2022年12月初旬、イベント「音泉温楽」出演で渋温泉に滞在中のシリーズ。
かめや旅館さんへの立寄り入浴の続きです。
本編の前にここまで行程リンク集をば。
渋温泉 かめや旅館 <後編>
浴場を巡るのに別に外に出なくてもよいので、この写真↑は便宜上。
5つある浴場の内<前編>では大浴場1つしか紹介できず。
残り4つの内、1つ「貸切亀甲風呂」が入れてませぬ。
その他の3つの貸切浴場をまとめて投稿します。不完全な内容となりスミマセン!
それでも写真、多いです!
またそれぞれの浴場の使用源泉については、それぞれの脱衣所に掲げてあった分析書をそのまま信じて記載します。
事実と違ったとしてもご容赦を。
男女別の大浴場(男湯)の次に向かったのは、「貸切お座敷露天風呂」。
こちらはどういう用途を意図したのかよく分からないのだけれども、その名の通りお座敷があり、庭を見ながら入浴が楽しめるようになっている。
脱衣所でなくお座敷。脱衣する場所としては同じ用途以上、何かあるのかなぁ。
宿泊だとこの空間でゆっくり何かをするのでしょうかね。
忙しく浴場をハシゴしている身としては、ただ急いで脱衣するのみ。座敷で寛ぐ猶予などありませぬ。
ガラス戸を開けると庭を臨む半露天スタイル。
広い縁側みたいなところに木製の浴槽が拵えてあり、なかなか情緒があることは確か。
造りは新しく、サイトによるとH26にリニューアルしたとのこと。
淡い白灰色ささ濁りの湯は大浴場よりも少し濁りが強く見えた。
使用源泉は掲示の分析書によると「渋温泉総合源泉」。
禁忌症などのいわゆる「じゃない方」の分析書なので細かなことは分からないのだけれども、本来この総合源泉は渋温泉でおそらく最もポピュラーな「比良の湯、薬師の湯及びとんびの湯の混合泉」のことを指すはず。
H19分析では源泉温度57.7度のナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉。
その他の数値は不明。
完全かけ流しで使用している。
浴槽の温度を測ってみると。。。
46.9度となかなかに熱い!
渋の湯はそうでなくとも硫酸塩泉らしいピリピリ感があるのでこのまま浸かるのはキビシイ。
でも加水はせず、よくかき混ぜた結果。。。
まずは白い綿状の湯の花がたくさん浮いてきた。
そして再度浴槽の温度を測ると。。。
46.2度とさほど変わらないが、これなら何とか入れる。
風味は大浴場よりもやや淡く感じ、焦げ臭や淡い金気臭がある。
淡い金気味と淡いダシ味。やはり塩気はあまり感じない。
湯口に赤茶色の沈着がかなりあるので、比良の湯が混ざっているのは確かだと思えた。
その湯口の温度を測ってみると。。。
54.7度と十分な温度。
くぉ~、ジンジンする
浴感はスベキシ。
まさにお馴染みの渋の湯だ
次は「貸切家族風呂」へ。
こちらの脱衣所はこじんまり。
それでもステンドグラスや一輪挿しなど、雰囲気が作られていた。
脱衣籠は2人分。
浴室のサイズも2人ぐらいまでな大きさ。
それでもって、大浴場に通じる意匠のタイル浴槽が何とも素晴らしい。
浴槽は全体で不思議な形をしているが、左側の浅い部分は汲み湯、かけ湯用みたいな感じなのかと解釈。
メインの浴槽も半分は腰掛けるように盛り上がっており、半身浴が楽にできる感じ。
洗い場は一人分のカラン&シャワー。
そのカランを捻ると。。。
当たり前のように源泉が出る
こちらの使用源泉がちょっと問題で、脱衣所に掲げてあったのがお座敷露天風呂と同じの「渋温泉総合源泉」の簡易分析書と、それとは別に「石の湯第一ボーリング」単独の詳細な分析書の2つ。
浴室内には淡い硫黄臭が少し籠っており、石の湯第一ボーリングは含硫黄の泉質がある。
また湯口などには総合源泉の比良の湯由来の赤茶色の沈着は見受けられず、浴槽の湯も無色透明。
その源泉の湯元と思われるむかし入った「石の湯」の湯はやはり無色透明で硫黄臭のニュアンスがあったことを思うと、ここの浴槽では「石の湯第一ボーリング」を単独使用していると勝手に解釈。違っていたらごめんなさい。
総合源泉の方はカラン&シャワーで使用していると、これも勝手に解釈。これまた違っているかも。
その仮定に基づくと、源泉温度96.4度、pH8.1の含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉で、成分総計は1.844g/kg。
源泉温度は大変熱い湯になるが基本浴槽では加水しておらず、完全かけ流しで使用している。
浴槽の温度を測ってみると。。。
42.1度と見事に適温。
成分の数値で目立つのは非乖離成分のメタケイ酸251.7mg。渋温泉の湯はメタケイ酸が結構多い。
そして総硫黄を計算すると、約2.225mgと規定値の2mgは超えたかなというレベル。
湯口からの投入は熱いからか少なめ。
淡い焦げ硫黄臭がイイ感じ
僅かな金気味とごく淡いダシ味があった。
硫黄分は味わいには明確に出てなかった気がした。
湯口はもう一つ、動物モチーフがあったが湯は出ておらず。
もしかしたら以前は違う源泉でこちらから出ていたのかも。
使用されている湯口の温度を測ってみると。。。
61.0度とこれまでよりも高いが、分析書にある96.4度とはかなり違う。
この辺りが疑問点ではあり、引き湯の際に冷めたのか、熱交換あるいは加水して61度に冷ました状態で投入しているのかどうなのか。
謎はそのままにしておきましょう
ここではやはり完全かけ流し扱いで。
浴感は含硫黄だけれどもやはり渋の湯らしくスベキシな感じ。
次は「貸切庭園風呂」へ。
こちら↑のガラス戸を開けて奥へ。
こちらの露天風呂も貸切仕様なのが嬉しい。
ゆるい形の亀の表示板を裏返す。ただいま入浴中に。
訪れている間は他に入浴客が居なかったのか、結局どの浴場も誰ともバッティングすることはなかった。
脱衣所から開放的。
こちらには源泉についての掲示があった。
荒井河原の湯、すなわち地獄谷源泉で、源泉名でいう比良の湯。
掲示されている分析書だと比良の湯単独ではなく、いわゆる渋温泉総合源泉を使用。
浴槽は大浴場と同じくこちらでも真ん中の木の境でゆるく区切られている。
湯口は右側奥にあり、左側の下にあるのは加水用の蛇口。水は出ておらず、加水もせず。
やはり完全かけ流しにて使用されており、オーバーフローは赤茶色の沈着を作っていた。
改めて渋温泉総合源泉について。
この湯は色んな宿や外湯でも広く使われている。
宿の湯だと、例えば金具屋さんなら「鎌倉風呂」とか。
ごく僅かにささ濁りの湯は源泉名が「渋温泉総合源泉(比良の湯、薬師の湯及びとんびの湯の混合泉)」。
源泉温度65.0度、pH4.6のナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉。
成分総計は1.210g/kg。
この混合泉の数値は簡単に抜粋しましょう。
陽イオンはナトリウムが195.9mg、カルシウムが107.8mg。以下カリウム17.7mg、マグネシウム9.7mg、アルミニウム2.8mg、鉄Ⅱ0.9mg、マンガン0.5mg、リチウム0.5mgなど。
陰イオンは硫酸396.9mg、塩化物249.6mg。以下炭酸水素5.5mg、ふっ化物1.3mg、臭化物1.3mg、よう化物0.3mg、硫化水素0.3mg、りん酸二水素0.3mg。
非乖離成分はメタケイ酸151.4mg、メタホウ酸35.6mgなど。
溶存ガス成分は遊離二酸化炭素30.7mg。
湯口から遠い左側の浴槽の温度を測ってみると。。。
44度と熱めだがまずは入れる温度。
メインは湯口のある右側でしょう。
その右側の浴槽温度を測ってみると。。。
むむ、48.2度とぼくの入れる限界を超えている(^^;
ここは無理をせず、入浴は左側の浴槽としましょう。
目立つのは金気臭。
金気味と淡いダシっぽいニュアンス、僅かに酸味も感知。
湯口の温度を測ってみると、56.8度。
浴感は同じくスベキシ。
細かな白い湯の花が多く舞っていた。
こちらの浴場の入浴が終わった時点で1時間が経過。
そういうわけで、もう一つの貸切亀甲風呂は入っておりません。忘れていたのかもしれず(覚えてない!)。
なのでいつか再訪するか、泊まってじっくり味わうのもよいかなと。
次からは、渋温泉を発って自宅までの間の温泉などのお話シリーズ。
渋温泉 かめや旅館
長野県下高井郡山ノ内町大字平隠2065
0269-33-3585
立寄り入浴料 500円(1時間)
立寄り可能時間 要確認
【貸切お座敷露天風呂】
<源泉名:渋温泉総合源泉>?
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
57.7度
淡白灰色ささ濁り(大浴場よりは濁り強め)
微焦げ臭、淡金気臭あり
淡金気味、淡ダシ味あり
完全かけ流し
スベキシ感あり
【貸切家族風呂】
<源泉名:石の湯第一ボーリング>?
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
96.4度
pH8.1
成分総計 1.844g/kg
無色透明
淡焦げ硫黄臭あり
微金気味、微ダシ味あり
スベキシ感あり
綿状の湯の花少し
完全かけ流し
【貸切庭園風呂】
<源泉名:渋温泉総合源泉(比良の湯、薬師の湯及びとんびの湯の混合泉)>
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性・弱酸性・高温泉)
65.0度
pH4.6
成分総計 1.210g/kg
微ささ濁り
赤茶色の沈着多い
金気臭あり
金気味、淡ダシ味、微酸味あり
スベキシ感あり
細かな白い湯の花多い
完全かけ流し
2022年12月入湯
※数値はH18,H28の分析表より