『へうげもの』を読んで | 倉山塾東北支部ブログ

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読書感想文

『へうげもの』

山田芳裕作。
講談社「モーニング」にて2005年から2012年まで隔月連載。
全25巻。273話。


◯生か死か、武か数寄か、それが問題だ。

へうげもの・古田織部という実在の武将を主人公にした「異色大河漫画」です。

NHKでも2011年にアニメ化されています。

この漫画が「異色」と言われるのは、戦国時代~安土桃山時代~江戸時代を取り扱っていながら、その主題が「合戦」や「武」ではなく「数寄」や「美」におかれていることです。

千利休に弟子入りし、利休七哲に数えられた織部。千利休死後は、茶人として豊臣秀吉の筆頭茶頭、徳川幕府2代将軍秀忠の茶頭指南役まで上り詰めた彼の「武士」としての実績は正直ぱっとしませんし、地味です。

信長の野望フリークだった私も「へうげもの」を読むまでは、名前は知っているものの興味もありませんでした。

しかしながら「へうげもの」を読むと、戦国大名同士の戦いが決して「軍事」だけで決されるものではなく「経済」や「文化」といった面からも学ばなければ、きちんと理解できないと改めて気付かされました。

現代においても、国同士の勢力争いは「軍事」だけでは決されません。「経済」や「文化」などなどについても理解しなければ、その国の「国力」を理解したとは言えないでしょう。

「国力」とは「鉄」と「金」と「紙」

まだまだ学ばなければならないことが沢山ありますね。

漫画を侮ることなかれ。

紹介されたエピソードに関連して書籍を読んだり、人と沢山話をしながら意見交換をして学びを深めていけば、現代を生き抜く上での立派な武器を手にしているでしょう