ミドルエイジの内定者にストップをかけた理由

語学力ゼロでもヨーロッパ就職は叶う♡

ドイツ在住歴約２０年

海外キャリアデザイン・アドバイザー

ブットラー惠子です。

Burg Lichtenstein

私の勤務先の会社でも

昨年先輩が定年で退職され、

今年の夏にはもう一人

別の先輩が退職されました。

なので人手が足りないので、

数か月前から人材を募集し、

ようやく職歴やスキルが合う方が

面談に来ました。

面談に来たのは

４０代後半、一人暮らしという女性。

前職を１０月付で退職して、

すぐに働けるとのことでした。

上司によると、面談では

まあまあな印象だったようですが、

職歴やスキルなどが合うということで、

採用の方向で話が決まりました。

そして本人からの申し出で、

最終的な決断を下す前に、

２日ばかり仕事を一緒に

してみることになりました。

といっても実際に何か

仕事をしてもらうというよりは、

社内を案内し、商品や業務について

説明するという感じ。

私は今仕事が手一杯なので、

当日は先輩がその方の

相手をすることになりました。

そして２日間の「お試し期間」が

ほぼ終わり、ちょっとした合間に

候補者の方が私たちの所へ

世間話をしに来ました。

同僚とも上手くやっていけるか、

というのは大切なポイントですからね。

そこで世間話が始まったのですが、

これが問題を露呈する形になりました。

彼女は自分の前の職場で

どんなイヤなことがあったとか、

元同僚とのトラブルについて

話し始めました。

前の職場では、

先輩が彼女よりだいぶ年下で、

仕事のやり方について、お互いに

譲れないものがあったようです。

そこで彼女は言いました。

「私ももう４７歳。この年になると、

新しいことに対応しきれない。

もうそんなに柔軟性もないし。」

他にも色々と気になることを

言っていたのですが、

この一言で私の中で

「黄色信号」が赤に変わりました。

なぜかって、

これから入社予定の人が

「新しいことに対応しきれない」とか

「柔軟性もさほどない」

と言うのは致命的(-_-;)

あくまで意欲があるけれど、

仕事が覚えられるか不安、

とかなら分かります。

だけど、４０代後半ともなると、

それなりに人としても職業人として

経験も積んでいるし、

自分なりのセオリーもあるでしょう。

だけど、というか、だからこそ！

新しい職場では

一度自分をリセットして、

オープンな態度でいることが大切。

「初心に帰る」というヤツですね。

それなのに、新しい職場で、

今までの自分のやり方を

貫こうとするのでは、と

思わせるような言い分はＮＧです。

内定者が帰宅した後、

彼女と一番長い時間を過ごした

先輩に私の懸念を伝えました。

すると先輩の話によると、

彼女は製造部の環境や商品について、

ネガティブなコメントをしていたそう。

働く前からこういう心持の人は、

入社後も変わりません。

それでも先輩や上司は、

採用して試用期間に様子を見れば、

と言っていたけれど、

私は今回ばかりは反対しました。

なぜなら、採用するというコトは、

相互に時間を投資するということ。

それで期待が良い意味で裏切られて、

彼女が活躍してくれたら、理想的。

だけど採用前から

不安要素の方が大きすぎる人に

時間や給与の投資をして失敗するほど、

今の私たちに余裕はありません。

ミドルエイジが採用されるのは、

大抵の場合、

豊富な職歴や経験というのが理由です。

職歴があるということは、

自分で過去の経験を基に、

処理や判断が出来て、問題解決の

能力があるということですから、貴重です。

だけど人の脳というのは、

出来るだけ省エネで効率的に

情報を処理しようとするように

出来ています。

そのために、過去の似たような

情報を引っ張り出してきて、

「新しい情報も過去の情報と同じ」

と、処理しようとします。

直感というのも、

これと同じ仕組みです。

だから、前の職場で同じような

仕事があったら、

「これがこの時は、○○に違いない」

と判断しがちです。

それがその通りならいいけれど、

最初はそうか分かりません。

だからまずは先入観なく

仕事を学ぶ姿勢ということが

何歳で転職しても大切ですね。

今回の内定者の方には

申し訳なかったけれど、

彼女に合う職場が他にもっと

あるはずです。

こちらも人手不足が続くのは

辛いですが、きちんと合った人を

見つけたいものです。

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ブットラー惠子のプロフィール

2002年にドイツ語力ゼロで渡独。

ドイツ語の語学学校に

8か月間通った後、

インターンシップなどを経験。

2004年に日系企業に就職。

以降、日系企業3社に勤務し、

ドイツ人チームのリーダー

や人材採用、育成に関わる。

働きながらドイツの通信制大学で

心理学を本格的に学び、

心理アドバイザーとしての

修士を2016年に取得。

現在は、ドイツ現地企業で

英語とドイツ語で海外営業を担当。

GCS認定コーチ

ドイツCOP認定キャリアコーチ

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