと同様、こちらも何だこれは?という単純さで、わざわざ用意しなくても良かったのではないかと思えるほどでした。
首謀者たちは拘束されたけど、その他の共犯乗組員たちの処分をどうしたかについては一切触れられないままでした。
そして、今作は驚くほど、キャラクターの作画に乱れが多かったのも特徴です。
それを受けてか、パンフレットに使用される本編のシーンも、艦隊戦の様子は多くても、キャラクターで使用された数はずいぶん少ない気がしました。
第一章を見た時、間の悪い演出、安っぽいCG、変なキャラクターデザインその他、そのあまりの出来の悪さに泣き、これはないだろう、と自分の中で駄作のレッテルを貼ってしまったのが、二章・三章と続くうちにどんどん良くなっていたのに、ここに来て中だるみでも起こしてしまったのでしょうか、急にいろんな面でレベルが落ちました。
たいした時間ではないけれど、艦隊戦の作画に全力を傾注し過ぎた結果かもしれません。
この先はどんどん戦闘が激しくなりますから、それに比例するようにキャラクターの作画がさらに乱れないことを祈るばかりです。