NO.2998 最新鋭MT-4000形に初乗車、全線運行再開後の南阿蘇鉄道高森線乗車記録(後編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 前回より、南阿蘇鉄道高森線に全線運行再開後に乗車しました記録をご紹介しておりますが、その前回は熊本駅より立野駅、そして南阿蘇水の生まれる里白水高原駅までの乗車の模様をご紹介しておりました。

 

 南阿蘇鉄道高森線は、熊本県南阿蘇村の立野駅から、高森町の高森駅を結びます全長17.7キロの路線でありまして、この中に10駅が設けられておりまして、普段は学生さんや通勤される方の姿がありますが、週末や祝日には多くの観光客も見られておりまして、3月からはトロッコ列車「ゆうすげ号」の運行も行われる事になっております。

 

 この区間は、平成28年に発生しました「熊本地震」におきまして、西側を中心に大きな被害を受けておりましたが、昨年7月に全線で運行を再開しておりまして、それとともに朝2往復におきましてJR豊肥線との直通運転も開始しておりまして、以下画像のようにJR豊肥線の立野駅ホームと接続する亘り線(右側)も見られております。

 

 また、阿蘇山の五岳と外輪山の間を運行する事もありまして、海抜も500メートルを超えた地域を運行されておりまして、この中には立野駅より先にあります立野橋梁や、以下画像の第一白川橋梁と言った所を渡る際には地面よりも非常に高い所を通りますので、それだけ高い地域を運行している印象を感じさせられるのではないかと思います。

 

 (体を乗り出して車窓を見る乗客の方々)~第一白川橋梁付近にて

 

 そんなこの区間の駅では、様々な「出迎え」の姿も見られております。画像の阿蘇下田城駅では画像のように「歓迎くん」と呼ばれる手作りロボットがありましたり、長陽駅でもカフェ店の方が出迎える姿も見られております。こうした所からも先述のように週末や祝日には多くの観光客も見られる結果につながっているようにも思う所でもありましょうか。

 

 

 さて、今回の訪問は去る2月12日に訪問しておりまして、昨年7月以来の訪問でありました。それは画像のMT-3000形気動車3001号、MT-2000形気動車2003A号がこの日をもって引退する事になっていたためでありまして、私自身も最期の姿を収めるための高森線訪問でもありました。今回は後編としまして、引き続き最新型気動車でありますMT-4000形気動車に乗車しまして、高森線の末端にもなります、高森駅までの乗車の模様を皆様にご紹介してまいります。

 

 

 以下画像が前回ご紹介しました南阿蘇水の生まれる里白水高原駅であります。この駅は、南阿蘇鉄道に転換しましてから生まれた駅でありまして、平成4年に開業した駅であります。

 

 開業時、この「南阿蘇水の生まれる里白水高原」の駅名は、日本一長い駅名でありまして、読み仮名は22文字にも及ぶ駅でもありました。しかし、その後新たな長い名前の駅が相次いで生まれた事もありまして、日本一の座は降りてしまっておりますが、現在も九州では一番長い駅名の駅でもあります。

 

 尚、この隣の駅でもあります阿蘇下田城駅も、昨年7月までは「阿蘇下田城ふれあい温泉」駅として存在していたため、読み仮名が16文字にも及ぶ事から、上位の長い駅名が連続する所でもありましたが、温泉機能が平成28年の「熊本地震」で営業できなくなった事で、現駅名に改名されております。

 

 この時には、駅に来られていた方がこの列車の姿を収めておりましたが(お目当ては後述の列車のようです)、よく見ますとこの日で引退しますMT-2000形気動車2003A号+MT-3000形気動車3001号のイラストが黒板に書かれておりまして、感謝の意を出している事が伺わせておりました。

 

 

 南阿蘇水の生まれる里白水高原駅を発ちまして、さらに高森方面へと進んでまいります。車窓には外輪山の姿がきれいに見る事ができておりましたが、既に海抜は400メートルを超えておりまして、そういった所を高森線は運行されている事が伺えるのではないかと思います。

 

 

 さて、ここでMT-4000形気動車の車内であります。令和5年より運行を開始しましたこの気動車でありますが運転台は以下画像のようになっております。また、その下の画像を含めまして上部にはJR豊肥線乗り入れ対応のためATS-DK形の車上表示器も装備されておりまして、この機器を装備する事で乗り入れ可能である事を伺わせております。

 

 また、運賃箱や整理券発行機も新しいものが装備されております。尚、立野~高森間の運賃は490円でありますが、多客時には券売機もない事から10円を中心に釣銭切れが発生しておりまして、今回往復でそういった姿が見られておりました(その際は運転士の方が即座に対応しておりました)

 

 車内は、ロングシートでありまして、特にラッシュ時にはロングシートである分多くの乗車も可能となってまいります。ちなみに、立たれている方がいらっしゃいますが、これはこの時運転士の方が沿線の名所案内を言われておりまして、その際に上の画像の第一白川橋梁のように身を乗り出して見られている時でもあります。それほど名所などもありますので、なかなかずっと座ると言う事もできないのかなとも思う所でしょうか・・・。

 

 

 さて、列車は中松駅に差し掛かってまいります。この日は本当に青い空が美しく見られておりまして、まさにいい時に来ていたなとも思う所でもありましたでしょうか。

 

 画像が中松駅であります。中松駅は、国鉄時代より存在していた駅でもありまして、ホームは2面2線と相対式ホームとなっておりまして、高森線では唯一行き違いが可能な駅でもあります。尚、「熊本地震」後この駅から高森駅間が先に再開しておりましたが、この時2番ホームの使用は禁止されておりまして、発着列車は1番ホームのみとなっておりました。

 

 所で、高森方では野焼きをされている姿がありましたが、その先にヘッドライトの姿が見られておりました。その行き違いの相手がMT-3000形気動車3010号の「サニー号トレイン」でありまして、「サニー号」からもわかりますように、この熊本県出身の尾田栄一郎氏原作の「ワンピース」にあります「サウザンドサニー号」から取ったものであります。

 

 この時は、煙から出てきた所を収める事にしていましたが、この時に限ってシャッターが作動しなかった事から、結局2番ホーム入線時の姿のみを収めるに至っておりました。

 

 所で、この中松駅と言いますと、その下の画像にもありますように、駅舎は桂英昭氏デザインとなっておりますが、駅舎内には喫茶店も併設しております。また戦隊もののコレクションが喫茶店の入口の所に置かれておりますし、今回乗車時にホームでは画像のようにロボットも出迎えておりました

 

 (喫茶店名「ひみつ基地ゴン」とロボット)

 

 (昨年7月訪問時撮影)~桂英昭氏デザインの駅舎と喫茶店入口

 

 

 中松駅を発ちまして、さらに高森駅方面へと進んで行きます。先述のように、高森方には野焼きの姿が見られておりましたが、そんな中を列車は通過して行きます。それにしても、線路際で野焼きをやるとは、場合によっては遅延もあり得る事にもなりますので、これはあまり見られない事でもありましょうか。

 

 進みますと、線路際では野焼きを行った跡が見られておりました。この鉄道自体も本数もそう多くはありませんので、野焼き自体も運行に支障もない形で行っている事が伺えるようではあります。

 

 

 列車はさらに進んでまいります。ここでは「撮り鉄」の方がいらっしゃっておりまして、先述の「サニー号トレイン」、そしてMT-2000形気動車2003A号+MT-3000形気動車3001号の姿を収めるために待っている姿も見られておりました。また、係員(職員)?の姿もありまして、線路の保寸を行っていたようでした。

 

 (「撮り鉄」の方)

 

 (職員?の方)

 

 

 こうして、阿蘇白川駅にやってまいりました。この駅のつくりは、画像にはありませんがとんがり屋根の駅舎であるのが特徴でありますが、その駅舎内には喫茶店も併設しておりまして、この日は祝日でもありましたので営業しておりました。

 

 

 阿蘇白川駅を発ちますと、1キロ以内の所に次の駅でありまして、最も新しい駅であります南阿蘇白川水源駅にやってまいります。この駅にも、やはり喫茶店が入っておりまして、7月訪問時には利用した事がありましたが、白川水源への最寄り駅でもありますので、利用者も見られる駅でもあります。

 

 (南阿蘇白川水源駅ホーム&駅舎)

 

 昨年7月訪問時には、画像のようにかかしの姿も見られておりましたが、今回は見られておりませんでした。ご紹介しておりますようにこの路線では様々なお出迎えもありまして、中松駅や阿蘇下田城駅では上の画像のようにロボットも出迎えてもいますので、「人間だけではない」と言う事には間違いないでしょうか・・・。

 

 

 南阿蘇白川水源駅を発ちまして、さらに東へと進んで行きます。よく見ましても、外輪山の姿が見られている訳ではありますが、徐々に近くなってきている印象でもありましょうか。

 

 

 そして、列車は見晴台駅にやってまいりました。よく見ますと、駐車場にはマイカーの姿が多く見られておりましたが、それだけ各地から観光客が見えられている事もわかります。

 

 (ホーム)

 

 この見晴台駅と言いますと、当ブログでもこれまでもご紹介しましたように、キリン「午後の紅茶」の自動販売機が置かれておりますが、以前上白石萌歌さん出演のCM撮影が3年にわたりまして行われていた所でもあります。それがきっかけで自動販売機が引き続き置かれておりますし、先述のように観光客の姿も見られておりますが、運転士の方もその事に関します案内放送も車内で行っておりました。

 

 (昨年7月訪問時撮影、「午後の紅茶」しかない自動販売機と、上白石萌歌さん出演CMポスター)

 

 尚、昨年7月訪問時に見られておりましたこいのぼりの姿はありませんでした。けれども、またこどもの日に近いゴールデンウィークから見られるのではないかと思われますので、それを期待したい所ではあります。

 

 

 見晴台駅を出ますと、いよいよ終点の高森駅へとやってまいります。ここからは数百メートルほどまっすぐした姿が見られますが、この後後述のようにカーブに差し掛かる事になります。

 

 カーブに差し掛かった所にありますのが、こちらも当ブログでもご紹介しました「高森湧水トンネル公園」であります。この公園の先には後述のように高森トンネルとなりますが、その手前のその下の画像の部分に本来でしたら高森駅が移転する事になっておりました。

 

 (画像奥あたりに高森駅が移転する事になっていました)

 

 昨年7月訪問時撮影の高森湧水トンネル公園であります。元々は、高森線と旧高千穂線(→旧高千穂鉄道)とつながる予定でもありまして、その高森トンネルもその重要な区間の一つとして工事を行っておりましたが、工事がストップした事で「未成線」となっておりました。現在は、特に高千穂側で鉄道が存在しませんので(但し観光鉄道(高千穂あまてらす鉄道)として一部区間は残ります)、より開通が難しくなっている事には間違いないでしょうか。

 

 

 こうして、高森駅にやってまいりました。この駅も、昨年7月に旧駅舎から移転された駅でありますが、白い駅舎が大変目立っている事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 (到着直後)

 

 この高森駅のホームそばには「ワンピース」に出ておりました「フランキー」の像が見られております。この登場人物の像も県内各地に見られておりますし、像がある所には必ず観光客の姿も見られております。それだけこの像自体の存在も大きいのかなとも思う所でありますが、まさに人気漫画から生まれただけの事でもありましょうか。

 

 

 この後、以下画像奥にあります留置線に向けて回送されます。よく見ますと、左側にはMT-4000形気動車の増備車の姿も見られておりまして、今後運行開始へ至る事にもなります。そして、この日の主役でもありますMT-3000形気動車3001号+MT-2000形気動車2003号の姿もありまして、後述のようにホームの入換も行う事にもなります。

 

 (留置線へ向けて回送)

 

 ここで、MT-4000形気動車4002号とMT-3000形気動車3001号との2ショットであります。まさに新旧の並びが見られていた訳ですが、この姿からも世代交代を伺える所であります。尚、この4002号は奥の車庫に留置されまして、この日は夕刻まではその位置であったようです。

 

 MT-4000形気動車が留置されますと、今度は特別運行の2両編成が奥の車庫に移動、そして今度はホームに入る事にもなりますが、それに関しましては後日紹介させていただきます。

 

 

 前回・今回と2回に分けまして、MT-4000形気動車4002号に乗車しましてからの南阿蘇鉄道高森線の乗車の記録をご紹介しましたが、本当に新しい気動車であるがゆえの所も車内を中心に見られていたようにも思いますが、新たな増備車が導入された事でこの気動車の存在もより大きくなるのではないでしょうか。また、車窓の姿を見ましても、冬ならではな姿も見られておりましたし、美しい姿も見られたのが良かったのではないでしょうか。次回からは、先程中松駅ですれ違っておりました「サニー号トレイン」に乗車しました話題も2回にわたりご紹介してまいりますので、次回からも引き続きご覧いただきたいと思います。