クロモリロードで走ろうよ -2ページ目

クロモリロードで走ろうよ

10代の時にはじめて乗ったクロモリロードが、速く、遠くへ、そして楽しく走ることを教えてくれた。 25年以上のブランクのあと、再び愛車に選んだのはやっぱりクロモリロード、そしてロングテールバイクだった。


「昔から自転車乗ってる人って時々知らない単語使うことがあるよね。ロードバイクのことをロードレーサーとか言っちゃったり。
あれってつまりロードバイクのことでしょ。」



おいおい、これだから自転車に最近乗り始めた奴はいけない。よし、自転車歴の長いkpon11がロードバイクとロードレーサーの違いをわかりやすく教えてやるぞ






ロードバイク
フレームがアルミかカーボン
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ロードレーサー
フレームが鉄













ロードバイク
ステムがアヘッド
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ロードレーサー
ステムがスレッド

















ロードバイク
ブレーキレバーに変速レバーがついてる
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ロードレーサー
ブレーキレバーからなんか触角が生えてる











ロードバイク
完組みホイールとクリンチャータイヤ
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ロードレーサー
スポークが一杯生えたホイールとサイドが黄色い変なタイヤ













ロードバイク
ビンディングペダル
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ロードレーサー
変な紐で靴をしばる










ロードバイク
軽量なカーボンサドル
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ロードレーサー
「たーぼ」とか変な字が書いてある













ロードバイク
デュアルビボットブレーキ
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ロードレーサー
変な形した何かががついてる









ロードバイク
アウターストッパー
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ロードレーサー
なんかパイプから変な物が生えてる











ロードバイク
交換チューブ
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ロードレーサー
変なタイヤが紐でくくってある









どうだい、これがロードレーサーだ
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ロードバイクとは全然違うだろ。










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最近ジワジワと人気上昇中の自転車といえばもちろんファットバイク。
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そしてもう一つの人気者といえば29erSS。
29インチのシングルスピードMTBのことだ。














そしてその二つのいいとこ取りをしたのがシングルスピードファットバイクだ(略してSSFB)















ファットバイクの良さってなんだろう?
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極太低圧タイヤの圧倒的なトラクションの良さかな。


太いタイヤがグニャリと変形しながら地面をつかむ事で普通のMTBでは走れない所も難なく走破してしまう。タイヤのブロックでグリップするんじゃなくてあくまでもタイヤが変形することで得るグリップだからトレイルを傷めることも少ない。つまり自然に優しいんだよ。




























じゃあシングルスピードMTBの良さは?
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頑張らなくてもいい所かな。


ギヤを変えることができないから、どんなに頑張っても乗って進めない場合がある。そんな時は素直に降りて押して進む。難しいテクニックとかそういうの要らない。ただただ押して歩くスキルのみが必要なだけ。つまり自分に優しいんだよ。


























この二つの優しさを融合した乗り物がシングルスピードファットバイク(SSFB)なんだ
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このSSFB 、こんな風に組まなくてはいけないとか決まりは無いけど自分の場合は基本的にユルーいパーツをセレクトしてる。
往年のツーリング車のような革サドルを使ったりしてね。泥や濡れたりすることが多いMTBに普通は革サドルは使わないんだけど、これを使うことで山を走る時に攻めモードにならなくなる。つまりガツガツ走らなくなるということなんだ。






























べダルなんか一番安い奴をつけてる。別にレースじゃないんだからこれでいい。
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それと、河原とか砂浜を走ることも多いからキチンとメンテをしてても気付かずに錆びさせてしまう事も多いんだ。






























でも、ブレーキだけはコレを使う。マグラ マルタのコントロール性の良さは一度使ってみれば納得できる。ロック寸前のブレーキが一番効く領域でのコントロールが抜群にいい
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絶対的な制動力ならば他にもっといいものがあるだろうけど、山を走る時に大切なのは絶対にタイヤをロックをさせないことだ。ロックしてえぐられた地面はやがて雨の侵食作用で深い溝になってトレイルを壊すことにつながる。






























ファットバイクの極太タイヤは接地面積が広いから面圧が低くなり、地面に優しく接するので
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普通のMTBのブロックタイヤよりもトレイルを痛めにくいというメリットもある。





























パグズレーをシングルスピード化する前、山チャリをしている時にファットバイクは重くて大きくて取り回しがしにくいと感じていた時期があった。でもこれは普通のMTBと比べていたから。
ファットバイクは普通のMTBみたいな走らせかたじゃ大きくて重いというデメリットばかりが目立ってしまう。




ホイールが大きくて重たいファットバイクは基本的に安定型の走り方をする。26インチMTBのようにクイックに走る事は苦手だ。だからそれを求めて走ると辛くなる。




ファットバイクが本領を発揮するのは例えばガレ場の下り。タイヤの空気圧を思い切り下げてクッションを効かせさらにグリップを稼ぐ。
そうするとクロモリフルリジッドの車体とは思えない走りをしてくれる。ゴロゴロ石の転がった地面も階段状の段差も難なく越えていく。





ファットバイクを選んだ時点で、軽さとか取り回しの良さとかクイックな乗り味とかバッサリ切り捨てて考えた方が楽しく走れるんだ。





里山のたいしたことのない登りをゼエゼエいいながら登る。疲れたら押せばいい。景色のいい所では休憩して。でも道なき道に出くわしたら勢いで下っちゃう。そんな走り方が意外と合うんだよSSFBには。




























それぞれのチャリのキャラクターに合わせた乗り方、フィールドで遊べば思った以上の楽しさがある
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シングルスピードファットバイク(SSFB)って本当に楽しい乗り物なんだよねー



その3はこちら






麦草ヒュッテでの休憩が終わりお楽しみの雪道ダウンヒルの時間がやってきた。ここ麦草峠から30km先の茅野駅までずーっと下りっぱなしだ
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まずはさっきのゲートまで6kmの雪道区間を楽しむぞ























本来はもっと気温が低く、雪がもっと締まっているはずなんだけど、3月としては異例な高温と前日の雨のせいで雪が柔らかくなってしまっていて、走るラインを考えないとすぐにハンドルをとられてしまう
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こんな時は登りの時につけた自分たちの轍をトレースするように進んでいくといい



























下りとはいえ今日の雪は重たく、かなり抵抗になっているからあまりスピードが出ない。でもそれでいいのだ
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この雪道を走る事を楽しめるかどうかってことが大事だからスピードとかそういうのはあまり気にしない
























緩やかな下り勾配だけど湿った雪の上をこんな感じで走っていく























エアーをかなり抜いた状態だからボョンボョンと走っていくのだ
































せっかくの雪上ダウンヒルだからただ走っているだけだともったいない。写真を撮ったり動画を撮ったりして楽しむ
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できることならこのスノーライドの楽しさを一人でも多くの人に伝えたいと思う


























誰もいないこんな景色の所をたっぷりと走れるんだ。これを最高と言わずに何と言おう
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そう、これがファットバイクの楽しさなんだよ


























このシングルスピードファットバイク、極太タイヤが人目をひくせいで街中を走っているとキワモノ自転車のように見られがちだけど、ひとたび山や雪道に持ち込んだらその可能性は無限なんだ。どんなところだって走れるという安心感、もし乗って進めなくても笑いながら押して歩けばいい。
早く走るための乗り物ではない、楽しく走るための乗り物だということを実感できるだろう。






自転車の楽しみ方っていろいろあるから、ストイックに競技志向でタイムを削って走ったり、街中でお洒落に颯爽と走ったり、家の近所をポタリングしたり、どんな楽しみ方が一番いいというものでもない。





ただ自分たちの楽しみ方はこういうスタイルなんだ。他人から必ず馬鹿?と言われるような楽しみ方。精神年齢は小学生と変わらない。でもいい大人がこんな馬鹿みたいな事を真剣に楽しむってなかなかいいもんなんだよねー。














ここを走っている間、三人共ずーっと笑いっぱなしだった
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スノーライドってのは人を笑顔にさせる不思議な力があるのかもしれない


























しばらく走ってゲートに到着。ここからは普通の除雪された舗装路の国道区間だ
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雪道走行のため抜いた空気を再び入れ直す












ここから茅野駅近辺までの約20kmはほとんどペダルを漕がずに進めるスーパーダウンヒル区間だ。お約束の奇声ダウンヒルをしっかり堪能する。















あっという間に中央本線茅野駅に到着。帰りの輪行の準備をする
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山の神様、道の神様、今日一日楽しませていただいてありがとうございました。


















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ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。

TwiteerやFacebookそしてInstagramにてスノーライド中に数多くの声援を送っていただいた皆様方、ありがとうございました。

そして、一緒に走ってくれた二人、ありがとう。





まあこんな馬鹿みたいな事でも、同じような仲間が集まってやり過ぎなぐらい楽しんじゃったら新しい遊びのジャンルになるって事を実感した一日でした。


さあ、あなたもシングルスピードファットバイクでスノーライドしちゃおう!





その2

湿った雪と薄い空気に悩まされている三馬鹿達
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しかし悩んでるとはいいつつも何か楽しそう




















少しでも乗れる区間があればすぐにこの笑顔
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大変でも苦しくてもそれが楽しいからやってるんだ




















好きなことやってるから押している時間すら楽しめる
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前日の雨という天候のおかげでこの道にいるのは自分達だけ。雨は雪を最悪の状態にしてしまったけどその代わりに誰もいないという最高のシチュエーションを作ってくれた


















楽しい楽しいといいながらも200mも走ったら息が切れてすぐに休憩
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GPSで現在地を確認しながら峠までの距離をカウントダウンして元気を出す。























空気薄くてヘロヘロといいながらも今日の雪チャリはいつもの山チャリみたいな担ぎ上げが無いから楽といえば楽なんだよね。道はフラットだしガレ場とか階段とか無いしね
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まあ、楽とはいってもママチャリ級の重量のあるパグスレーを担いで山を登る事と比べてというレベルですけどね





















大変といいながらもすでに標高2100mに到達した。目指す峠まであとわずかだ
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この辺りからはほとんど勾配の無い路面が続くんだけど路面がグリップせずなかなか前に進まない。がんばって立ち漕ぎをしても逆に後輪のグリップを失ってしまって前に進まない。だからサドルを下げて座り、後輪に荷重をかけながら滑らないギリギリのトルクをかけて進む

















麦草峠の山小屋、麦草ヒュッテの看板が見えてきた。長かった登りもここで終わりだ。
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シングルスピードでのスノーライドは確かに大変かもしれないけど峠に到着した時の達成感だってそれだけ大きいんだよねー




















麦草峠で通年営業している山小屋、麦草ヒュッテに到着。ここは食事や宿泊も出来るので冬場はここをベースキャンプにして雪山登山をする人も多いそうだ
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なんだかんだでゲートからここまで4時間近くかかってしまった。2時間もあれば着くと思ったんだけど、湿った雪であまり乗車できなかった事と写真を撮ったり休憩ばかりしてたからね
















建物の中に入り、まずはノンアルコールビールで乾杯だ。次にジェットボイルでお湯を沸かしカップラーメンを食べる。あー最高の時間だよ
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今日のメンバー、こうやって三人で走るのは初めてなんだけど、なぜか三人ともシングルスピードのパグスレーとロングテールバイクに乗っているという変なところでの共通項。という事は大体の思考回路は一緒ということだね。だから永いこと一緒に走ってきた様な錯覚を受けるんだ。













「雪山に自転車で行く」行く前にみんなに話したらよく分からない様な顔をされた。そりゃそうだ、そんな事が出来るわけないとみんなは思っているからね。でもチャリ馬鹿達はそのはるか斜め上の思考回路を持っているんだ。地球上のどんな所でも走ってやろうというのが基本スタンス。馬鹿と言われればなおさらやる気になる、まさに火に油だ。なんでそんな事をやるのかって?









そりゃあ楽しいからに決まってるよ










次はいよいよ完結編。史上最高の気持ち良さ、茅野駅までの30kmの連続ダウンヒルだ。




完結編につづく



その1はこちら



チャリ馬鹿三人組に降りかかった最初の試練、湿った雪のせいでタイヤが空転して前に進めないという問題
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そんな時はもっとエアーを抜くんだ。乗車した状態でタイヤがブヨッと潰れるぐらいにね。スノーライドの場合、路面状態は基本的にフラットなのでエアーをかなり抜いてもリム打ちの心配がない。ここはトラクション重視でボヨンボヨンタイヤで進んでいく




























これでなんとか乗って走れる様になった。乗る事が出来ればすぐにこんな笑顔になれる
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この時の気温はおそらく0度前後、この時期としては異例ともいえる高温だ。





























しばらくは勾配のゆるいところは乗車して、きつい所は押してというペースで進んで行く
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そうやって進んでいるうちに何か変な事に気づく。





















ん? な ん か く る し い ぞ

















大した勾配でもないはずなのにすぐに息が上がってしまう。雪道ってこんなに苦しかったっけ?
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500mも進まないうちに止まって休憩をする。非常時用にとっておいたアンパンをとりだす。だってこんなに苦しいなんてすでに非常時だよこれ。























ま て よ こ こ は 標 高 1 8 0 0 m




















そうか、そうだよな。空気が薄いんだ。
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湿った雪に力を奪われ、今度は少ない酸素に悩まされる。おまけにシングルスピードだからこれ以上軽いギヤは無い。こんな事で三馬鹿達は本当に峠までたどり着けるのだろうか








その3に続く