ヨーロッパ建築巡礼記 改 デザインで豊かな生活を -283ページ目

ガゾメーター

クンストハウス・ウィーンを見て、ウィーン・ミッテ駅まで戻り、次の目的地であるガゾメーターに向かう。

UバーンでGasometerの駅で降りると目の前が目的の建築群だった。
(Uバーンはウィーンの地下鉄のことで5系統ある)

ガゾメーターとは19世紀末に建設された4基のガス貯蔵タンクを、住居、ショッピングセンター、イベントホールなどを収容する複合建築に改築した、最近注目されているリノベーション建築の有名な事例である。

ガス貯蔵タンクの4基をそれぞれ別の建築家が担当している。
フランス人建築家ジャン・ヌーベル、オーストリア人建築家コープ・ヒルメンブラウ、M.ヴェ-ドン、C.ホルツマイスターがそれぞれ1棟ずつ担当して、独自のコンセプトで競い合っている。

駅の目の前のショッピングセンターで、内部は郊外にあるショッピングセンターの雰囲気であった。しかし、外部から見れば巨大なガスタンクであり、内部は想像もできない。
個々の建築家によってデザインが違うところもおもしろく、誰がどのようなコンセプトで設計したのかが分かるパネルも展示されていた。やはり日本とは建築に対する意識が違うことがここでも感じられた。

ここに着いたのがもう夕方で、朝食以降何も食べてなかったので、ショッピングセンターの入り口にあるマクドナルドでハンバーガーを一つ食べた。
日本と同じようで目につく場所にあり、メニューも店の雰囲気もほとんど同じだった。店員の態度は日本とは全然違うが…

クンストハウスウィーンの入館料が大きな出費だったため、チーズバーガーを1つだけ頼み、次の目的地に向かう。

クンストハウス・ウィーン

フンデルトワッサーハウスから約500メートル北に、同じくフンデルトワッサー設計によるクンストハウス・ウィーンがある。

500メートル北なのに、少し迷ってしまった…
この辺はかなり分かりにくい街区で人通りも少ない…

またしてもあれっ?と、周囲の建築とは全く違うオーラを出してることにより、発見することができた。

クンストハウスウィーンはフンデルトワッサーの美術館である。
彼の絵画や、建築模型などが常設で展示されている。
1Fにはカフェやミュージアムショップがあり、階段を登り2Fからが展示室になっている。

入館料は一般が11ユーロ、学生が7ユーロ。1ユーロが140円を超えていたので日本円に換算するとかなり高い…渋々支払うと、チケットがフンデルトワッサーのデザインした外壁調の可愛い大きなパズルのようなものだった。日本の美術館でのチケットはほとんどがペラペラの紙なのでこれには少し感動した。

展示内容としては、絵画がかなり豊富で見応え充分だった。
フンデルトワッサーの絵画はじっくり見たことが無かったので時間を忘れてゆっくり堪能できた。

展示空間が彼によるデザイン、絵画と展示空間が一体で、美術館自体が展示物のような贅沢な空間だ。
1枚1枚、丁寧に貼られたタイルは個性的であるが、曲線の多様で柔らかい印象を受けた。また、途中にあったトイレも原色の空間だった。

外から見ると、樹木が建物から生えてるように見えるが、内部からそこのディテールが分かった。ニッチを作り、そこから上手く樹木が茂っていた。

建築の模型の展示はかなり衝撃的で、精度や大きさ、また建築自体のおもしろさが
模型から伝わってきた。

入り口にある来館者ノートを見ると、何人かの日本人のメッセージを発見し、妙に嬉しくなった。日本では美術館の来館者ノートはほとんど書かない方だが、何故か書きたくなって自分の名前もサインしてしまった。

内容的には素晴らしかったが、貧乏バックパッカーには入館料が応えた…

フンンデルトワッサーハウス2

フンデルトワッサーハウスの設計はもちろん名前にもなってるとおり、フンデルトワッサーである。

1986年竣工、友人ウィーン市長へルムート・ツィルクがフンデルトワッサーの理想をそのまま実現させた市営住宅である。

フンデルトワッサー(1928~2000)はウィーンで生まれ、オーストリアを代表する芸術家である。国立美術アカデミーに学び、アンフォルメル芸術の影響を受ける。1953年頃から渦巻きや曲線と激しい色彩を特徴とする幻想的な絵画を制作。現代文明を批判するとともに自然との共生の必要を訴え、70年代以降は建築と環境問題にも実践的に取り組んだ。

フンデルトワッサーは本来画家であるが、幼い頃より家を描き、ずっと建築を変えたいと思っていたという。25歳のときの作品に渦巻の形が登場し、以降直線に対する攻撃が始まる、自然は全て曲線であり、直線には神は宿らないと建築物や絵画に直線を否定した。「直線の格子体系は、私たちの社会の自己破壊の象徴であり、その兆候である。それぞれの水滴に無限の生命がある。どこに雨が降るかは人が予知できない神秘である。雨の滴のそれぞれが天からの口づけである。」

このフンデルトワッサーハウスは集合住宅として実際に生活されている住居(全50戸)であるのに、多くの観光客が訪れ、観光地として賑わっていた。
正面にはフンデルトワッサーのグッズが売られているショップまである。普通なら異様な光景に思えるがここでは不思議と違和感なかった。

なにもかもを食べてしまうような力強さを持ち、周囲との自然な一体感をも持ち合わせる有機的な建築だと感じた。

フンデルトワッサーハウス1

まずは、地下鉄に乗ることにした。
といっても、どうやって切符を買えばいいのか分からなかった。うろうろしていたら自動券売機らしきものを発見し、いろいろ値段ごとにボタンがあるが、今日の予定として歩いては厳しそうな場所が目的なので、とりあえず1日フリー券を購入した。

まずは最初の目的であるフンデルトワッサーの建築を見るため、ウィーン西駅からウィーンミッテ駅まで地下鉄に乗る。初体験の地下鉄は日本と同じ感覚で迷わず乗ることができた。ただ、着いてから自分の目指す場所に近い出口がどこか…出口が分かっても自分がどこにいるのかが分からず、いきなり迷ってしまった。

どうしようもなく、駅のインフォメーションに駆け込んだ。
宿でもらった地図を見せて、行きたい場所を指さして聞くと、駅から出る出口だけは分かった。その出口から右か左か分からなかったが、こんな時のためにとキーホルダー式のコンパスを持っていたので確認してなんとなくこっちだろうと思う方に歩き出した。

地図の縮尺からおそらく1キロくらいの距離のはずだが、30分歩いても全然それらしいものが見つからなかった。ちょっと路地に入ると人気がなく恐い雰囲気がするので大通りと行ったり来たりして完全に迷子状態。やばいな~と焦りを落ち着かせるために公園のベンチに腰掛けた。

昼食の休憩で公園にランチをしにきてる人が増えて来た。ちょっと休憩をしてあと30分頑張って探すぞ!と誓って歩き出す。

開き直って、完全に勘で歩き出し、路地をどんどん進むと前方の遠くで、建物が木に覆われていてそこだけモコモコしてるおかしなスカイラインを発見する。
その建物の近くには人がたくさんいる。

もしかしてと思い、近づいて見ると探していた目的地のフンデルトワッサーハウスだ!やっと見つかったと安心すると同時に、なんだこの建築は…と初めてのフンデルトワッサー建築に驚愕。

ウィーン2日目

2004年6月15日(火)

始めての夜はぐっすり眠れた☆
もちろん相部屋に慣れていなかったが、体が睡眠を必要とするならどんな環境でも大丈夫なようだ。

日本ではかなり不規則な生活をしていたので、朝起きれるのかな~と心配していたが、一度も起きることなく窓から射し込む朝日で自然に起床できた。

朝の光による起床ほど気持ちのよい目覚めはないなぁ~と改めて実感した。

気持ちよく起きることはできたが、気がかりなことがあった…

今日の朝食は…また同じじゃないよね…と、思いながらいつものように準備をする。

あぁ~  悪い予感はまたまた的中

やっぱり昨日食べた朝食、夕食と全く同じでした…3食続けて同じメニューです…
ある程度予想していたこととはいえ、朝からすっかりテンションが下がってしまいました。もう希望は持たず、ここでの食事はあきらめようと誓います。

朝食を済ませて部屋に戻って今日の出発の準備をしていると、昨日最初に話しかけてきてくれた韓国人がチェックアウトの身支度をしていた…拙い英語でなんとか話していたら僕の次の目的地と同じブダペストに行くことが分かった。
また会えるかもしれないな~と笑顔と握手で送り出した。

AM10:00 今日のルートをある程度決めて、2日目のウィーンの街に出発した。

*写真はアドルフ・ロース設計(1909)のロースハウス*