近世欧州の宗教戦争は経済戦争か
多くは書かないが、
近世の欧州で、自らの既得権・収入の道を守るカトリック側と
重税で疲弊していたドイツ農民層が、
16世紀の初頭に、マルティン・ルターが
「人間は信仰によってのみ義とされる」との理念から、
献金目的で「善行による救い」による“罪の赦し”を与えていた
当時のドイツのカトリック教会に対して挑んだ論戦を
その発端の一つともする
「プロテスタント」と「カトリック」の対立。
1572年にフランスで起きた、「サン・バルテルミの虐殺」は
力を持ってきた改革派(プロテスタント)との融合を図る政治的
意図で、国王シャルル9世の妹のマルグリットと、
ピレネー山脈の北に位置するナヴァール王でプロテスタントのアンリ国王の
結婚式が行われたパリで、国王の部下である“権力側”のカトリックが
祝福の為に集まっていたプロテスタントを大量虐殺した歴史上の出来事で、
この事件をモチーフにしたアレクサンドル・デュマの著作を基に
パトリス・シェロー監督の手により映画化されたのが「王妃マルゴ」。
フランス映画としては、
支配者階級と雇用者である炭坑夫の間で繰り広げられた
不毛の争いを描いた「ジェルミナル」以上の莫大な制作費をかけたとされる
本作で、監督は人間の愚行、権力の傲慢さを訴えたかったのか。
モンテ・クリスト伯や三銃士の作者アレクサンドル・デュマの原作は
もう少しドキドキハラハラの世界かもしれないが、DVDでは非常に画面が暗く、
162分の上映時間の多くが凄惨な殺戮場面の本作であったが、
ナヴァールのアンリ国王を演じたダニエル・オートゥイユの演技には人間を感じた。
THEY LIVE BY NIGHT 「夜の人々」 時代は生きる事に必死だった
後に「理由なき反抗」を生み出したニコラス・レイ監督の
ハリウッドデビュー作がこの THEY LIVE BY NIGHT ( 夜の人々)。
1947年というと敗戦から2年目で、多くの日本人が、
日々生きる事に精一杯頑張っていた時代に製作された本作は、
不況による生活苦が社会全体に暗い影を落としていた1930年代の米国で、
生きる希望となる伴侶と出会った若い男女が、
時代の運命、そして人間が持つ暗部に翻弄されながら
お互いを信じ、庇いあって生きる姿を、
時代・社会に翻弄される貧しい若者たちがたどる
ひとつの人生として、モノクロの画面で現実を直視して
描いていた。
劣悪な生活環境で育ち10代後半から刑務所入りしていた
美青年“ボーイ”が、一緒に脱獄した他の二人の囚人と共謀して
銀行強盗を実行する過程で知り合った、こちらも薄幸の美女“キーチ”。
二人がお互いを意識し、二人で今の境遇から抜け出し、二人で
幸せな家庭を築き上げようとする逃避生活の中で出会う、厳しい現実の世界。
二人の心には希望の火が燃えていた。
大恐慌の1930年代、戦争の後遺症そしてハリウッドでは赤狩り旋風が
吹き荒れる1940年から1050年初期。
人の心は変わらなくてもその描き方に時代を感じる。
わいわいムーン <夢のセカンドライブ>
上野毛でコージーな雰囲気でお酒が飲める風和利のオーナー
原田篤君の奥様は、お店ではボーイッシュで気さくな
秋本奈緒美さん。
奈緒美さんこと優美さんとそのお友達の女優兎本有紀さん、
同じく小林美江さんの三人のボーカルが、
風和利でもお会いするドラムの河野俊二(きんちゃん)さん
ピアノの赤石香喜さん(河野さん、赤石さん共に好きな音楽を
極める為に、安定したサラリーマン生活から今の職業に飛び込んだ
との事で、お二人とも楽しい人)とベースの佐藤孝紀さんとの
コラボレーションによる、昨年11月に続く東京では二度目の
<夢のセカンドライブ>を聴きに妻と南青山MANDALAへ。
小林さんの生き生きしたおしゃべり、
ほのぼのとした兎本さん、
お二人の個性をうまく生かして舞台をまとめる
優美さんの三人のかけあいがとても楽しい
2時間であった。
ジャズ歌手としてスタートした優美さんの声量は勿論、
ベッド・ミドラーの“ローズ”や、
“五つの銅貨”とコード進行が同じだが別々の曲
「ララバイ インラグタイム」,「グッドナイト・スリープタイト」
の三曲を三人が同時に歌うハーモニー、
そして万雷の拍手に答えたアンコールで、同じように三人が
それぞれ「卒業写真」、「いとしのエリー」、「サボテンの花」を
連続して歌い、最後に一つのエンディングにまとめあげる
三人の息の合った技は見事だった。
開演前のステージの様子





