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バッド・ルーテナント

ルイジアナの悪徳警部補をニコラス・ケイジが演じるとなると、

おおよその結末は想像できるが、

自らが演技者とカメラの間に立って「カチンコ」を操作する

ヴェルナー・ヘルツォーク監督の手になる本作は

その期待を裏切らない“にやりと”させられる作品であった。



映画の冒頭で、高級品の下着、スーツを身に着けたニコラス・ケージ

扮するテレンス・マクドノー巡査部長は言葉とは裏腹にスーツ姿のまま

ハリケーン・カトリーナの影響で水没しつつある監獄に閉じ込められた

囚人を救うために底が見えない水に飛び込み。

囚人を助けた行為でマクドノーは警部補に昇格するが、

飛び込んだ際に腰に受けた打撲が原因か

一生鎮痛剤なしでは生活できない体となってしまった。



鎮痛剤がコカインとなり、コカインを手に入れるために

悪事に身をそめるマクドノー警部補。



コカインでハイとなった警部補の世界の象徴として

カラフルで“グロテスク”なイグアナが

ややぼけた感じでスクリーンに登場するが、

バックに流れていたのはジョニー・アダムスのRelese me



Please release me,let me goと歌う身勝手な男の歌であるが、

Please release meは、薬物中毒となり、借金がかさみ、

コカインを手に入れる事に汲々としているたマクドノー警部補の心

と重なるか。



冒頭の洪水で刑務所にたまった水の上をすべる蛇、そして2匹のイグアナ、

裏返しになったり歩き回るワニ等爬虫類が幻想的に挿入され、

殺人現場の水槽の横に置かれた「魚も夢をみるのか」との言葉に

現実と夢の世界を行ったり来たりしている男を描く

監督の心の世界を感じた。




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TULCダイヤカット缶 グラビア印刷


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昨日は東京でも集中的に雨が降り、

今朝の通勤は、秋の虫の音にふさわしい涼しさであった。



今日は身近な包装容器の話を。

数日前、帰宅した私の目に飛び込んできたのは、

娘が買って置いてあったコーヒー缶。

最初に目に付いたのは印刷の美しさであり、缶の外観にマッチした

パッケージデザインでもあった。



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コーヒー缶はコーヒーの味・品質を保持する容器であり、

中身のコーヒーを味わったら使命は終わりで、

後はリサイクルされ金属が再利用されるだけであるが、

実はこのコーヒー缶には東洋製罐が開発した先端技術が

多く採用されている。


TULCTOYO ULTIMATE CAN)はその名の通り

東洋製罐が究極の缶として、永年の研究により1991年に

開発に成功し世に出した、内外面に特殊なポリエステルフィルム

が貼られた世界で唯一つの飲料缶。

このコーヒー缶は、TULC本体に、缶胴を薄くしても

強度が保たれるダイアカットを採用し、

ダイアカットの外観を利用したデザインのグラビア印刷フィルムを

貼り付け、意匠性を高めたものであった。


缶の内外面にポリエステルフィルムを貼り付ける事で塗装時の

二酸化炭素量を低減し、成型時の潤滑剤が不要な事から

缶の洗浄水も不要となる環境配慮型製品であるTULC

さらに資源節約となるダイアカットを施した缶。


日本市場だけに流通していたTULCは製造時の二酸化炭素及び

排水削減効果が日本政府により小規模CDM(クリーン開発メカニズム)

として承認されたとの事で、東洋製罐のタイの子会社バンコクキャンでも

既に生産が開始されており、生産を予定している中国の広州と併せて

中国・東南アジア市場にもTULCは拡大していく。


社会・生活を支えるパッケージの技術、派手ではないが社会と連動して

進化を続けている。




お祝いの花をありがとう




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わが教え子、ヒトラー


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いつまでも心に残るドイツ映画は多いが、

冷戦時代のベルリンで、反政府活動摘発の為、ある芸術家の部屋を

極秘で盗聴していた東ドイツ国家保安省職員が、

耳にあてたイヤホンから流れるピアノソナタを象徴とする

“自由な心”に激しく心を揺さぶられ、人生を変えていく

「善き人のためのソナタ」もその作品の一つ。


「マーサの幸せのレシピ」で悩める女性シェフを演じた

ドイツを代表する女優マルティナ・ケディックと共に、

主人公のヴィースラー大尉を演じたウルリッヒ・ミューエの演技が

この作品の価値を高めていた。


「わが教え子、ヒトラー」はウルリッヒ・ミューエが

2007年にガンで亡くなる前に撮影された遺作とも言える作品。


ヒトラーを描く事には今でも数々のタブーがあるドイツ、

ユダヤ人であるダニー・レヴィ監督はこの作品で

敢えてヒトラーを“笑いの種”にして

この映画にコミックな味付けをしているが、

コミックの裏側の人間の悲哀・苦悩・狡猾さを

ヒトラーに演技を教える収容所から戻されたユダヤ人演劇家

としてウルリッヒ・ミューエが本作でも

見事に演じきっていた。


ダニー・レヴィ監督は

「コメディーは既成概念を破れるし、政治的正当性に

縛られず、自由な表現が許される」

として“独裁者”ヒットラーの個人的側面を強調してみせる。


ドイツ語のサブタイトルは

「アドルフ・ヒトラーに関するまさしく本当の真実」

ヒットラーを演じたヘルゲ・シュナイダーの演技があまりにも

巧みで、笑いなしには見られない作品であるが、

雲の上の総督官邸執務室で行われていた出来事を

批判をいとわない別の切り口から描いてみせた

権力とは無関係に、個人の資質を問い質した作品。


これからはウルリッヒ・ミューエの名演技が

見られないのが残念である。



善き人のためのソナタ


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